book189(手当の支給を2ヶ月に1回にすると、時間外の計算が変わる)






■手当は計算に含むのが原則。


周知のように、時間外勤務の割増手当を計算するときは、基本給だけではなく、手当も含めて計算するのが正しい手順です。

固定の額で支払われる手当はもちろん、歩合手当のように変動額で支払われる手当も時間外手当の計算に含まれます。

ただ、時間外の計算に含まれない手当もありますよね。


計算外として扱うのは、「家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当」が代表的な手当です。


また、「臨時に支払われた手当」も時間外の計算から外れます。例えば、寸志のような手当(?)が臨時の手当と言うべきでしょうか(ただ、寸志は手当ではないと言う人もいるかもしれません)。


他にも、「1ヶ月を超える期間ごとに支払われる手当」というのも、計算から除外できる手当です。

では、「1ヶ月を超える期間ごとに支払われる手当は、時間外の計算から除外される」というルールを利用して、会社で支払う「手当を2ヶ月ごとに支払う」ようにすれば、どうなるでしょうか。





■2ヶ月にまとめて手当を支給すると、計算から外れる。


2ヶ月ごとの手当は、固定額であれ、変動額であれ、時間外手当の計算から外れます。

それゆえ、手当を1ヶ月ごとに支払うと、常に割増手当が加算される可能性があるのですが、2ヶ月ごとの支給にすると、割増手当が加算されなくなりますので、人事予算の見通しが良くなります。


ただし、現状で、1ヶ月ごとに手当を支払っているというルールを、2ヶ月ごとに変更するとなると、社員さんごとの個別の同意が必要です。

なぜならば、1ヶ月ごとから2ヶ月ごとの支払いに変わると、今まで受け取っていた手当が減額されるので、社員さんにとって不利益な変更だからです。


また、1ヶ月ごとに支払われている手当を、2ヶ月ごとに変更するとなると、社員さんが困ることがあります。

なぜならば、基本給に手当を付加したものが給与(「基本給+手当=給与」ということ)だと考えていますから、2ヶ月ごとの支給になると、月毎に給与が変動してしまい、生活に困る人もいるからです。


既存の会社で、手当の2ヶ月払いを導入するのは手続きが必要ですが、新規設立の会社では、既存の規則がありませんので、手当の支払いは2ヶ月ごとにすると決めることも容易です。


時間外手当の支払いを減少させる方法としては、上記の方法は少々ズルいのですが、こういう手段もあるということを知っているのも良いかもしれません(この方法を使うかどうかは別の話です)。


 

山口正博 社会保険労務士事務所
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