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■■┃ 本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃ 山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/7/10号 no.105)
いつまでも振替休日を取得できない問題
仕事の都合で、休日に出勤せざるを得ないときには、休日の振替を行うことがありますね。これは、いわゆる「振替休日」です。
ただ、休日を振り替えるときは、事前に振替える日を指定するのですが、会社によっては、いつまでも振替えられた休日を消化できないこともあるようです。
例えば、土曜日に振替で出勤して、後日に振替の休日を取るとしたとき、1週間後なのか、1ヶ月後なのか、さらには振替休日なんてなかったことにされたり。このような問題、ありませんか?
本来だと、給与の締め日を跨がずに、振替休日を消化する(当月内で振替を完結させる)のが通常なのですが、ズルズルと後に延びてしまうと困りますね。
無給の休日が蓄積しているような状態ですよね。
なあなあの雰囲気で休日が消えていくと、社員さんも困りますから、何とかしないといけませんね。
本来ならば未消化にならないはずの振替休日
「振替休日は振り替える日時を特定しているから、休日が蓄積することはあり得ない」という人もいますが、残念ながら、そうではない場合もあります。
先に振替出勤させておいて、「後から休みをいれるよ」と振替休日の予定を未定にしたまま放置されることもあります。
「理論」と「現場」が異なることは少なくありません。理論的には有り得なくても、現実には有り得ることもあります。
上記のように言えるのは、「出勤日と休日の振替が確実に実施される」という前提があるからです。
仕事だけさせておいて、休みを取れるようにしていない職場で人手不足になるのは当然です。人から嫌われる職場ですから。
振替休日の仕組みを理解して、キチンと対応している会社ならば、特に指摘することもありません。
しかし、現場では、確実に振替が実施されずに、休日がうやむやに消えている、もしくは消されている場面もあります(小規模な会社だと多いのでしょうか)。
中には、振替えた休日にさらに振替え処理を被せてくることもあるようです(あえて表現すれば、「多重の振替処理」ですね)。振替休日で休めるはずの日に、さらに振替出勤させて、休みを後ろにロールオーバーさせるイメージです。
例えば、10日(日曜日であり、法定休日と仮定)→翌日11日(月曜日)に休日を振り替えるとする。10日は振替で出勤して、11日が振替休日ですね。
ならば、11日(月曜日)は、休日が振替えられて休みになる予定のはず。これを11日の段階でさらに振替出勤にすればどうでしょうか。11日の休みはなくなりますね。
10日が11日になり、11日が12日になり、、、ズルズルと休日をずらすことも可能になってしまいますよね。
このように、振替処理を何重にも重ねて、休日を後へ後へと遅らせていくことも、やろうと思えばできそうです。
もちろん、隣り合った日に限るのではなく、もう少し間を空けて(1週間とか、2週間とか)、振替え処理を重ねることも有り得ますよね。
もし、多重に振替処理が行われたとするならば、もとの10日(日曜日)は休日出勤と扱い、休日割増賃金が必要になります(10日の振替効果が消えるので、「代休」として処理を切り替えることになります)。
それゆえ、後ろへ後ろへと休日が延びていくことは防げる「はず」です。
しかし、休日割増賃金を支払ったとしても、休みを十分に取れないという問題は解決していませんので、対策が必要です。
振替休日の取り扱いは就業規則で決めておく
「振替えた休日をいつまでに取得するのか」という点を決めます。
具体的には、「休日を振替えるときは、振替え出勤日から1週間以内に指定された日に休日を取得します」、「振替えられた休日をさらに後日に振替えることはできないものとします」というように就業規則に決めます。
このように、振替えられた休日をいつ取得できるのかを明示しておくと、社員さんも安心です。
また、2番目の項目のように、多重振替を防止するというのも安心感を高めます。
先に振替休日を取ってから、振替出勤するのも有効です。「休日を振替えるときは、振替え出勤日よりも前の時期に休日を取得します」と決めます。先に振替休日を取っておくと、いつまでも振替休日を取れないという問題は起こりませんね。
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【仕事のQ and A】
決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。
他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。
労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。
しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。
- Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
- Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
- Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
- Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
- Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
- Q:残業しないほど、残業代が増える?
- Q:喫煙時間は休憩なの?
- Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?
このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。
【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】
毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
残業管理のアメと罠
【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】
私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。
どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。
社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。
合格率0.07%を通り抜けた大学生。
【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】
高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。
中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。
若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。
それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。
もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。
週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。
休憩時間無しで働いている。
採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。
「学生には有給休暇が無い」と言われた。
テスト休みを取って時給を減らされた。
など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。
何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。
(知らないからといって許されるものではありませんけれども)
このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。
一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。
学生から好まれる職場と嫌われる職場。
その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。
「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
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