book368(健康保険の自己負担と保険料をリバランスするべき)





■保険料をあげると、健康な人ほど不満に感じる。



構成員の高齢化により、協会健保だけでなく、組合健保でも保険料は上がりがちです。

健康組合の中には、協会健保よりも保険料が高い水準になってしまうので、組合を解散し協会健保に移行する企業もあります。


通常、健康保険の財政をバランスさせるためには、保険料を引き上げて対応することが多いのですが、なぜ自己負担比率を引き上げないのでしょう。

小泉純一郎総理大臣のときに、健康保険の自己負担比率を原則として3割に変更しましたが、私はもっと引き上げても良かっただろうと考えています。


保険料を引き上げられるぐらいならば、自己負担比率を引き上げてもらった方が都合が良いのです。

ただ、自己負担比率の引き上げには相当の抵抗があるようで、小泉さんの頃もそうとうに時間をかけて自己負担比率を引き上げました。

ところが、保険料を引き上げるときには意外と抵抗は少ないのですよね。



これは不思議ですね。






■保険料を下げて、自己負担比率を上げる。



私は、保険料の引き上げこそ抵抗するべきであり、一方で、自己負担比率の引き上げを受け入れるべきだと考えます。

なぜならば、健康な人が納得できる仕組みになるからです。


今現在の健康保険は、「健康でない人」ほど利益を享受できる仕組みになっています。つまり、保険料を高めに設定し、自己負担比率を低くすることで、健康な人に負担を多くし、逆に、健康でない人に負担を軽くしています。


「公的な医療保険だから、健康な人に負担を多くし、健康でない人に負担を軽く、という構図になっても構わない」と考える方もいるかもしれませんが、やはり健康な人の気持ちを考えるとこの考えには納得しがたいです。

「体は健康だが、経済的には不健康」では困りますからね。


そのため、健康な人が納得できる仕組みに変えるべきです。


具体的には、保険料を5%程度まで引き下げていき、自己負担比率を6割程度まで引き上げるのが1つの案です。

自己負担比率が引き上がると、より健康に生活しようというインセンティブを与えることができますので、一石二鳥です。


さらに、健康保険の利用実績を自己負担比率に影響させるのも一考です。

具体的には、一定未満しか健康保険を利用しなければ、翌年度の自己負担比率を6割から5割に引き下げるという仕組みも構築できます。



「自己負担比率の引き上げには猛反対するが、保険料の引き上げには特に声を上げない」という状況はやはりヘンです。





山口正博 社会保険労務士事務所
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