book408(休暇単位を切り替えてしまう時季変更はナシ)





■1日を半日に時季変更。1日を半日に時季変更。これはアリ?



労働基準法では、企業が有給休暇の時季(以下、「時期」と書き換えて表記する場合がある)を変更することができると決められています。

ある時期に休暇を取得されると、どうしても仕事に支障がでる場合に限って、その休暇の時期を他の時期にズラすことができるのが、いわゆる「時季変更権」ですね。

今では有給休暇は1日単位で使うだけでなく、半日単位や2時間や3時間のような時間単位でも使う企業が広がってきています。

より細かい単位で休暇を使えると、より融通の効く休暇になるので都合が良いのでしょうね。


もちろん、1日単位の休暇だけでなく、半日や時間単位の休暇であっても、その休暇の時期を変更することが可能です。取得の単位が変わっても同じ休暇ですから、時季変更権でその時期を変更できるわけです。

もし、1日単位の休暇を時季変更するならば、他の日に休暇日を移動することで足ります。

しかし、半日単位や時間単位の休暇を時季変更するとなると、ちょっと変更が変則的になりますよね。

例えば、1日の休暇として申請したところ、その休暇が時季変更されたとします。変更後の休暇は、ある日に半日休暇、さらに別の日に半日休暇として配置することで、「半日休暇+半日休暇=1日休暇」というように休暇の時期を変更したとします。


これはアリでしょうか。

それとも、ナシでしょうか。

確かに、1日分の休暇としては確保されていますが、もとは1つだった休暇が2つに分割されてしまっていますから、この点が問題になります。






■半日を1日に変更したり、1日を時間単位に変更する時季変更はダメ。



結論から先に言えば、1日の休暇を、「半日休暇+半日休暇=1日休暇」というように分割して時期を変更するのは、ダメです。

つまり、「休暇の取得単位を変えてしまうような時季変更」はダメなのですね。


他にも、時間単位休暇を1日単位の休暇に切り替えて時季を変更したり、1日単位の休暇を時間単位休暇に切り替えて時季変更するのもダメです。

これも休暇の取得単位を変えてしまっている時季変更ですよね。


上記のように判断する理由は、「休暇の取得単位は休暇の内容を構成している要素であるため、この要素を変更したとなると、単なる時季の変更であるとは認められない」ためです。

時季変更権は、あくまで「休暇の取得時期を切り替えるにとどまる」ものであって、「休暇の取得単位まで切り替えてしまう」となると、時季変更権の範囲を逸脱していると判断しなければいけないでしょう。


要点は、「休暇の取得単位は休暇の内容を構成している要素である」という点ですね。



山口正博 社会保険労務士事務所
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