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■民間の保険ではなぜ雇用保険がないのか◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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当たりを自ら引くことができる雇用保険。
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生命保険会社ではどうして雇用保険商品が販売されていないのか
生命保険会社では多種多様の保険商品が販売されています。死亡保険、医療保険、年金、各種オプション(特約)付きの保険などなど、網羅的に把握するのが困難なほどの数の保険が揃っていますよね。
ただ、あれほどたくさんの保険商品がlineupされているにもかかわらず、雇用リスクを回避するための保険が販売されていません。
会社に勤めていると失業するリスクを負わなければいけません。また、リスクあるところに保険ありとも言えます。ならば、失業のリスクに応じた保険商品が販売されていても不思議ではないですよね。
しかし販売されていない。
唯一、失業リスクを回避する保険として存在するのが政府の雇用保険です。
では、なぜ民間の生命保険会社は失業保険(雇用保険)を売らないのでしょうか。利益を得られない商品は売らないのが企業ですから、おそらく失業保険を販売しても利益を得ることができないのかもしれません。もしくは、販売するとしたら、相当に高い保険料を課さなければいけないので、政府の雇用保険と競合しても負けると考えているのかもしれません。
自主的に保険金を受け取れるのが雇用保険
生命保険会社が雇用保険を販売しない最大の理由は、「雇用保険は自主的に保険金を受け取ることができる仕組み」だからです。
保険というのは、保険事故が起こると保険金が支払われる仕組みになっています。つまり、死亡、怪我、疾患、老齢、盗難などの保険事故が発生すると、保険金が支給されるわけです。
ここで気にすべきは、「保険事故は自分でコントロールできない」という点です。保険では、意図的に死亡したり、怪我をしたり、病気を患ったり、年を取ったりすることは想定していないのですね。自殺しても保険金は支払われませんし、意図的に保険事故を起こすと保険金は支払われないのです。
保険事故を自分でコントロールしたら、保険金は支払わないのが保険なのですね。
ならば、雇用契約はどうでしょうか。
失業は、会社から解雇されることで発生しますが、自主的に仕事を辞めても発生します。いわゆる自発的失業です。
雇用保険では、解雇されたときには失業手当(雇用保険の基本手当のこと)を支給しますが、自発的に失業したときにも失業手当を支給します。自発的な失業のときは、支給制限がありますが、支給制限が解除されると失業手当は支給されます。
ここで、自発的失業を失業から外すという考えを持つ人もいるかもしれませんが、自発的失業か非自発的失業かの境目が曖昧であるゆえに、自発的失業を失業から外すと、本来失業手当を受け取るべき人が手当を受け取れなくなりますので、分けられないのですね。
この点が保険ではありえない仕組みなのですね。
「保険事故を自分でコントロールしたら、保険金は支払わないのが保険」なのですが、雇用保険では、「保険事故を自分でコントロールしても保険金を支払う」仕組みになっているのです。
本来、保険金を自主的に受け取るのは保険詐欺です。しかし、雇用保険では詐欺ではないのです。
ゆえに、雇用保険では保険事故を意図的に起こすことができるから、保険会社は雇用保険を商品として作れないのです。
確率を操作できる保険は商品にならないのですね。
雇用保険に加入する利点
保険会社では作れない保険だからこそ、雇用保険には加入すべきだと私は思います。
保険会社が作らないということは、つまり加入者に多くの利益がある保険だということですからね。
雇用保険は健康保険や厚生年金と違って保険料も高くないですし、雇用保険に加入している会社は助成金を申請できる立場になれます。また、社員さんも、転職時に失業手当を受け取れば、元を取るのは容易です。
ゆえに、雇用保険には積極的に加入すべきですし、保険料も進んで払うと良いでしょう。フルタイムで働く人だけでなく、パートタイムで働く人もぜひ加入して欲しい保険です。私は政府の回し者ではありませんが、オススメします。
また、失業することはないという人でも、教育訓練給付金などのように失業しなくても使える仕組みが雇用保険にはありますから、このような仕組みを使えば損はしないはずです。
公的保険には珍しいほどお得な保険が雇用保険なのですね。
こちらにも興味がありませんか?
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