労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

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book218(雇用契約と実際の勤務内容が違う)

 

契約内容と違う働き方をする人。


雇用契約というのは、会社と社員さんとの間で雇用に関する内容を定めるものですね。

また、雇用契約というのは、口頭だけでも成立しますが、通常は、雇用契約書という文書を作って、会社と社員さんが共有します。

そして、雇用契約の内容に沿って、労務の提供と、それに対する対価の支払いが交差するわけです。


そこで、今回のテーマは、契約の内容とは異なる働き方をしているとき、契約内容と実際のどちらを基準にすべきかという点です。

例えば、週25時間で雇用契約を締結しているが、実際には週35時間勤務しているパートタイム社員さんがいるとします。

本来ならば、契約時間と実際の勤務時間が一致しているはずなのですが、この状態だと契約と実態が乖離していますよね。

では、この状態を放置していても良いのでしょうか。


週30時間を超えると、おそらく社会保険に加入する(フルタイム社員さんの勤務時間を週40時間と仮定)のでしょうが、このパートタイム社員さんの契約時間は25時間ですので、社会保険には加入しないのでしょうか。

さらには、契約時間を20時間を超えないようにして、実態は20時間を超えている(例えば、週30時間とか)という場面だと、雇用保険にも加入しないのでしょうか。



契約は外装、実態は内装。


もし、契約上は勤務時間を短くしておいて、実際はそれよりも長くしているとなると、加入すべき保険に加入していない状況にもなりますね。

例えば、実際の勤務時間は週30時間を超えているのに、雇用契約では週24時間という決め方をしていると、雇用保険には加入しているが、社会保険には加入していないという状況が生まれうるわけです。

ただ、パートタイム社員さんの場合、社会保険の加入条件に合致したからといって、すぐに加入するというわけではないんですね。

1ヶ月や2ヶ月だけ条件に当てはまっても、その段階で勤務時間を調整して、条件から外れるようにすれば、社会保険には加入しないわけです(実務では、「浸透期間」のようなものがあります)。


他方、雇用保険でも、加入には週20時間を超えることが条件なのですが、ここでも、週20時間をウロウロするような勤務時間に調整されると、加入すべきかそれとも加入しないのかという判断に迷います。


公的保険の加入というのは、きちんと線が引かれていると感じる場面もあるのですが、一方で、意外とファジーな取り扱いをしていると感じる場面もあるのですね。


かといって、ファジーな取り扱いがダメとも言い切れないとも思えます。

書類の提出期限や保険料の支払い期限を過ぎても、いろいろと理由を用意して受け付けてもらえたりして、利点を享受している人もいますから、否定しきれないのですね。


きちんとすれば、「融通が利かない」と言われるし、
融通を利かせれば、「いい加減だ」と言われるし、

悩ましいですね。

 

 

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山口正博 社会保険労務士事務所
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