あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます

給与が出ないサービス残業は三位一体で実行されている

無賃労働┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■ ┃  本では読めない労務管理の「ミソ」
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┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/8/28号 no.119)━


 




■サービス労働は、三位一体で実行されている?◆◆◆━━━━━━━━━━━
■■
■■■会社、管理職、社員、全員が認めてしまっている状況
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賃金の未払い労働を発生させている責任は会社にあるのか

最近では、サービス残業やサービス労働に関するニュースが
少ないですが、ニュースが少ないからとって、問題が解消した
というわけではないでしょうね。

サービス労働が発覚すると、会社が責められるのが通例ですが、
社員さんには責められる部分が無いかというと、そうでもない
のではないかと思うのです。

つまり、会社だけが責められるというのではなく、社員さんが
責められる状況も有りえるのではないかということです。

ここで、「なぜ?社員さんは被害者ではないか」と思うかも
しれませんが、本当に社員さんは被害者であると言い切れる
のでしょうか。

言いたいことは、「被害者であると同時に、加害者にもなって
いる」のではないかということです。

さらに、「自分で自分に害を加えている」とも言えます。







記録に残らない形の未払い残業

例えば、始業時刻よりも早く就業を開始して、始業時刻になった
ら始業の打刻(タイムカード)や記録(磁気ストライプカード、
ICカードなど)をすれば、記録上は適正に時間管理ができている
ように判断できますよね(ただ、入館ゲートで時間を記録する
会社だと、こんなことはできないかもしれませんね)。

つまり、始業時刻が10時だとすると、9時から就業して、10時に
なったら始業の時間を記録するわけです。そうすれば、1時間分
はサービス労働になりますね。さらに、時間の記録上は分から
ない。

また、終業時も同じように、決まった終業時刻に時間の打刻や
記録を行い、そして、終業時刻後もしばらくは会社に残って就業を
続けると、記録上は適正に終業記録がなされたと判断できます。

つまり、終業時刻が18時だとすると、18時の段階で終業の打刻や
記録だけを終わらせて、その後も、数時間にわたり会社に残り就業
を続けると、サービス労働になります。ここでも、時間の記録は
適正ですから、記録からはサービス労働の事実は分からない
のですね。

では、なぜ適正に勤務時間の打刻や記録をしないかというと、
「会社が所定労働時間内に仕事を終えよ」と社員さんに要求して
おり、一方、社員さんは「所定労働時間内に終えられなくても、
時間の記録だけを適正に行えば、会社から注意を受けることは
ない」と判断しているのが理由ではないかと私は考えます。


会社(特に管理職の方でしょうか)は、「所定の時間内に終わる
のは難しけれど、所定労働時間内に終えよと言わなければ
いけない」と考えているのでしょうし、

他方、社員さんは「所定の時間内に終わるのは難しけれど、所定
時間内に終わったと記録を示しておけば怒られないだろう」と
考えているのでしょうね。

つまり、会社(経営者、管理職を含む)と社員さんが、お互いに
共同して、サービス労働の状況を作り出しているのではないかと
思うのです。

刑法の共同正犯のようなものですね。
※共同正犯:二人以上の者が共同して犯罪を実行すること。全員
が正犯として罰せられる(広辞苑)


上記のように、「記録上は適正」という状況が作られてしまうと、
外部の人は誤った判断をするかもしれません。

勤務記録だけを見て、「うむ、適正に管理されているね」と判断
してしまうと、事実が分からないはずです。


記録だけでは分からないとなると、社員さんにインタビューして、
一定期間の勤務状況を定点観測して、といったことをしなければ、
サービス労働の事実が見えないのですね。








使用者が未払い残業をやめさせない限り続く

ただ、社員さんとしては、「拒否したくてもできない」というのが
実際のはず。

「サービス労働になっているのは十分に分かっているけれど、
どうしようもない」と言うのではないでしょうか。

しかし、サービス労働を知りながら、その状況を助長した(黙認
することでサービス労働を容易にした)と判断すれば、社員さんも
コンプライアンス違反です。

違法行為に加担したわけですからね。


確かに、被害者だから違反者ではないとも思えるのですが、
コンプライアンスに関する誓約書を書いてもらう会社だと、誓約
内容に違反したと会社が判断するかもしれません。


「会社が半ば強要していることなのに、なぜ社員がコンプライ
アンス違反の責任を負うのか」と思えるのですが、有り得ない
とも言えないです。


ゆえに、トップの人が、サービス労働を止めさせる決断をしない
と、いつまでもサービス労働は残ります。


単に、「所定労働時間内に仕事を終わらせよ」と言うだけでは、
むしろサービス労働を助長することもあるわけですね。社員
さんは、「時間内に調整しないと、上の人に怒られる」と判断
しますから、適正な時間の記録だけを作り出そうとします。


「サービス労働をやめよ」と事実を指摘して言わなければ、
サービス労働はなくなりません。「サービス労働」という名詞
を指定するのですね。


サービス労働をやめさせれば、所定労働時間内に仕事を終わらせる
ことも同時に達成できるのではないでしょうか。

未払い残業が発生しないようにするには?
残業代、つまり時間外労働の割増賃金を計算するときは、基本給だけで計算するものではなく、色々な手当を含めた上で残業代を計算しなければいけないので、給与計算で最も間違いやすいところです。

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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
  • Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
  • Q:残業しないほど、残業代が増える?
  • Q:喫煙時間は休憩なの?
  • Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?

このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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メニューがないお店。就業規則が無い会社。

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┃それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
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