book373(人口分布のピラミッドはいつか形が変わる)




■ピラミッド構造が理想だけれども、、、。



社会保障の仕組みを安定的に動かすには、高齢者よりも多くの若い人が必要です。

例えば、年金の構造は、若い人が高齢者を支えるようになっており、高齢者1人当たりの若年者が多くなればなるほど安定するのですね。


しかし、高齢者1人当たりの若年者が少なくなると、当初の想定からズレ始め、制度が歪んできます。

それゆえ、人口の分布状況はピラミッド型が望ましいとされているわけです。ピラミッド型とは、若い人たちが多く存在し、高齢者は若い人に比較して相対的に少なくなっているという人口分布の一形態です。


ただ、ピラミッド型の人口分布が望ましいといっても、人間の社会では、いつかはこの型を維持することができなくなる運命なのではないかと私は考えるのです。






■"量的な追求"はいつか終わる。



人口の分布をピラミッド構造にしておくには、量的に人口を増やし続けなければいけないのではないでしょうか。

つまり、今の世代よりも次の世代の方が人口が多くなり、次の世代よりもその次の世代の方が人口が多くなり、その次の世代よりもその次の次の世代の方が人口が多くなり、、、という人口を増加させる連鎖を続けないと、人口の分布をピラミッド構造にしておくことはできないのでしょう。

今では、生活環境は日々良くなっていますし、衛生環境も向上し続けていますし、食べ物が充実し、医療インフラも相応に充実している。そのため、人間の寿命も延びやすくなっているわけです。

以前ならば、日本でも、結核やマラリヤ、重度の肺炎などで死んでしまう人が多くいたのでしょうが、今ではよほど重度の疾患でないかぎり治療の方法があります。

昔ならば、ある程度の年齢になると、疾患などの理由でその人たちがいなくなり、人口の分布は、高齢者が少なく若年者が多くなりやすかったのですね。

しかし、今は高齢者の寿命が延び、なかなか人口分布の上の方が少なくならないので、年金制度がうまく回らないのです。ちなみに、年金制度の最大の問題は「少子高齢化」です。



ゆえに、今では長く生きることが容易になったために、ずっと人口分布をピラミッド構造にしておくことはできない状況なのですね。


発展途上国では、怪我や疾患で死亡する人が多く、高齢になるまで人が生きるのが難しいので、人口の分布が悩みの種になることはありません。

しかし、国が発展すると、生活衛生のインフラが充実するので、人口の分布をピラミッド構造に維持するには、より多くより多くの子供を産まなければいけなくなります。


とはいえ、「量的な追求はいつか終わる」のが常です。



山口正博 社会保険労務士事務所
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