労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

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book412(終業時間を超えたら時間外勤務?)




■「法定労働時間を超えたら」ではなく「終業時間を超えたら」と決めている。



1日8時間、1週40時間(例外44時間)を超えて働くと、法定の労働時間の枠を超えてしまいますので、いわゆる時間外勤務になりますよね。

「1日8時間、1週40時間(例外44時間)」という枠が法定のものなのですが、中には、この枠を超えなくても、時間外勤務として扱っている会社もあるようです。

つまり、「法定労働時間を超えたら時間外の勤務になる」のではなく、「終業時間を超えたら時間外の勤務になる」と決めているのでしょうね。


そこで、「法定労働時間を超えたら時間外の勤務になる」と「終業時間を超えたら時間外の勤務になる」の間にどのような違いがあるかが問題になります。

表現上は、法定労働時間と終業時間という名称だけの違いなのですが、別の視点で判断すると、ちょっとした違いがあるのですね。






■分かって決めているならばよい。


始業時刻が9時で、終業時刻を16時と決めている会社を想定します(休憩は1時間と仮定)。

この会社では休憩を除くと6時間の勤務になりますよね。


では、この環境で、例えば18時まで勤務したとすると、どうなるでしょうか。

休憩時間はそのままとすると、1日8時間の勤務になります。

ここで、「法定労働時間を超えたら時間外の勤務になる」と「終業時間を超えたら時間外の勤務になる」という2つの基準を当てはめてみると、結論が変わります。


まず、「法定労働時間を超えたら時間外の勤務になる」という基準だと、法定労働時間は1日8時間なのですから、18時まで仕事をしても、法定労働時間の枠の中に収まっています。

一方、「終業時間を超えたら時間外の勤務になる」という基準だと、終業時間は16時までなのですから、18時まで仕事をするとなると、終業時間を超えた2時間が時間外の勤務になるのですね。それゆえ、時間外の勤務に対する手当も必要になるわけです。


法定労働時間を基準にして時間外の勤務を判断するときと、終業時間を基準にして時間外の勤務を判断する時では、上記のように結論が変わるのですね。

もちろん、16時を超えると時間外勤務になるということを理解した上で、「終業時間を超えたら時間外の勤務になる」と雇用契約書や就業規則に決めているならば、特に支障はないでしょう。

しかし、1日8時間を超えなくても時間外の勤務になってしまうことを知らずに、「終業時間を超えたら時間外の勤務になる」と決めてしまうと困ってしまいますよね。


ちなみに、時間外勤務については雇用契約書や就業規則に書かないようにすると、自動的に労働基準法が適用されますから、1日8時間の基準で運用できます。

分からないことは雇用契約書や就業規則に書かない、というのも一考かもしれませんね。

山口正博 社会保険労務士事務所
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