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勤務間インターバル あなたの職場では、ちゃんと“休める時間”が確保されていますか?

メールマガジン 本では読めない労務管理の"ミソ"(2024/11/18号 no.332)

あやめ社労士事務所  

要約:【勤務間インターバルは、終業後から翌日の始業までに一定の休息時間を確保する制度。従業員の健康維持や疲労回復、労働災害防止、離職率低下、生産性向上に繋がる。日本ではまだ努力義務だが、導入促進に向けた法規制強化の検討が進んでいる。

勤務間インターバル導入のメリットは、離職率低下、労働災害防止、企業の社会的評価向上など。フレックスタイム制、ノー残業デー、業務分担の最適化などとの併用も効果的。助成金活用も可能】

時折、「勤務間インターバル」と聞くけど、どのような仕組みや制度なのか気になったことはありませんか? 疲れた体をしっかり休めないと、翌日の仕事にも影響が出ちゃいますよね。

でも、この制度を取り入れることで、もっと働きやすくなるだけでなく、生産性も上がるって言われてるんです。

気になりますよね? この続きを読んで、ぜひチェックしてみてください。

勤務間インターバルとは?

勤務間インターバルとは、労働者が終業した後から翌日の始業までに一定の休息時間を確保する制度のことです。 その日の仕事が終わってから次の日の仕事が始まるまで、休むための時間がちゃんと空いているかどうかを決めるものなんです。

仕事が終わって、自宅に帰って食事したり、お風呂に入ったりして、睡眠をとった後、次の日の仕事が始まるわけですが、 この一連の日常生活のための時間を、勤務間インターバルとして確保していこうというものです。

夜遅くまで仕事をして、翌日の始業時間が早いと休息が十分でなくなるので、そこに対処しようというわけですね。

勤務間インターバルがきちんと職場で決まっていると、長時間労働による疲労の蓄積を防ぎ、従業員の健康を守ることができます。

具体的には、「終業から翌日の始業までに〇時間以上の休息を取る」といったルールを設けることで、従業員が十分な休息を取れるようにします。 たとえば、勤務間インターバルとして11時間の休息を推奨するケースが多いですが、日本ではこの制度はまだ努力義務として位置づけられています。

各企業が具体的なインターバル時間を設定して、この制度を導入することで、健康的な働き方を支援し、生産性の向上や労働災害の防止にもつながるとされています。

令和5年就労条件総合調査概況によると、勤務間インターバル制度を導入している企業の割合は6.0%と少ないですが、 制度を導入していることを明示することで、従業員の健康と労働環境に配慮していることをしっかり伝えられます。

これにより、「安心して働ける職場」という信頼感を持ってもらえ、人材の定着率向上や新しい人材の確保が期待できます。

2024年11月12日、厚生労働省で開催された労働基準関係法制研究会では、11時間の休息を軸に、 導入促進に向けた法規制強化の検討が必要との考えがあります。いずれこの制度が義務化されることも予想されます。

令和5年就労条件総合調査概況によると、導入済み企業での勤務間インターバルの間隔は平均10時間20分となっています。11時間にちょっと足りないぐらいですね。

導入率が低い背景には、企業が実質的にインターバルを確保できていると考えている場合もあります。 例えば、午後5時に仕事が終わり、翌日は朝9時から始業する職場では、11時間以上の間隔があるため、 「制度としての導入が不要」と判断している企業もあるでしょう。もうインターバルを取れているんだから、そのままでいいだろうと思えるのでしょうね。

勤務間インターバル制度を導入していると、求人情報で伝えている企業は少ないですが、 他社がやっていないことを先に行うことで、「働く環境をきちんと整えている職場だな」と思ってもらえ、魅力的に感じてもらえるはずです。良い職場環境であっても、それを伝えないと勿体ないですよね。「ちゃんと勤務間インターバルを取れる職場ですよ」と分かると、働いてくれる人も増えますし、在職中の従業員の方も、ここはいい職場だと感じてもらえます。

勤務間インターバルを導入する利点は?

勤務間インターバルを導入する利点は、主に4つあります。

1.健康維持と疲労回復

一定の休息時間を確保することで、従業員が十分な休養を取れるようになり、長時間労働による疲労蓄積を防ぎます。これにより、心身の健康が守られ、病気や過労のリスクが低減します。夜遅く仕事が終わって、翌日の朝が早いと疲れが取れないまま仕事が始まりますから、勤務間インターバルとして間隔時間が確保されていると安心です。

過労やストレスによる健康問題が減少し、企業の負担する健康保険料や医療費が低減される効果もあります。体調が悪くなって休むと仕事ができる人が減って困りますし、長期にわたって休職したり、退職する方も出てくることも。健康だからこそ働けますからね。健康に働ける環境は従業員の働く年数を伸ばし、人材不足に対応できます。

