休業手当は社会保険料や税金がかからない?
「休業手当には雇用保険料はかからないのでは?」
「休業手当には社会保険料はかからないのでは?」
「休業手当は課税されないのでは?」
と考える方も中にはいるようですが、本当でしょうか。
「通常に支払われる給与」と「休業手当」は同様のものか、それとも別物かが分岐点ですね。
最近になって、休業手当という制度があることを初めて知った方もいらっしゃるでしょうから、「休業手当は何か特別な手当なのだから、特別に扱わないといけないのでは?」と思うのでしょうね。
社会保険料も税金も課されて、社会保険料の算定基礎届の対象にもなる
雇用保険料は毎月変わりますので、休業手当が支払われているならば、それに準じます。
つまり、休業手当を80%支給すると、その80%に雇用保険料が課されるわけです。
月毎の給与額(休業手当の額)によって変わるのが雇用保険料の特徴ですね。
もちろん、休業手当の支給率を変更すれば、雇用保険料もまた変わります。
一方、社会保険料は毎月変動するものではありませんので、休業手当を支払われている状態でも変わりません(保険料は変わらず、給与の支給額は変わらないという状態)。
ただ、随時改定を実施したときは保険料が変わります。
以前の報酬月額と比較して、休業後3ヶ月間の報酬月額が報酬月額等級表で2等級以上変動しているならば、随時改定を行って、標準報酬月額を変更することが可能です。
標準報酬月額が変わると、社会保険料も変わりますよね。
税金については、休業手当は給与所得として扱われます。
「休業前の給与」と「休業中の休業手当」は実質的には同じものですから、同じ税金が課されるんですね。
なお、会社が休業を理由に助成金を受け取ったときは、雑所得として課税されます。
ゆえに、基本給が休業手当という名称に変わったとしても、以前と同様に扱えば良いということですね。
社会保険料や雇用保険料は、制度が改正されると保険料が変わるので、それに応じて給与計算も変えていかなければいけません。しかし、変更された保険料で正確に給与計算ができず間違ってしまうこともあります。自動で保険料を計算してくれる給与計算ソフトなら、手計算のような間違いも起こりません。
労働時間に合わせて基本給だけを払っていれば給与計算が済むわけではなくて、基本給以外にも色々な手当がありますし、雇用保険や社会保険の保険料を給与から控除しなければいけません。さらに、割増賃金を計算するときは、基本給だけでなく手当も含めて計算していかなければいけませんから、手作業で計算していると、時間や労力を大きく奪われるのが給与計算です。
本来やるべき仕事に時間や労力を注ぐのが商売の鉄則ですから、周辺業務はなるべく省力化するのが賢明です。雇用保険や社会保険の保険料も自動で計算して、給料を計算してくれるサービスがあるわけですから、使わないという選択肢はないはずです。洗濯物を手で洗うような人はもはやいないと言っても過言ではありませんし、全自動洗濯機に洗濯物と洗剤を投入して洗うのが当たり前になっています。給与計算も手作業でやるものではなく、自動で計算できる給与計算サービスを使うのが当たり前と考えるべきではないかと。