book377(固定給だから時間を拘束される)




■固定給を好む人は"M"だ。



「固定給は多ければ多いほど良い」と思っている人は少なくない。

固定給とは、会社の業績や個人の成績に影響を受けずに、毎月受け取る報酬のことですね。

会社の業績や個人の成績に影響を受けないため金額が安定するので、会社で働く人の中には固定給を好む人がいるわけです。

確かに、住宅ローンやカーローン、教育費で毎月一定の支出がある人にとっては固定的に受け取る報酬はありがたいのでしょうから、固定給を好む気持ちは分かります。


ただ、固定給を好めば好むほど時間拘束が強まり、時間外の勤務も増えるのではないでしょうか。

多くの時間を使って働いても、短い時間で働いても、報酬が同じならば、企業は社員をなるべく長く働かせてやろうと考えるのが普通です。なぜなら、早く仕事を終えられるとソンだからです。


上司が会社にいるから部下が帰れないとか、1日の勤務時間は8時間で契約してるのだから、仕事が無くても会社にはいなきゃいけないんだとか、何かヘンですよね。

このようにヘンなことが起こるのは、「早く仕事を終えられるとソン」という意識があるからではないかと私は思うのです。







■報酬体系と時間管理のトレードオフ。



固定給の割合が高まると、時間拘束の力が強まる。一方、成果や成績に応じた報酬の割合が高まると、時間拘束の力が弱まる。このトレードオフの関係はほぼ当たっているはずです。


例えば、毎月の給与は完全に固定された月給(固定給100%)で支給されている会社だと、おそらく定時までに仕事を終えている人は少ないはずです。

他にも、最も時間を拘束されている代表としてパートタイムで働く社員さんがいます。報酬が「時間給」ですからね。パートタイムの労務管理1時間当たりどれだけ働かせるかを企業は意識するために、なるべく元を取ろうという企業のインセンティブが強くなります。「人時生産性」という概念があるのも納得です。


一方、保険外交員や営業社員、外資系企業で働く人だと、成果や成績で評価する報酬が含まれているでしょうから、時間拘束が弱いはずです。営業をサボって営業車の中で昼寝できるのも、時間拘束が弱いからなのですね。他方、会社で経理や各種事務を担当している人は昼寝をすることはできないのではないでしょうか。

ここで注意すべきは、成果や成績で決める報酬を取り入れたからといって、仕事時間が短くなるわけではありません。仕事時間が短くなるのではなく、「時間拘束が弱くなる」という点が事の焦点です。



成果給や成績給という仕組みは、テレビや雑誌、新聞などもメディアで批判にさらされることが多いですので、どうしても嫌われやすい地合ではあります。偏った報道に扇動されてしまっているのかもしれません。「成果・成績=ダメ」というように。

ただ、「固定給にこだわると時間拘束の力が強まる」という点は知っておきたいところです。


固定給だけでなく、ある程度は成果や成績評価を受け入れて、時間拘束を緩めるのも一考ではないかと思います。



山口正博 社会保険労務士事務所
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