2.労働環境の改善

従業員が安心して働ける環境が整うことで、職場への満足度や仕事に対する意欲が向上します。また、働きやすい環境を提供することは、離職率の低下にもつながります。在職中の従業員に「勤務間インターバルという形できちんと休めるようにしました」と伝えると、「そういう時間が確保されるようになったんだ」と分かります。

人材を募集する時の求人情報に「勤務間インターバルできちんと休息を取れるようにしています」と伝えれば、労働環境の改善に積極的な職場だと分かりますね。制度が未導入でも、実質的にインターバルが確保できていても、求職者や従業員にはそれが伝わりにくいことが多いので、「勤務間インターバル」という具体的な制度として示すことで、企業の取り組みを明確にアピールできます。

健康で働きやすいと、離職率が低下しますから、新規採用や育成にかかるコストが減ります。また、従業員が長く働くことで、組織にノウハウや経験が蓄積され、競争力が高まることも期待できますよね。人が頻繁に入れ替わると、しっかりと仕事を教えていくのが難しくなりますから、長く働ける環境を作るのは大事です。

3.労働災害の防止

休息不足による判断ミスや事故のリスクが減り、安全で安心できる職場環境を実現できます。特に、集中力が求められる業務においては大きなメリットとなります。安全衛生は使用者の責任(使用者には安全配慮義務があります)ですし、怪我をして休むと他の人の仕事が増えるので、労働災害を防止できるのは勤務間インターバルの利点です。

労働災害が発生すると労災保険を利用できますが、使用者の責任は免責されるものではなく、職場での事故の責任は使用者にあります。労働災害が起こりにくい職場は安心感がありますよね。

4.企業の印象が向上

労働者の健康を重視する姿勢が評価され、企業としての社会的評価が高まります。採用活動においても、健康管理に配慮する企業として魅力的に映ることが期待されます。勤務間インターバルが導入されていることで、「労働時間がしっかり管理されている職場」という印象が強まり、自然と残業が少ない職場だというイメージも抱かれやすくなります.

求職者にとっては、長時間労働が避けられる職場は魅力的ですし、健康や生活の質を重視する人にとっては安心感を与えるポイントになります。勤務間インターバルを導入していることを人材募集時に伝えると、健康と働きやすさを重視する職場であることがアピールでき、十分な休息が確保されている環境はワークライフバランスを大切にしている企業だと感じてもらえるでしょう。

特に若年層や家庭を持つ労働者にとって、インターバル制度は魅力的な条件です。家族との時間も働く人にとって価値があります。家庭環境が安定していると仕事にも良い効果をもたらすのは言うまでもありませんよね。

労務管理が適切であることを示すことで、監査や調査に対する対応力も強化されます。外部からの監査や労働基準監督署の調査への対応もしやすくなります。

勤務間インターバルと一緒に取り組める人事労務管理の施策は?

フレックスタイム制度と組み合わせて

勤務間インターバルと併せてフレックスタイム制度を導入することで、従業員が自分の生活に合わせて働きやすくなり、柔軟な勤務が可能になります。休息時間を確保しやすく、さらに出退勤の時間を本人に委ねるため、所定労働時間でガチッと固める職場とは違った働きやすさがあります。

ノー残業デーと組み合わせて

週に一度ノー残業デーを設定し、必ず定時で帰宅する日を設けることで、従業員が十分な休息を確保できる環境を整えます。これと勤務間インターバルを組み合わせると、より休息の質を高められます。例えば、ノー残業デーの朝礼などで「本日はノー残業デーのため残業はしません」と全員で唱和すると、ノー残業デーの実効性を高めることができるでしょう。勤務間インターバルと残業削減は親和性がありますから、片方を推進すると、もう片方にも良い影響があります。

働き方の見直しと業務分担の最適化

労働時間の見直しと、各業務の役割分担を明確にする施策を進めることで、負担の偏りを解消します。これにより、インターバルを守りながら、効率よく仕事を進めることができます。勤務間インターバルを確保するためには、自ずと時間の配分や業務の分担を見直す必要がありますから、連動して効果を発揮するでしょうね。

従業員同士でスケジュールを調整して勤務シフトを作る体制に

従業員同士でスケジュールを調整して作成する体制を導入するのは、勤務間インターバルと組み合わせるのに効果的な施策です。この方法により、従業員が自分の生活スタイルや休息の必要性に合わせてスケジュールを調整しやすくなり、勤務間インターバルを守ることが自然と促進されます。また、自主的に勤務スケジュールを決めることで、従業員間のコミュニケーションが活性化し、協力的な職場環境が生まれます。柔軟性を高めながらも、全体の業務が滞りなく進むような仕組みを構築することがポイントですね。

働き方改革推進支援助成金と一緒に

勤務間インターバルの導入と併せて「働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)」を活用することで、労務管理施策を効果的に進めることが可能です。勤務間インターバル制度の導入を促進し、労働者の健康保持や過重労働の防止を図ることを目的とした助成金で、勤務間インターバル制度の導入に伴う研修、就業規則の作成・変更、労務管理用機器の導入などの取り組みに要した経費の一部を助成します。助成額は、取組に要した経費の3/4(常時使用する労働者数が30人以下の場合は4/5)を助成し、上限額は100万円です。

