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□□┃ 山口社会保険労務士事務所
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こんにちは。山口社会保険労務士事務所の山口正博です。
このレポートは、定期的に、コラム形式で、
労務管理に役立つ内容を配信するレポートです。
興味本位で読むのもよし。
就業規則を作る前に読むのもよし。
つまみ食い感覚で読むのもよし、です。
どうぞ、自由にご活用下さい。
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今日のTOPIC
1: 給与は2回払いもできる。
>>>「給与は1ヶ月1回」という思い込みを捨てる。
2: 編集後記
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■■ 給与は2回払いもできる。
■■ 「1ヶ月1回」という思い込み。
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■本体給与と時間外手当を分離して支払う。
給与計算をしていると、本体給与は簡単に計算できるが、
時間外手当だけは事後的に計算が必要で、支払いまで時間
が必要という場面はよくありますよね。
そんな時、時間外手当だけを本体給与から分離して支払いたい、
という要望も出てくるのではないでしょうか。
ただ、給与を分割払いにすると、いわゆる「全額払い」の
ルールに違反してしまうかもしれませんから、ちょっと
二の足を踏みます。
賃金支払いの5原則では、
「1.通貨で 2.直接本人に 3.その全額を 4.毎月1回以上
5.一定期日払に払わなければならない」
と決められていますよね。
この原則に合わせると、時間外手当だけを分離して支払うのは
ダメだとなりそうです(3番に反するのでしょうか)。
ですが、上記の4番目を読むと、「毎月1回以上」と書かれて
います。
ならば、給与の支払いを2回払いにすることは許されるのでは
ないかとも思えますよね。
「全額を1回で払う」とは決められていませんから、時間外手当
だけを分離して支払うことも可能ではないかと考えることも
できるわけです。
■「全額払い」の意味をどう理解したら良いか。
全額払いの意味は、「理由のない控除をしない」、「給与遅配
をしない」、という意味と理解するのが妥当です。
つまり、今月分の給与を来月の一定期日に支払うことを禁止
する、という意味ではないということ。
私の経験だと、3月20日に締めて、
ありました。
つまり、2月21~3月20日までの給与が4月15日に支払われる
ということです。
ここで注目すべきは、2月に働いた給与(2月21~2月29日)が
4月に支払われているという点です(もちろん、3月分も含まれて
います)。
もちろん、毎月15日に支払っているわけですから、この支払い方
は適正なものです。
2ヶ月前の給与が支払われるというタイムラグが許されている
んですね(違和感を感じていたので、私はこのタイムラグが好き
ではなかったのですが、、、)。
とすると、全額払いの原則とは、「当月に働いた分の給与は、
当月に支払う」という意味ではないことが分かるかと思います。
(もちろん、上記の意味で解釈しても差し支えはないのですが、
そこまで厳格に考えなくても良いということです)
つまり、毎月一定期日に支払うならば、2ヶ月程度のタイムラグ
は許されるし、2回払いも許される(毎月1回以上になっている
から)わけです。
■「当月勤務、当月清算」ではない。
もちろん、意図的に支払いを遅らせる目的で分割払いにするのは
ダメです。
雇用契約書や就業規則には、給与の支払い時期について書かれて
いますから、ここで決めたとおりに支払うのが原則です。
雇用契約書や就業規則で、給与の支払いは1回と決めているのに、
会社都合で2回にしたりするのは避けてください。
つまり、根拠のない分割払いはできないのですね。
ただ、時間外手当ては、締め日に計算が必要な手当てですから、
どうしても計算から支払いまでタイムラグが出てしまうものです。
そのため、事前に、雇用契約書や就業規則で、
「本体給与(時間外手当以外)は毎月末日に支払い、時間外手当
は翌月の10日に支払います」
と決めておくのも便利かもしれませんね。
「給与は必ず全額を1回で支払わなければいけない」というわけ
ではないことは知っておいてください。
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>>編集後記
労働契約書と就業規則だけだと、労使のバランスがとれないのでは
ないかと最近考えています。
労働組合があれば、もう少し力を強めることができるのですが、
中小の企業で組合を組織するのは難しいですよね。
今では、労働組合の組織率は下降傾向ですし、組合活動の内容も
形骸化しているところもあるのではないでしょうか。
それでも労働組合は、経営側に対する牽制力を持てますから、
存在意義はあるんですよね。
雇用契約書や就業規則は会社のほぼ独断で作れますから、社員さん
の意向が考慮されない場合がままあります。
就業規則を改定する時も、社員さんの意見を聞くだけですからね。
個人加入の労働組合もありますから、中小の企業で働く人は加入
を検討してみてはいかがでしょうか。
次回は、組合について書いてみようかと考えています。
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