休業手当は社会保険料や税金がかからない?
「休業手当には雇用保険料はかからないのでは?」
「休業手当には社会保険料はかからないのでは?」
「休業手当は課税されないのでは?」
と考える方も中にはいるようですが、本当でしょうか。
「通常に支払われる給与」と「休業手当」は同様のものか、それとも別物かが分岐点ですね。
最近になって、休業手当という制度があることを初めて知った方もいらっしゃるでしょうから、「休業手当は何か特別な手当なのだから、特別に扱わないといけないのでは?」と思うのでしょうね。
社会保険料も税金も課されて、社会保険料の算定基礎届の対象にもなる
休業手当という名称ではありますが、普段の給与と同じだと考えていただければ良いでしょう。給与の代わりが休業手当ですので。
雇用保険料は毎月変わりますので、休業手当が支払われているならば、それに準じます。
つまり、休業手当を80%支給すると、その80%に雇用保険料が課されるわけです。
月毎の給与額(休業手当の額)によって変わるのが雇用保険料の特徴ですね。ちなみに、社会保険料は、毎年7月の算定基礎届で標準報酬月額を決定し、9月分の社会保険料から変更され、その保険料が1年間続きます。
もちろん、休業手当の支給率を変更すれば、雇用保険料もまた変わります。
一方、社会保険料は毎月変動するものではありませんので、休業手当を支払われている状態でも変わりません(保険料は変わらず、給与の支給額は変わらないという状態)。
ただし、月額変更届(随時改定)を出したときは社会保険料が変わります。以前の報酬月額と比較して、休業後3ヶ月間の報酬月額が報酬月額等級表で2等級以上変動しているならば、月額変更届を出して、標準報酬月額を変更することが可能です。
標準報酬月額が変わると、社会保険料も変わります。
税金については、休業手当は給与所得として扱われます。
「休業前の給与」と「休業中の休業手当」は実質的には同じものですから、同じ税金が課されるんですね。
なお、会社が休業を理由に助成金を受け取ったときは、雑所得として課税されます。
ゆえに、給与が休業手当という名称に変わったとしても、以前と同様に扱えば良いということですね。