book359(36協定の限度時間を気にする以前に、働き方を変えることが先)




■限度があるからといって、そこまで行く必要はない。


ご存知のように、時間外に勤務したり、休日に勤務したりするためには36協定を締結する必要がありますね。労働基準法では時間外勤務や休日勤務をしてはいけないのが原則ですが、36協定を使ってこの制約をクリアするわけです。

上記の内容が36協定の基本となる機能ですが、36協定を締結したとしても、時間外勤務や休日勤務を制約無く実施できるわけではなく、上限があります。つまり、「1ヶ月で45時間まで時間外の勤務が可能」というように36協定には制約(いわゆる限度時間)があるのですね。

そこで、この上限を理解した人が「ああ、ここまで時間外勤務や休日勤務は可能なのだな」と考え、その上限ギリギリまで時間外勤務や休日勤務をスケジューリングすることがあります。


確かに、36協定の上限時間まで時間外勤務と休日勤務は可能なのですが、あえて上限時間を狙って勤務する必要はないはずです。

他にも、労働基準法は「労働条件の最低基準を定めた法律」ですが、だからといって労働基準法ギリギリで労務管理をする必要もないでしょう。







■限度時間を超えることを織り込むよりも先に仕事を見直す。



36協定の上限時間を勤務スケジュールに織り込む前に、仕事の内容を見直すのが先だと私は考えます。

36協定の上限時間を超えるほどの時間外勤務や休日勤務ですから、標準的な働き方ではないはずです。


「毎日、8時間労働だ」といっても、8時間の間隙間無く仕事をしているわけではありません。仕事中におしゃべりしたり、小休止(いわゆる「休憩」とは違うもの)を挟んだり、コーヒーブレイクしたり、タバコを一服したり、と表面上は「8時間労働」なのですが、意外と仕事以外のことも行っているのですね。

もちろん、息抜きは大切ですが、「仕事をしている時間」と「仕事をしていない時間」を分けてみると、思いのほか「仕事をしていない時間」は多いかもしれません。

特に、喫煙者の特徴ですが、喫煙習慣があるために頻繁に小休止をとり、タバコを一服する傾向があります。ヘビースモーカーだと30分に1回ぐらいのペースで喫煙している人もいましたね。また、1回の喫煙小休止で5分ぐらい使うのでしょうから、1日で通算すると1時間近く喫煙のために使っているのではないでしょうか。


仕事以外の時間が意外と長いにもかかわらず、「長時間労働が負担だ」と言ったりするのは、ちょっと違うのではないかと思うのです。


「労働基準法の取り扱いを考えるまえに、働き方を考えるべき」という指摘もできるのではないでしょうか。



山口正博 社会保険労務士事務所
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