労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

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短い雇用契約を繰り返すには何らかの意図がある

更新and更新

 

不自然に雇用契約の締結を繰り返す。


一般に、雇用契約には、期間を設定するものと、期間を設定しないものがあります。

例えば、6ヶ月ごとに更新とか1年ごとに更新というのは、「期間の定めのある雇用契約」で、一方、特定の雇用期間を設定しないのが「期間の定めのない雇用契約」です。


そこで、短い雇用契約を繰り返し締結して、何らかの効果を得ようとする会社も時にはあります。


例えば、社会保険の適用除外被保険者になる条件として、「2月以内の期間を定めて使用される者」という点を想定して、2ヶ月ごとに雇用契約を繰り返し、社会保険に加入しないという方法を用いる会社が1つの例でしょうか。

確かに、「2月以内の期間を定めて使用される者」という条件は満たしているかのように判断できるのですが、何か変ですよね。


「2月以内の期間を定めて使用される者」なのだから、2ヶ月ごとに雇用契約を更新していれば、その社員さんは社会保険の適用除外にできるという解釈は正しいのでしょうか。

それとも、そのような雇用契約はダメなのでしょうか。

特に理由も無いのに雇用契約を短期間で更新するのは、何か考えがあると思うべき。


「2月以内の期間を定めて使用される者」という表現は、「2月以内の期間の契約であって、その契約が終われば契約は終了」という意味を有しています。

つまり、その契約が終了した後にまた契約するということは想定していないわけです。

例えば、6ヶ月の期間を定めて雇用したとして、その期間が終了した後に再度6ヶ月の雇用契約を締結しても、「2月以内の期間を定めて使用される者」には該当しないのですね。それゆえ、この場合は、2回目の雇用契約の時点から社会保険の被保険者になります(なお、この社員さんはフルタイム社員と仮定します)。



短い期間の雇用契約を何度も繰り返す会社は、何らかの意図を持っていると考えて良いのではないかと思います。

更新が前提で契約を締結しているならば、あえて期間を設定する意味はありませんからね。


もし、何の意図も持たない会社ならば、フルタイム社員であれパートタイム社員であれ、雇用期間を定めずに雇用契約を締結するのが通常です。


社会保険に加入しないように、短い期間の雇用契約を繰り返し締結して、さも保険の加入条件を満たしていないかのように装うのでしょうが、形式的に雇用契約を細かく切っても、実質的に継続している雇用契約ならば、社会保険には加入するのです。


ゆえに、2ヶ月以内の期間を定めた雇用契約を繰り返して、社会保険の対象者から外してやろうとするのはダメです。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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