book382(企業の労務情報を開示させる)




■企業の内側を見ることができる。


就職活動を行うときには、企業の情報を集めます。

立地、業種、知名度、ブランド、オフィスが入っている建物、オフィスの内装、働いている人の顔、企業理念、事業の内容、企業ウェブサイトのデザイン、社長の顔、財務情報、初任給の額、公的保険の加入状況、各種の休暇、保養施設の有無、ボーナスの額、エントリーシートの書き方、などなど。

その会社に入ることを希望する人は、多種多様の情報を集めて企業に応募するわけです。

もちろん、上記のような情報も、企業を選択するためには重要なのですが、他にもあってよい情報があります。

それは「労務情報」です。


「福利厚生がいいから」という理由で特定の企業を選択する人は多いですが、「福利厚生がいい」という判断は何を基準にしているのでしょうか。

公的保険にキチンと加入している。給与がいい。ボーナスが多い。休暇が多い。


これらの理由で判断するのでしょうが、例えば休暇が多くても取得率が低ければあまり評価できないですよね。

他にも、例えば、離職者が多いという情報は開示されることはないはずです。就職活動で集める情報の中に離職者数が分かる情報はあるでしょうか。

採用された人数、採用後3ヶ月後での人数、6ヶ月後、1年後、3年後、というように、採用後にどの程度、人数に変動があったかを示す情報はないはずです。

このような労務情報も就職活動で集める情報の中にあれば、応募者にとっては嬉しいはずです。





■労務情報は福利厚生の判断基準になる。


他にも、社員1人あたりの平均残業時間とか、残業の発生率(残業者/社員数)という指標とか、有給休暇の消化率とか、定期健康診断の結果とか、社員の平均寿命とか、死亡率など。

このような情報が採用活動で開示されていないにもかかわらず、「福利厚生がいいから」という理由で企業を選ぶのは、ちょっと物足りない気がします。

その会社は、意外に高ストレスの環境であり、平均寿命が短い職場かもしれません。

無理な営業を強いる会社とか、証券会社や新興不動産デベロッパーに多そうです。


他の会社では、定期健康診断の結果を見ると、メタボや高血圧の社員が多い職場かもしれません。残業時間がながく、遅い夕食を食べているのかもしれませんね。

またある会社は、公的保険にはキチンと加入しているものの、有給休暇の取得率はとても低いかもしれません。

このような労務情報は企業を選ぶ上では意外に大事なのではないかと私は思います。

決算や財務情報を開示させるというルールは社会にありますが、労務情報を開示するルールはありません。


労務情報も財務情報と同様に開示を義務づければ、就職活動をする人にも有益ではないでしょうか。

今では、労働市場は買い手市場になっていますので、求職者が集める情報の中に企業の労務情報も入れて欲しいものです。




山口正博 社会保険労務士事務所
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