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■■┃ 本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃ 山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2009/4/15号 no.81)━
■■ 給与を2回払いにできる?
■■ 「1ヶ月1回」という思い込み。
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■本体給与と時間外手当を分離して支払う。
給与計算をしていると、本体給与は簡単に計算できるが、
時間外手当だけは事後的に計算が必要で、支払いまで時間
が必要という場面はよくありますよね。
そんな時、時間外手当だけを本体給与から分離して支払いたい、
という要望も出てくるのではないでしょうか。
ただ、給与を分割払いにすると、いわゆる「全額払い」の
ルールに違反してしまうかもしれませんから、ちょっと
二の足を踏みます。
賃金支払いの5原則では、
「1.通貨で 2.直接本人に 3.その全額を 4.毎月1回以上
5.一定期日払に払わなければならない」
と決められていますよね。
この原則に合わせると、時間外手当だけを分離して支払うのは
ダメだとなりそうです(3番に反するのでしょうか)。
ですが、上記の4番目を読むと、「毎月1回以上」と書かれて
います。
ならば、給与の支払いを2回払いにすることは許されるのでは
ないかとも思えますよね。
「全額を1回で払う」とは決められていませんから、時間外手当
だけを分離して支払うことも可能ではないかと考えることも
できるわけです。
■「全額払い」の意味をどう理解したら良いか。
全額払いの意味は、「理由のない控除をしない」、「給与遅配
をしない」、という意味と理解するのが妥当です。
つまり、今月分の給与を来月の一定期日に支払うことを禁止
する、という意味ではないということ。
私の経験だと、3月20日に締めて、4月15日に支払うという会社も
ありました。
つまり、2月21~3月20日までの給与が4月15日に支払われる
ということです。
ここで注目すべきは、2月に働いた給与(2月21~2月29日)が
4月に支払われているという点です(もちろん、3月分も含まれて
います)。
もちろん、毎月15日に支払っているわけですから、この支払い方
は適正なものです。
2ヶ月前の給与が支払われるというタイムラグが許されている
んですね(違和感を感じていたので、私はこのタイムラグが好き
ではなかったのですが、、、)。
とすると、全額払いの原則とは、「当月に働いた分の給与は、
当月に支払う」という意味ではないことが分かるかと思います。
(もちろん、上記の意味で解釈しても差し支えはないのですが、
そこまで厳格に考えなくても良いということです)
つまり、毎月一定期日に支払うならば、2ヶ月程度のタイムラグ
は許されるし、2回払いも許される(毎月1回以上になっている
から)わけです。
■「当月勤務、当月清算」ではない。
もちろん、意図的に支払いを遅らせる目的で分割払いにするのは
ダメです。
雇用契約書や就業規則には、給与の支払い時期について書かれて
いますから、ここで決めたとおりに支払うのが原則です。
雇用契約書や就業規則で、給与の支払いは1回と決めているのに、
会社都合で2回にしたりするのは避けてください。
つまり、根拠のない分割払いはできないのですね。
ただ、時間外手当ては、締め日に計算が必要な手当てですから、
どうしても計算から支払いまでタイムラグが出てしまうものです。
そのため、事前に、雇用契約書や就業規則で、
「本体給与(時間外手当以外)は毎月末日に支払い、時間外手当
は翌月の10日に支払います」
と決めておくのも便利かもしれませんね。
「給与は必ず全額を1回で支払わなければいけない」というわけ
ではないことは知っておいてください。
メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。
【仕事のQ and A】
決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。
他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。
労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。
しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。
- Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
- Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
- Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
- Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
- Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
- Q:残業しないほど、残業代が増える?
- Q:喫煙時間は休憩なの?
- Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?
このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。
【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】
毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
残業管理のアメと罠
【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】
私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。
どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。
社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。
合格率0.07%を通り抜けた大学生。
【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】
高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。
中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。
若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。
それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。
もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。
週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。
休憩時間無しで働いている。
採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。
「学生には有給休暇が無い」と言われた。
テスト休みを取って時給を減らされた。
など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。
何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。
(知らないからといって許されるものではありませんけれども)
このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。
一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。
学生から好まれる職場と嫌われる職場。
その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。
「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
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