book356(高齢者に役割を与えるべき)




■定年で終わりではない。



会社を定年退職すると、「あぁ~、これで仕事から解放される」と思う人もいるかもしれません。通勤電車に乗ることもなくなるし、残業もない。これからはやりたいことができると思うこともあるのでしょうね。

ただ、定年退職してやりたいことといっても、思いのほか大したことはしないものです。

温泉に行きたいとか、山に登りたいとか、旅行に行きたいとか、趣味に打ち込みたいとか、せいぜいそんなものではないでしょうか。

確かに、定年退職すれば、温泉でも山でも旅行でも趣味でも、好きなだけ楽しめます。イヤになるほど楽しめるはず。

しかし、いくらやりたいことであっても、せいぜい1年もあればやり尽くしてしまうのではないでしょうか。


おじいちゃん、おばあちゃんの「あぁ~、、暇で暇でしょうがない」という愚痴を聞いた人も少なくないはず。

私は、「人間は暇になるとロクなことがない」と考えているタイプで、「暇な高齢者は早死にするのではないか」という仮説も抱いています。






■仕事をしていると長生きするはず。



私は、「仕事とは社会的な役割」だと思っています。

つまり、仕事をしているということは、社会から役割を与えられているのであって、また、社会から自分が必要とされているという証拠でもあるわけです。

ならば、「定年退職したのだから、これからはゆっくりと老後を楽しんでください」と高齢者に言うのは、社会的な役割を高齢者から奪うということと同じではないかと思うのです。

たとえ高齢者であっても、可能な限り仕事を与え、社会から自分は必要とされているという実感を抱いてもらうべきでしょう。


極端な言い方ですが、「死ぬまで仕事ができる社会」が理想だと私は思っています。

もちろん、高齢者には勤めにくい仕事もあります。例えば、タクシーの運転手とか、鉄道の運転手などは高齢者には合わない職業です。乗客の人が困りますからね。


また、最低賃金の規制を緩めるのも有効です。

現行の最低賃金規制だと、高校生と高齢者が同一の賃金で雇用されることになりますから、どうしても高齢者に不利です。それゆえ、一定の年齢を超えた高齢者には最低賃金の規制を緩和するのが良いだろうと思います。

他の人と同じ賃金で雇用することよりも、「高齢者に社会的な役割を与える」ことが主眼ですから、賃金規制を緩和するのは妥当な選択肢です。


やはり、高齢者に長生きしてもらうならば、社会的な役割を与える必要がある、と私は考えます。



山口正博 社会保険労務士事務所
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