book367(健康保険組合を代替する仕組み)




■健康保険組合の利点は保険料の安さ。



規模の大きい会社だと、政府の協会健保を利用するのではなく、企業独自の健康保険組合や業界独自の健康保険組合を利用することもありますよね。

健康保険組合を利用する動機は、「構成員を独自にコントロールできるので、保険料を低く設定できる」という点にあります。例えば、一企業単独で組合を運営するとなると、構成員は自社の社員のみにすることができます。協会健保だと構成員は不特定多数になりますので、構成員をコントロールすることができません。

ちなみに、健康保険の仕組みは、収入と支出をバランスさせるように保険料を決めるようになっています。つまり、「収入>支出」ならば、保険料を低くすることができますし、逆に、「収入<支出」ならば、保険料を高くしなければいけません。

さらに、健康保険組合の構成員が若いと、「収入>支出」という状態になりやすいですので、低い保険料で組合を運営できます。逆に、構成員の年齢が高いと、「収入>支出」という状態になりやすいですので、保険料は高くなる傾向があります。






■組合を解散したら、企業が独自にフォローを入れる。



しかし、現在では、健康保険組合の構成員が高齢化し、協会健保の高齢者医療に関する負担も組合に少し回されています。そのため、組合の保険料が上昇し、協会健保と同等、もしくは協会健保よりも保険料が高くなるということもありうるわけです。

そうなると、「組合を解散させる」という選択肢もでてきます。


ただ、組合を解散してしまうと、今まで通りの環境で健康保険を利用することはできなくなります。

そこで、「社員に何らかのメリットを残したい」とするならば、企業独自で何らかのフォローをする必要があるわけです。


例えば、自己負担の一部を企業がフォローするのもアリです。

具体的には、3割負担のうち4割を負担するという方法です。計算では、30%×40%=12%ですので、発生した医療費の12%を企業が負担するという仕組みですね。自己負担に対する割合では、社員6割負担、企業が4割負担です。


他にも、保険料の負担を50:50にするのではなく、60(企業):40(社員)という割合にするのもアリですね。


上記のように、組合健保から協会健保に移行しても、自己負担部分や保険料の部分で企業がテコ入れするという選択肢もあるのですね。





山口正博 社会保険労務士事務所
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