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■■┃ 本では読めない労務管理の「ミソ」
□□┃ 山口社会保険労務士事務所
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━ (2008/09/25号)━
■ サイト業務の移動時間
■■ 移動時間と仕事時間
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■仕事より長い移動。
サイト業務というのは、自社で仕事をするのではなく、
顧客先企業に訪問して、通信機器の保守作業をするような
業務のことをいいます。
システム開発の会社等だと、このような仕事があるかと
思います。
深夜に、システムのアップグレードとか、サーバーメンテナンス
とか。
別の業種だと、訪問介護の仕事も、いわゆるサイト業務に
なりますよね。
自分の会社から相手の会社まで移動しないといけないわけですが、
その移動時間は仕事として扱っても良いものかどうか。
例えば、実際に仕事をしているのは1時間であっても、移動時間
が往復で4時間あった時。
1時間だけしか給与が出ないとすると、どうも納得がいきませ
んね。
往復で20分程度ならば、許容できることもあるでしょうが、
4時間だとそうもいかない。
会社としては、「仕事は1時間だけ」と考えるでしょうし、
社員としては、「仕事のための移動だから、移動時間も
仕事時間に含まれる」と言いたいでしょう。
こんな時の移動時間はどうすればよいのか。
■実際の時間を把握するか、概算時間を使うか。
サイト業務の時間管理は、いわゆる「みなし労働時間制」とは
少し違う。
保守作業ですから、経営や企画の仕事とも違いますし、時間
管理をすることも困難ではないはず。
仕事時間はしっかりと計算できるわけであって、移動時間だけが
計算し難いだけですから、みなし労働時間制とはやはり
違いますね。
実際の移動時間を使うと、妙に長時間だったりすることも
あります。
道が渋滞していたということもありますし、遠い場所の場合は
途中で休憩をすることもあるでしょう。
ですので、実際の移動時間が妥当かどうかは分からないことが
多いです。
また、事前に移動時間を計算した概算時間を使うとしても、
厳密な時間とは違ったものになります。
つまり、時速40キロで車を運転するとすると、相手先企業まで
10Kmの距離がある場合、直線距離では15分で移動できる
という計算になる。
(実際は、信号や曲がり道がありますので、それよりも長く
なります)
雪が降っているとか、雨が降っているという交通事情でも遅く
なるでしょう。
どちらの方法も一長一短ですね。
となると、着地点をどこにするかを考えないといけません。
■成果給でない仕事ゆえに、移動時間の評価が難しい。
本来は、5時間で計算するのが望ましい。
ただし、現実には、移動時間を厳密に計るのは難しいでしょう。
あまり地理に詳しくない地域に行く時や、天候不順、事故、
などによって移動時間は随分と変わるものです。
イレギュラーな要素まで加味して仕事時間とするのは、必ず
しも正しいものではないでしょう。
例えば、トラック運転手さんのように、成果的に仕事を評価
できるならば、時間評価だけではなく成果面での評価も加味
できます(もちろん、成果給でも時間外労働などは発生します。
時間を考慮しなくても良いというわけではありません)。
しかし、介護や通信機器の保守業務で成果と言われても、評価は
やや難しいはず。
事務的な仕事も多いはずですので、成果給を作りにくい。
そのため、概算で移動時間を出して、その時間を給与に反映する
というのも一つの方法です。
また、移動時間を概算しておけば、社員さんに対して「疲れたら、
途中で休憩してもいいよ」と気軽に言うことができますね。
時間のプレッシャーが緩和されるので、社員さんも気軽です。
さらには、事故の可能性も低くなるでしょう。
ただし、概算とする場合には、無理の無い時間を設定する必要が
あります。
理屈では15分と計算できても、実際には30分だろうと予測
しておく、といった配慮が必要です。
概算の移動時間の方が、見えないメリット(休憩ができる。事故
を予防する)があるのかなと私は思います。
メルマガ以外にも、たくさんのコンテンツをウェブサイトに掲載しております。
【仕事のQ and A】
決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。
他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。
労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。
しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。
- Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
- Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
- Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
- Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
- Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
- Q:残業しないほど、残業代が増える?
- Q:喫煙時間は休憩なの?
- Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?
このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

【1日8時間を超えて仕事をしたいならば】
毎日8時間の時間制限だと柔軟に勤務時間を配分できないので、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
しかし、仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。それを実現するにはどうしたらいいかについて書いています。

残業管理のアメと罠
【合格率0.07%を通り抜けた大学生。】
私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。
どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。
社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

合格率0.07%を通り抜けた大学生。
【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】
高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。
中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。
若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。
それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。
もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。
週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。
休憩時間無しで働いている。
採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。
「学生には有給休暇が無い」と言われた。
テスト休みを取って時給を減らされた。
など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。
何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。
(知らないからといって許されるものではありませんけれども)
このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。
一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。
学生から好まれる職場と嫌われる職場。
その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。
「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
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