book387(公的制度は国民を無知にする仕組みになっている)





■「おまかせコース」が大人気。


企業で働いたり、公的期間などの組織で働いていると、税金や公的保険などの手続きを自分で行う必要はありませんよね。

所得税は源泉徴収制度と年末調整制度で処理されますから、社員は特に作業を行う必要はなく、医療費控除や配偶者控除、生損保控除などの内容を示す書面を作成する程度です。主な作業は企業が行ってくれますので、ラクチンです。


他方、公的保険でも社員は特に面倒な作業は必要なく、ほとんどの作業を企業に任せてしまうことが可能です。被扶養者の申告や各種イベント(出産、育児など)が発生したときに申告する程度で、負担はほとんどありません。

このように、組織で働いていると「おまかせコース」で大体のことはできてしまいます。
 
これは便利な仕組みなのですが、時に不都合なこともあります。

人任せにしていると、自分の知識が増えませんから、社会の仕組みを知らない人になるかもしれません。






■自分で手続きをするのが本来の姿。


何でもそうですが、自分でやらないと理解できないものです。

人任せにしているのに、キチンと理解できるというのはヘンですよね。


源泉徴収や年末調整で所得税の処理を企業任せにしていると、基礎控除や給与所得控除(今はもう無く、所得の計算に組み込まれている)についてすら知らない人もいますし、減価償却にいたってはほとんどの人が知らないのではないでしょうか(経理の仕事をしている人は分かるかもしれませんが)。

収入と所得の違いを知らないとか、どうやって所得税の計算をするかを知らないとか、「災害免除って何?」とか、ちょっと困った状況になるのですね。

自分で確定申告すると、所得税の仕組みが少しはわかるのですが、源泉徴収や年末調整の制度があるので、どうしても自分で確定申告する機会がないのですね。

本来、全ての人が自分で確定申告するのが普通なのですが、税務署の事務作業を簡単にするために源泉徴収や年末調整という仕組みが使われているのです。


他方、雇用保険、健康保険、厚生年金、国民年金でも税金と同じ状況です。

企業任せで手続きが済んでしまうので、どうしても制度の仕組みを知ろうという動機が生まれにくいです。

普通は、「雇用保険は失業しないと給付が無い」と考えたり、国民年金の1号被保険者と2号被保険者と3号被保険者の違いが分からなかったりするものです。厚生年金にいたってはチンプンカンプンという人もいるでしょう。

公的保険の手続きも、個人で手続きすると仕組みが分かるようになるのですが、事務作業を簡単にするために企業が一括で処理しているのですね。

「法律、会計、税制」という3つの分野は専門的ではありますが、生活知識として知っておくのが望ましい部分もありますから、難しいと嫌わずに少しは学ぶと良いです。



山口正博 社会保険労務士事務所
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