少人数だから労働基準法は適用されない?
健康保険や厚生年金のような公的な制度には、適用事業所と非適用事業所が分けられており、制度に加入する会社と加入しない会社がありますよね。一定の条件を満たせば会社として制度に参加しなければいけないが、条件を満たさないならば制度に参加しないというわけです。
ならば、労働基準法にも加入条件があるのかどうかが疑問を抱くところです。
健康保険や厚生年金のような社会保険には加入条件があるけれども、労働基準法には条件があるのかどうか。
「健康保険や厚生年金に加入条件があるのだから、労働基準法にも加入条件があるだろう」と考えるのか、それとも、「労働基準法は、健康保険や厚生年金とは違って、加入条件はない」と考えるのか。
どちらでしょうか。
会社に他人が入ってきたら労働基準法は適用される。
結論から言えば、労働基準法には加入条件はありません。
社員を雇用している全ての会社に適用されるのが労働基準法なのですね。そのため、社員数が1人であっても労働基準法は適用されます。
ただし、家族だけで運営している会社ならば、労働基準法を意識する必要はないです。夫と妻だけで運営している商店とか、兄弟だけで運営している会社ならば、労働基準法に沿って運営する必要はないです。「内輪の人」だけなのですから、どのような労務管理をしていても外部的には差し支えないからです。
しかし、他人が会社に入ってきたら、労働基準法が適用されると思ってください。たとえ1人でもです。
家族だけで会社を運営しているならば、労働基準法についてあまり考えることもないのでしょうが、他人が構成員になったら、キチンとしなければいけません。家族には無茶を言えても、他人には無茶を言えませんからね。
ちなみに、労働基準法には保険料は必要ありません。
いわゆる労働保険料というのは、「労災保険」と「雇用保険」の保険料のことです。ここに労働基準法の保険料は入っていません。
労災保険の保険料は会社が負担して、雇用保険の保険料は会社と社員で分け合って負担します(社会保険のように折半で負担するものではなく、会社が2/3程度で社員が1/3程度の負担割合です)。
ゆえに、「労働保険料を支払っているから労働基準法に加入している」というわけではなく、保険料を払っていなくても労働基準法の対象にはなるのですね。
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