book381(振替えられた休日をいつまでに取得するのか)





■期限の無い振替休日。


労働基準法には法定休日のルール(35条)がありますが、この法定休日は他の勤務日と振り替えることができますよね。これは、いわゆる「振替休日」というものです。


「休日を勤務日に変えて、一方で、他の勤務日を休日に変える」のが振替休日です。

ただ、休日を他の勤務日と振り替えることが可能であるといっても、「いつまでに振り替え処理を完了させるか」という点までは労働基準法で決めていません。


振り替えた日から1週間以内に振替休日を設定するのか、2週間以内なのか。それとも、賃金の締め日までに振替休日を取得するべきなのか。または、3ヶ月後までや6ヶ月後までという長い期間で振替休日の取得日を延ばしてよいのか。

いろいろと判断が分かれています。


中には、休日を振り替えるとしながらも、いつまでも振り替えられた休日を取得できないという会社もあるようです。





■期限が定まっていないならば代休、、、のはずだけれども。


「振替休日の日程を特定していないならば、それは振替休日ではなく代休になる」と言う人もいますが、事はそれほど簡単ではありません。

振替休日と代休の違いは、「事前に振り替える休日を特定しているかどうか」という点にあります。つまり、事前に特定していると振替休日に、一方、事前に特定していないと代休になるわけです。

ただ、この違いは微妙です。


「振り替える休日を特定しているようで特定していない」場面が現実にあるために、特定の有無という基準だけで振替休日と代休を判別していると、現場で起こることに対応できないことがあります。

「振り替えられた休日は、なるべく近接した期間で振り替えるのが望ましい」とは言われていますが、具体的にいつまでという制約はないのですね。

それゆえ、明確に振替日を特定せずに、ボンヤリとした特定でお茶を濁すように振替休日を設定することもあるわけです。つまり、微妙な運用を行い、実質は代休なのに振替休日を装うような運用をしているのですね。

このような状況に遭遇すると、「振替期日を事前に特定しているかどうか」という点だけで判断するのは難しくなります。


通説的には、「給与計算期間をまたがないように振り替えられた休日の日程を決める」という判断になっているのですが、これはあくまで通説です。法律で決まっているわけではありません。

 
また、「給与計算期間をまたがないように振り替えられた休日の日程を決める」という判断には、給与の締め日間近で振替勤務を実施すると、処理できなくなる(振替休日を逃がす時間がなくなる)という欠点があります。

中には、「振替勤務から3ヶ月以内に振り替えられた休日を与える」というルールの会社もあります。これでも振替勤務にはなるものの、3ヶ月という期間は長いですよね。

ゆえに、振替勤務を実施する企業では、「振り替えられた休日をいつまでに取得するのか」という点を就業規則に決めておくのが望ましいです。


例えば、「振替勤務日から10日以内に振替休日を取得する」というように、賃金の締め期間に拘束されないルールが良いのではないかと思います。



山口正博 社会保険労務士事務所
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