あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

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あいのりで職場に行く 同僚の車に同乗して通勤するのは便利

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電車やバスではなく同僚と同じ車に乗って通勤するアイデア

近隣に住んでいる社員さん同士が、その中の1人の所有する車に乗って、一緒に出勤している。

そんな通勤スタイルの方もいらっしゃるかもしれませんね。

職場までの交通網が十分ではない(効率良くアクセスするための電車やバスがない)場合、同乗者通勤という方法が使われているようです。

交通網が十分ではないという理由のみならず、通勤交通費を抑えるために実施することもあるでしょう。

そこで、同乗者通勤の仕組みをどのように整備するかが今回のテーマです。

社員同士でまとまって同乗通勤する利点は?

中には、通勤交通費を貰いながら、だれかの車にこっそり同乗している人もいるかもしれませんね。

これは通勤費の不正受給ですから、場合によっては懲戒対象になります(不正受給に対する懲戒規定を設けていない会社もありますが)。

学生時代に、交通費を貰いながらも、自転車でバイトに来ている人もいました。

民法上の不当利得と扱われることもありますから、不正に手当を貰うのは厳禁です。懲戒解雇もありますので、やめてくださいね。

注意する点はありますが、同僚の車に同乗して通勤することは、コスト削減や環境負荷の軽減、人間関係の促進などのメリットがあります。

  • 交通費の節約
    同乗者と燃料費や駐車場代を分割することで、経済的な負担が軽減されます。同僚の車に乗るならば、自分は車を所有していなくてもいいですし、免許証を持っていなくてもいいですね。
  • 環境への配慮
    車の台数が減ることで、二酸化炭素の排出量が削減されます。1人1台の自動車で通勤するよりも環境にやさしい。
  • 人間関係の向上
    通勤中にコミュニケーションを取ることで、同僚との親睦が深まる可能性があります。同じ車内でしばらく過ごすので、会話がありますから好意を醸成するには良い環境です。

同乗通勤で注意する点は?

同乗通勤を許可する場合、事業所が運転者の免許証や自動車保険を確認します。

運転者が有効な免許証を保有していない場合、重大な法的問題や事故リスクにつながります。また、適切な自動車保険に加入していない場合、事故発生時に補償が不十分となり、従業員や会社に影響が及ぶ可能性があります。

「免許証」は、営業や運送業などの場合、入社時にコピーを提出してもらっているでしょう。

ですが、入社の時にコピーを受け取っただけで、その後は免許証をチェックしていないという会社もあるのでは。社員さんが期限切れの免許証で運転しているということも、稀ですがあるようです。ですので、運転する人の免許証の期限は一覧表で記録しておきます。

使用者責任(民法第715条)の観点から、企業が従業員の通勤手段に関与する場合、免許証や自動車保険の確認を行うことは重要です。従業員が業務遂行中または業務関連行為(通勤などを含む場合も)で他人に損害を与えた際、企業がその賠償責任を負う可能性があります。

加入している保険が同乗者をカバーしているか(搭乗者傷害保険など)、ここは大事ですね。自賠責保険だけ加入しているのは論外ですが。保険証券のコピーを受け取って事業所で保管しておきましょう。

年に1回程度、免許証の更新や保険契約の更新に合わせて確認すると良いです。

他の人を同乗させた人には手当を支給する

「人はインセンティブに反応して行動を起こす生き物」ですから、何かをしてもらうには何らかのインセンティブが必要です。

インセンティブというのは、ザックリ言うと「旨味とか誘因」という意味を持つ言葉です。

例えば、「今度のテストで80点以上取ったら、お寿司を食べに連れて行ってあげるよ」と、親が子供に言う時があります。この場合では、お寿司がインセンティブですね。

気持ちを動かす何かがないと、テストも頑張れませんよね(笑)。

話を元に戻すと、自分の車に他の社員さんを乗せるわけですから、何らかの「旨味」が必要なのです。

使われるだけで、何らの利点も感じないとなると、対応がどうしても消極的になります。

何の見返りも無く、他の社員さんを自分の車に乗せるのは気が進みませんよね。

そこで、他の社員さんを同乗させて通勤してくれた社員さんには、「通勤補助手当」というものを出してはいかがでしょう。

手当を支給する利点は、

  • 運転者の負担軽減
    運転には燃料費、車両の維持費、精神的な負担が伴います。手当を支給することで、これらの負担に対する公平感が生まれます。
  • 同乗通勤の促進
    手当があることで、他の社員も同乗通勤を選択しやすくなり、会社全体でコスト削減や環境配慮につながります。何の手当も出ていないと、同乗するのに気を使いますから。
  • 社員満足度の向上
    運転者の労力を認める形になるため、社員のモチベーションが向上する可能性があります。貢献したことが評価されるのは職場では大事ですよね。

具体的には、追加的に1人同乗させる毎に、通勤手当の5%にあたる部分を別の手当として支給するというものです(2人なら10%。3人なら15%、、)。

月30,000円の交通費を受けている人が、他の社員さんを1人、自分の車に同乗させたら、1,500円の通勤補助手当が出るという仕組みです。

また、他の人の通勤を補助したわけですから、補助手当というネーミングが良いのでは。

この通勤補助手当は、通常に支給される通勤手当とは別の手当として支給するものです。ですので、通勤手当とは違い、時間外手当の計算にも含まれる手当となります。

月に何回同乗させるのか、同乗人数も日によって変動するなら、それを手当に反映させるか。人数ではなく、通勤距離で手当の額を変えていくか。

工夫する余地はありそうですね。

手当の目的、金額、支給条件(例: 週〇日以上運転する場合など)を社内規定で明確にして運用していきます。

 

労務管理の問題を解決するコラム

【仕事のQ and A】

決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。

  • Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
  • Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
  • Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
  • Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
  • Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
  • Q:残業しないほど、残業代が増える?
  • Q:喫煙時間は休憩なの?
  • Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?

このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

仕事のハテナ 17のギモン 

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】

毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠

残業管理のアメと罠 

【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。

どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡 Kindle版

合格率0.07%を通り抜けた大学生。

【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】


高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

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┃ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
┃それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。
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