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book346(働いて減るのは厚生年金だけ)




■働くと年金が減る?



年金を受け取り始める年齢が近づくと、「年金って、受け取りながら働くと減っちゃうんでしょう?」と言う人が出てきますね。

50歳代の中頃になると、もうそろそろかなと感じ、年金に意識が向き始めるのでしょうね。

その状況で、「年金って、受け取りながら働くと減っちゃうんでしょう?」という疑問が湧くわけです。


確かに、年金を受け取りながら仕事をすると、年金が減ることがあります。

ただ、この場合の「年金」という言葉の定義はハッキリしているのでしょうか。つまり、単に「年金」という言葉を使うとなると、国民年金と厚生年金を含めて表現することになります。人によっては、厚生年金基金からの年金や各種の共済年金、また確定給付企業年金などの企業年金も含めて「年金」という言葉を使うこともあるのかもしれませんね。


では、「年金」を受け取りながら仕事をすると、上記の「年金」の全てが減ってしまうのでしょうか。それとも、特定の年金だけが減り、その他の年金は影響が無いのでしょうか。








■国民年金と厚生年金をキチンと区別する。



結論から言えば、年金を受け取りながら働いて減るのは「厚生年金」だけです。


厚生年金には「在職老齢年金」という仕組みがあり、この仕組みによって、年金を受け取りながら働く人の年金を調整するのです

在職老齢年金とは、何か追加的に支給されるような年金のことではなく、年金を受け取る人が働いて報酬を受け取るときに、満額の年金を支給せずに、「仕事の報酬に合わせて年金額を調整する仕組み」のことです。「在職老齢年金」という名称を聞くと、「あぁ、何かまた年金を受け取れるのね」と思う人もいるかもしれませんが、在職老齢年金は年金ではなく年金額を調整する仕組みなのですね。


一方、国民年金には在職老齢年金のような仕組みはありません(なお、各種の共済年金にも厚生年金と同様の仕組みがあるかもしれませんが、各組織ごとに独自に運用されている年金ですので把握できていません)。

そのため、専業主婦(専業主夫)や自営業を営んできた人のように、国民年金だけを受け取る人ならば、年金を受け取りながら働いても差し支えはないのです。



ゆえに、「年金って、受け取りながら働くと減っちゃうんでしょう?」という表現は、「"厚生年金"って、受け取りながら働くと減っちゃうんでしょう?」と言い換えると正しくなります。




山口正博 社会保険労務士事務所
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