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賞与の支給条件や支給額が不明朗なのはなぜ?

見えない賞与

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■■┃  本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃  山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/8/5号 no.112)━


 




■■  賞与の支給条件や支給額が不明朗なのはなぜ?
■■  見える賞与が安心感を与える 「対象者、条件、金額」が分かると良い。
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自分の賞与がいくらなのか分からない

8月になると、会社で働く方だと、夏の賞与が
支給される方もいらっしゃるのでは。

一般には、賞与というと、夏季と冬季の年2回というのが多い
のでしょうか。

しかし、賞与というのは、その支給時期になってみないと、支給
されるかどうかが分からないものですから、ドキドキするもの
ですよね。

会社の業績に応じて支給するのが通例でしょうから、時には
沢山支給されたり、時には少なかったり、時には無かったり
します。

賞与は、給与と違って、上下の変動幅が大きいので、不確定な
要素も多いわけです。

もちろん、賞与は、支給するもしないも会社次第ですから、
給与ほど制約が厳しくないのは確かです。

だからといって、見えない部分を多く残していると、社員さんは
不安になりますよね。

「対象者は誰なのか」、「支給する条件は何なのか」、「金額は
どのように決まるのか」というポイントが分からないと、会社が
恣意的にコントロールしているのではと疑われてしまうのですね。

もちろん、見えない部分をゼロにするのは容易ではないのですが、
少なくするということならば可能ですよね。

不満そうな顔をした社員さんに賞与を受け取ってもらっても、
嬉しさは大きくないでしょう。

やはり、ニコニコと受け取りたいですから、ルールは見える方が
良いのです。




3つの情報が見えると、賞与に対する安心感が増す。

賞与への不満を軽減させるポイントは3つあります。

1、支給対象者(フルタイム社員だけ、フルタイム+契約社員、
パートタイム社員も含む)をハッキリとさせる。

2、支給条件(査定期間や支給日在籍など)が分かるようにする。

3、賞与の計算方法(賞与の金額がどのように決まるのかという
こと)が明朗であるということ。


まず、支給対象者について考えると、

もし、就業規則に、「退職時には退職金を支給する」とだけ書かれ
ていると、賞与の対象者は全ての社員さんになります。

フルタイム社員、契約社員、パートタイム、学生のアルバイトを
問わずに、全ての社員さんが賞与の対象になるわけです。

もちろん、このルールが、フルタイム社員を対象にした就業規則に
書かれているならば、自ずとフルタイム社員さん限定の賞与に
なります。

しかし、全ての社員さんを対象にした就業規則に、上記の文言が
書かれていると、全ての社員さんが対象になりますね。

そのため、賞与の対象者をきちんと示していないと、想定外の
範囲まで対象者が広がってしまいます。



次に、支給条件を考えると、

どういう条件を満たせば支給されるのかが分からないと、どの
ような状態の社員さんでも支給されると解釈できてしまいます。

例えば、勤続期間が2か月しか経っていなくても、賞与が支給
されるということもあります。

他にも、支給日に在籍していなくても、賞与を事前に支給できたり
ということも、やろうと思えば可能になります。

それゆえ、例えば、6ヶ月以上の査定期間にわたり在籍すること
が必要などのように、条件を設定する必要があるわけです。

これだと、4月入社の人は、夏季の賞与の対象にならず、次の冬季
の賞与が対象になるという流れになりますね。

もちろん、査定期間の条件は6ヶ月でなく、3ヶ月や4ヶ月でも良い
でしょうし、8ヶ月や9ヶ月に設定しても良いです。

他にも、休職期間中は査定期間から除く(休職は賞与に影響
しない)こともできますし、休職期間を査定に含める(休職は
賞与に影響する)こともできます。

また、支給日在籍という条件も工夫できるでしょう。

賞与では、必ずしも支給日に在籍していることを求めなくても
良いです。

一般には、支給日在籍が通例になっていますが、特に制約がある
わけではありません。

例えば、支給日以前に退職する社員さんであっても、査定期間中
に、ある程度の期間は在籍していたのですから、在籍分だけを
清算する仕組みがあっても良いものです。

支給日に在籍していないからゼロというのではなく、ある程度
減額してでも(予定より早く賞与を支給するのだから割り引くわけ
です)、査定期間の分は評価するという扱いがあると社員さんも
納得できるかと思います。


後は、賞与の計算方法です。

賞与制度では、この計算部分が、最も煙幕が張られやすいところ
です。

「どういう計算で賞与の金額が決まっているのか分からない」と
思っている方も少なくないのではないでしょうか。

「もしかして、都合良く計算されているのでは、、、」と疑ったり
する方もいるのかもしれませんね。

これは、値段を明示しないお寿司屋さんと同じですよね。

寿司ネタは漁獲状況によって仕入れ価格が変動しますので、一定
の価格でお寿司を提供するのが難しいのですね。

それゆえ、お店でも、お客さんに時価でお寿司を提供することも
あるわけです。

しかし、価格が事前に分からないと、お客さんは「客の足下を見て
値段を決めてくるのでは?」と思ってしまいます。

1,000円の寿司を、この人は800円、あの人は1,200円として計算
しても、お客さんには分かりません(時価のお寿司屋は、明細を
見せないことも多く、総計の数字だけをお客さんに伝える場面も
あります)。

ゆえに、賞与でも、明細が分からないと社員さんは不安になります。

せめて、2.64か月分とか、5.5か月分というように金額が分かる
仕組みが必要です。

会社の裁量だけで支給すると、社員さんはふてくされますから、
なるべく計算方法を明示するのが好ましいです。


「ルールは人を安心させる、無秩序は人を不安にさせる」という
ことですね。


私も、値段が分かりにくい寿司屋さんには行きません(お相伴に
あずかる時は行きますが)。



賞与の条件が分かりやすいと納得できる

大きな会社だと、賞与規定を作るところもありますが、中小企業
ならば、必ずしも賞与規定が必要なわけではありません。

なぜ、賞与規定を作るのかというと、就業規則に賞与の規定を
含めると、ボリュームが増えてしまい、就業規則が読み難くなり
ますし、規定のメンテナンスも難しくなるからです。

これは、コンピュータープログラムに似ていますね。

1つのプログラムに全てのコードを盛り込むと、コードが読み難く
なりますし、コードのメンテナンスも負担になります。

そのため、プログラムを複数のファイルに分散させて、本体の
プログラムからその他のプログラムを参照するという方法が
採られます。

就業規則と賞与規定の関係は、上記の仕組みと同様です。

本体(就業規則)から、外部の規定(賞与規定)を参照するように
して、本体の分量を減らすのですね。

ルールというのは、「読みやすく、見えやすく、分かりやすく」
という性質を持っていないと、作った甲斐がありません。

ただ、こう言うと、「法律はルールだけど、分かりにくいじゃない
か」というツッコミを受けるかもしれませんね。

あぁ、、反論できません(笑)。

 

 



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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

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【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

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残業管理のアメと罠

 

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【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

 

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

 

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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