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■契約期間中に雇用契約の内容を変更する◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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雇用契約と就業実態がズレる。
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雇用契約を締結するのは採用時だけ?
会社に入社することが決まると、ほとんどの会社では雇用契約を締結するはずです。ただ、中には雇用契約というイベントを設けずに雇用を始めたり、雇用契約は締結するが雇用契約書を作らなかったりする会社もありますね。
契約は当事者の意思表示の合致で成立しますから、契約書のような文書を作るかどうかは必ずしも必要なく、口頭でも成立します。そのため、採用を決めた段階で、「じゃあ明日から出勤して」とか、「来月の頭から勤務開始ということで」というように、ちょっと会話するだけで採用手続きが終わってしまう会社もあるのですね。
文書であれ口頭であれ雇用契約を締結することができることはそれでよいとしても、多くの場合、入社のときに雇用契約を締結したきりで、あとは契約を更改すること無く、そのまま雇用関係を継続しているのではないでしょうか。
雇用契約を締結するのは入社の時の1回だけであって、あとはそのまま期限無しの雇用契約(期間を定めない雇用契約とも呼ばれますね)で継続していくことが多いのではないでしょうか。
ただ、仕事内容がいつまでも不変であるのは稀です。時間が経過したり、また会社が成長したりすることで、社員個々人の仕事も変わっていくはず。他にも、社内で部署を移動して仕事をすることもありますから、入社時の雇用契約の内容とはずいぶんと変わってしまうこともあるのですね。例えば、入社時は営業だったけど、1年後には企画に移って、その2年後には財務に移動になったとなると、入社時の雇用契約はほとんど意味をなさなくなるでしょう。
それゆえ、勤務スタイルが変われば、雇用契約を更新して、契約の内容を変える必要があるのですね。ところが、雇用契約を締結するのは入社時だけという会社もあり、ちょっと困るのです。
雇用契約を更新せずに就業条件を変えると、契約が正しいのか、就業実態の方が正しいのか分からなくなる
雇用契約には「期間を定める契約」と「期間を定めない契約」があり、どちらの契約でも雇用契約として有効です。
小規模な会社だと、フルタイム社員もパートタイム社員もすべて「期間を定めない契約」で雇用契約を締結し、事務作業を省いているところもあります。期間を定めない雇用契約ならば、契約の期限が切れることはありませんから、期限ごとに契約を更新する必要が無く便利だと思えるのでしょうね。
確かに、「期間を定めない契約」は便利です。
ただ、先ほども書いたように、入社時の雇用条件がそのままずっと続くというのは稀です。
例えば、「週5日勤務で、休日は土曜日と日曜日で、勤務時間は9:00から17:00」という雇用条件が1年も2年も3年もずっと同じという人は意外に少ないように思います。通常は、週5日を週4日に変えたり週6日に変えたりしますよね。また、休日も、曜日を変更するかもしれません。勤務時間も増減する可能性があります。
ゆえに、入社時の雇用契約をそのまま放置するのは便利なものの、時として不都合なものになるのです。
「雇用契約の内容は不変で、雇用実態は変動する」のではどうしても歪みが生まれます。
雇用実態が変動するならば、雇用契約の内容も同時に変動しなければ、釣り合わないのですね。
就業条件にお互いが合意していれば良いが、人間は忘れる生き物
そこで、雇用実態に合わせて雇用契約を変える必要があるのですが、最初に書いたように、契約は文書でも口頭でも成立させることができます。そのため、雇用契約の更新する際にも、文書を使う場合と口頭で対処する場合に分かれます。
雇用契約を締結するときは、「絶対に雇用契約書を作らないとダメ」というわけではなく、契約書は契約内容をブレさせないようにするアンカーの役割を担うものであって、契約の成立に文書が不可欠なわけではないのです。
となると、利便性を考えて「期間を定めない契約」を締結している会社では、契約内容を変えるときは社員との話し合いで済ませようと考えるわけです。事務作業を避けるために期間を定めない契約を利用しているのですから、なるべく手間がかからない手段で契約内容を変えようと試みるはずです。
もちろん、雇用契約の期間中に雇用契約の内容を変更することはできますし、また、期間を定めている雇用契約であっても、途中で契約内容を変えることができます。
ただ、その変更方法が曖昧なのです。
社内の日常会話で、「今は週3日で出勤しているけど、来月から週4日にできない?」と言われ、「あぁ、いいですよ」と答えたとします。
驚きですが、これで雇用契約が変更されることもあるのです。
会社と社員で合意(当事者で合意)すれば雇用契約は変更できますから、上記のようなふとした会話でも契約内容を変更することができてしまうのです。もちろん、お互いにどの程度本気だったかも斟酌しないといけないでしょうが、あり得ないことではないでしょう。
口頭で雇用契約の内容を変えてしまうと、変更後の契約内容が揺らいでしまい、後になって「契約した内容と違う」とトラブルになっても、会社も社員も解決できない状態になってしまうかもしれません。
ゆえに、雇用契約と雇用実態が乖離し始めたら、契約書を作って雇用契約を更新するという作業を面倒でも行うのが望ましいでしょう。
話の流れで雇用契約の内容を変えたことにしないのがキモです。
メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。
【仕事のQ and A】
決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。
他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。
労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。
しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。
- Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
- Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
- Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
- Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
- Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
- Q:残業しないほど、残業代が増える?
- Q:喫煙時間は休憩なの?
- Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?
このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。
【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】
毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
残業管理のアメと罠
【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】
私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。
どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。
社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。
合格率0.07%を通り抜けた大学生。
【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】
高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。
中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。
若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。
それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。
もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。
週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。
休憩時間無しで働いている。
採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。
「学生には有給休暇が無い」と言われた。
テスト休みを取って時給を減らされた。
など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。
何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。
(知らないからといって許されるものではありませんけれども)
このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。
一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。
学生から好まれる職場と嫌われる職場。
その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。
「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
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