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始業時間の5分前に始業? 数分でも仕事をしたら労働時間になる

5分前集合

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■■┃  本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃  山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/8/12号 no.114)━

 




■■  始業の5分前に始業?
■■  その「5分」はどこへ行くのか。
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5分前に集合したら無賃労働じゃないの?

「始業の5分前までには仕事ができる体勢を整えておくこと」
「常識的に5分前には仕事ができる状態にしておくものだ」

会社で働いていると、こんな指示を受けた人は少なくないのでは
ないでしょうか。


つまり、本来の(もしくは、契約上の)始業時刻は10時なのだが、
実際には9時55分が始業時刻になっているというような状況です
よね。


確かに、10時始業だからといって、10時ジャストに始業するわけ
にもいきませんから、少しだけ余裕を持って準備をするわけです。

これは社会の常識と言って良いのかもしれません。


他にも、終業時も同じような状況がありますよね。

つまり、終業時間になってから仕事を終える作業をするから、
終業後5分が実際の終業時刻になっているという状況です。


契約上の終業時刻は18時なのに、実際は18時05分で終業している
のですね。


ここで疑問が湧くのですが、「始業前5分と終業後5分」は仕事の
時間なのか、それともサービス就業なのか分からなくなるんですね。

もし、サービス就業とするならば、5分+5分=10分は勤務時間
から除外されてしまいます。

ただ、5分前始業や5分後終業を義務づけられているならば、
就業時間に含まなければいけないとも考え得るわけです。



なお、今回は、残業が発生しないという仮定を置いて話を進めます
(つまり、定時始業・定時終業の環境とします)。







休憩時間を増やして後から調整する

働く人の中には、「勤務時間に含まれないのに、なぜ5分前始業や
5分後終業を求められるのか?」と考えた人は少なくないのでは
ないでしょうか。

「何だ?この5分は」という感覚です。



働く人は、自分に直接関係する身近な事柄には注意を向けます。

例えば、オフィスの内装(オシャレな会社で働きたい)とか、
交通の利便性(ターミナル駅から近い会社が良い)とか、休暇
(休暇は多いのか)とか、給与や賞与(金額は多いのか)とか、
自分に影響がある要素にはきちんと対応しようと思うわけですね。

しかし、会社が赤字になっても、さほど気にはしません。


「今月は500万円の赤字です、、、」と経営者が社員さんに
言っても、社員さんは「ふ~ん、そうなんだぁ~」という程度
しか感じません。

身近な要素ではないので、関心が向かないんですね。



一方、勤務時間に含まれないのに、5分前始業や5分後終業を
社員さんに求めると、「えぇ~、何それ!」と反発します。


もし、どうしても5分前始業や5分後終業が必要ならば、「1分単位
の時間管理」を勧めるところなのですが、今まで15分単位や
30分単位で管理していた会社だと、そう簡単に時間計算の方法
を変えるのは億劫と感じるようです。

会社の管理部門というのは、変化を拒みやすい部分ですから、
変わることに抵抗するのですね。



そこで、もっと簡単に対応できる方法として、休憩時間を延長
するという手段があります。

つまり、5分前始業や5分後終業ならば、10分の空白時間ができる
のですから、その10分だけ休憩時間を延長するわけです。


具体的には、始業9時で終業18時、休憩1時間の環境があるとして、
その環境で5分前始業と5分後終業を実施するとします。


その場合、実質は、始業8時55分で終業18時05分となり、勤務時間
は8時間10分になってしまいます。

そのため、はみ出た10分を解消するために、休憩時間を1時間10分
にするのです(要するに、10分の休憩を挿入するということ)。


そうすれば、10分が空白時間になることはありませんし、1分単位
の時間管理も必要ありませんし、社員さんに対して5分前始業や
5分後終業を躊躇することなく求めることもできます(10分を
踏み倒している状況で、求めるのは気が引けますからね)。


もちろん、勤務時間を8時間10分と計算してしまうのも構いません。


始業前と終業後を合わせた10分を、無評価で取り扱うのがダメ
なのですから、勤務時間に含めても良いですし、休憩時間と
スワップしてしまうのも良いわけです。






会社の数字よりも自分の給与が気になる

5分前始業や5分後終業といっても、合わせてもたかが10分とも
思えます。

確かに、たかが10分だと思えます。


僅か10分程度ならば、サービスしてくれても良いのではないか
とも思えてしまうでしょうね。


しかし、会社で働いている社員さんは、「細かなことほど気に
する」という習性があります(私も、会社で働いているときは
そうでした)。

給与が増えないとか、有給休暇を思うように取得できないとか、
交通費はきちんと貰えるのだろうかとか、、、。


逆に、大きなこと(会社が大赤字になっているとか)は意外と
気にしなかったりします。

赤字でも給与は支給されますからね(笑)。


ちょっとしたことで就業満足度は変わりますから、社員さんに
とって身近な事柄には注意を向けたいですね。

 

 

残業代の未払いによる労務管理リスク
残業の割増賃金を正確に支払っていないと、過去の割増賃金まで遡って払わなければいけなくなりますので、給与計算は正しくしておきたいですね。

 

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労務管理の問題を解決するコラム

職場の労務管理に関する興味深いニュース

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
  • Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
  • Q:残業しないほど、残業代が増える?
  • Q:喫煙時間は休憩なの?
  • Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?

このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

 

仕事のハテナ 17のギモン

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

 

残業管理のアメと罠

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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┃それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
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