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■■┃ 本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃ 山口社会保険労務士事務所
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今日のTOPIC
1: 連続有給休暇を就業規則で制約する。
>>>ただし、退職時に対する工夫が必要。
2: 編集後記
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■■ 連続有給休暇を就業規則で制約する。
■■ ただし、退職時に対する工夫が必要。
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■長期の休暇には事前の申請が必要?
就業規則を読むと、「連続で5日以上の有給休暇を取得するときは、1か月前に
会社所定の書面により届け出ること」と書かれていたとします。
確かに、連続で休暇を取ると、仕事上の人員配備に支障が出ることもある
のでしょうから、事前の届出を求めるのは理にかなっています。
しかし、こんな制約をしても良いのかとも思えます。
原則として、有給休暇は自由に使えるものですから、届出の期間を指定するのは
ダメなのではと考えるわけです。
ただ、「いつでも届出ができる」、「いつでも休暇を取得できる」となると、
社員さんの側が有利になりすぎますよね。
会社としては、「休暇を取得するのは構わないが、ある程度の余裕を持って休暇の
申請をして欲しい」と考えるはずです。
確かに、いきなり申し出に対応するのではなく、準備するための期間が欲しい
というわけですよね。
そこで、会社と社員さんの間をいかに調整するかが悩みどころになります。
■会社は時季変更で応戦する。
極端な場合だと、休暇の取得は前日に申し出ても可能です。
原則として、有給休暇は自由に使えるものですから、申請されたものは認める
とすべきです。
ただ、これだとさすがに会社も困ります。
そこで、事前の申請をルールとして定めるわけですが、これは認められない
とまでは言えません。
ただ、事前申請を強制することまではできませんので、いわゆる「アナウンス
メント効果」を期待することはできるでしょう。
また、連続休暇のときは、時季変更の余地を挟んでおくのも有効かもしれません。
今回の場合だと、例えば、
「有給休暇の時期変更を行うときは、休暇が始まる2週間前までに時季変更を行い、
それ以降は時季変更できないものとします」というルールがあれば、会社と社員間
で上手く調整できそうです。
つまり、1ヶ月前に休暇の申請があり、1ヶ月前~2週間前までが時季変更の
時期になり、それ以降は休暇が確定するという流れです。
なお、時期変更権も事前に就業規則で制約しておくことをお忘れなく。会社が
自由に時季変更できる状態にしておくと、社員さんが困りますからね。
ところが、1ヶ月前ではなく、休暇の直前(10日前とか、3日前など)で連続休暇を
申請してきた場合には悩みますね。
この場合、就業規則で決めた条件を守らなければ、会社側が時季変更権で応戦する
こともありでしょう。
具体的には、
「ただし、1ヶ月前よりも後になって休暇の申請をしたときは、休暇開始2週間前
にかかわらず、有給休暇の取得時期を会社の判断で変更する場合があります」と決める
のも1つの方法かもしれません。
しかしながら、この時季変更を確実に実施できるかというと、分かりません。
社員さんが就業規則で決めたルールに従わなかったのだから、会社側の時季変更は
妥当なのですが、「時季変更を強制できるか」というと結論を言い難いです。
ここからは法律で何とかする段階ではなく、
「あなたがルール通りに休暇の申請をしなかったから、時季の変更をします」と会社から
社員さんに説明して、社員さんに納得してもらう必要があります。
これは不当な申し出ではありませんから、社員さんも納得できるのではないでしょうか。
■退職時には事前申し出ができないこともある。
他には、退職直前だと、1ヶ月前に申し出ることができないこともありそうです。
例えば、退職日の20日前に退職すると伝えて、同時に残りの有給休暇が20日あるので、
退職までの期間である20日間に有給休暇を充当したいという場面です。
確かに、在職中ですから、有給休暇の申請はできますよね。
ただ、突如として、退職までの20日間を休暇にすると言われれば、対応できない
こともあります(対応できればそれで良いです)。
前提として、在職中の有給休暇は権利ですが、退職した後は権利ではなくなります。
ということは、退職というイベント後は、有給休暇の取り扱いに対して、会社の判断を
加えていくことが可能になりますね。
20日の休暇を20日という期間で消化するとなると、時季変更する余地はありません
(時季変更して、引継ぎ業務をしてもらうこともできませんから、会社は身動きがとれません)。
この場合は、必要な引き継ぎ業務を行い、休暇は在職中に取得できるだけ取得します
(20日全てを消化できないかもしれません)。
そこで、もし、在職中に休暇を消化できなかったのでしたら、退職後に「有給休暇だけを
単独で消化する」ものアリです。
ただ、退職後に他の会社に転職すると考えているならば、有給休暇を消化している間は、
前の職場に在籍している状態ですから、新しい会社での社会保険等の加入が遅れることも
あるようです。
その場合、在職状態のままだと不都合ならば、退職時になお残っている有給休暇は買い取る
というのも選択肢としては有り得ます(ただ、退職後であっても、有給休暇の買取りはなるべく
避けて欲しいです)。
要点としては、「休暇を残して消滅させなければ許容範囲」というところでしょうか。
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>>編集後記
「財布より携帯なくす方が困る」人は40%
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090615-00000043-zdn_n-sci)
確かに、今では、無くして困るものの筆頭はケータイなのかもしれません。
iPhoneでは、端末を紛失した時に備えて、遠隔操作で端末を使えなくすることもできる
ようになったとのこと。
将来的には、盗まれた時に端末が爆発して消滅するような仕組みもできるのでしょうか。
「なお、このケータイは30秒後に消滅する、、、」というメッセージを発して、ボン!とか。
ただ、ケータイの持ち主は傷害罪に問われそうですよね(危ないですからねぇ、、)。
もし、自分で使っていて、いきなり上のメッセージが流れたら、、、もう、、気が
動転しますよ(「おい、爆発するのかよ!」と)。
今回も、定期レポート【本では読めない労務管理の「ミソ」】を
お読みいただき、ありがとうございます。
次回もお楽しみに。
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