勤務間インターバルで働きがいのある職場にしたい

勤務間インターバルできちんと休める時間が取れる職場になると、社員を大切にする企業として、顧客からの信頼が高まり、長期的な取引が増加します。

人手不足の環境では、労務管理がより重要になります。勤務間インターバルを導入していることを明示することで、企業が従業員の健康と労働環境に配慮していることをしっかり伝えることができます。これにより、働く側も「無理なく、安心して働ける職場」という信頼感を持つことができます。

従業員の健康管理に積極的に対応したい労働環境を改善して、離職率を下げ、長く働いてもらいたい労働災害の予防に前向きなイメージを持ってもらいたい。

このような考えで勤務間インターバルを含めた人事労務管理の施策を導入したいと思われたら、お問い合わせください

勤務シフトが希望通りにならずに人手不足になるときの解決法は?

要約:【従業員同士で勤務シフトを作成し、年次有給休暇を取得しやすくすることで、働きがいが向上します。従業員同士の協力により、コミュニケーションが活発になり、職場文化が醸成されます。また、柔軟なスケジュール調整により、仕事と私生活のバランスが取りやすくなります。
学生アルバイトの離職率低下とエンゲージメント向上のため、テスト休暇を年次有給休暇として取得できるようにします。シフト作成に従業員が関与することで、責任感と一体感が高まり、年次有給休暇取得も促進されます。大きな用紙に希望シフトを記入し、視覚的にスケジュールを共有することで、調整が容易になり、コミュニケーションも促進されます】

出勤日や休日、年次有給休暇の希望を出しても、思った通りの勤務シフトにならずに人が集まらない。そういうとき、どうすればいいでしょうか。

従業員としては希望通りに勤務したいですし、上司としてはうまく仕事が回るように出勤日や休みの日を決めたい。両者の思惑が一致するとは限らないのが悩みどころ。

勤務シフトを上司が作るのではなく従業員同士で作る

年次有給休暇を取得するスケジュールを決めるとき、上司が一方的に勤務シフトを決めるのではなく、従業員同士で勤務シフトを作成して、お互いに譲り合い、協力して年次有給休暇を取得できるようにする方が年次有給休暇を取りやすくなり、働きがいも向上するのではないか。

従業員同士が協力して勤務シフトを作成し、お互いに譲り合いながら年次有給休暇を取得する制度は、年次有給休暇を取りやすくし、働きがい(エンゲージメント)を向上させる有効な手段になる可能性があります。

働く人の自主性の向上

従業員が自らシフトを調整できるようにすることで、自己管理や自主性が高まります。これにより、上司の一方的な決定よりも、従業員自身が関与しているという感覚が生まれ、働きがいが向上します。自分のスケジュールに対するコントロール感は、仕事に対する満足度を高める要素です。人から押し付けられた勤務シフトではなく、自分の意志で決めた勤務シフトですからね。

従業員同士のコミュニケーションと協力の促進

シフト作成や休暇取得の際に、従業員同士で譲り合いながら話し合うことで、チーム内のコミュニケーションが活発になり、協力的な職場文化が醸成されます。これにより、職場内での信頼関係が強まり、働きやすい環境が整います。勤務シフトを作るときだけでなく、日常業務でもお互いに協力しやすい雰囲気が出来上がります。

例えば、学生がテスト期間中に年次有給休暇を取得し、学生以外の従業員はテスト期間以外の時期に休暇を集中して取るようにすることで、従業員同士の協力を促し、働きやすい職場環境を整えることができます。

学生がテスト期間に集中して休むことで、他の従業員はその期間を避けて休暇を取ることができ、業務の空白を埋めやすくなります。高校生や大学生のテスト期間は毎年同じですから、年間スケジュールで把握できます。お互いに配慮し合う文化が生まれることで、従業員同士の協力関係が強化されます。学生がテスト期間中に休む際、他の従業員がその間をサポートする体制が整うことで、自然と協力の精神が育まれます。同時に、学生以外の従業員が休む際には学生がフォローするという互恵的な関係が形成され、職場のチームワークが強まります。

年次有給休暇の取得率向上

従業員同士が協力してスケジュールを調整することで、年次有給休暇を取得しやすくなります。上司による一方的なシフト決定だと、休暇を取りにくい環境が生まれることもありますが、従業員同士で調整すれば、お互いに配慮し合いながら休みを取ることができます。結果として、休暇の取得率が向上し、過労やストレスの軽減にもつながります。「私が4日に年次有給休暇を取るから、あなたは9日に取っても大丈夫よ」とお互い様の雰囲気ができて、気分も良いですね。

柔軟にスケジュールを決めることができる

上司が決めた固定的なシフトよりも、従業員同士で調整する柔軟なスケジュールは、個々のニーズに合わせやすくなります。プライベートの予定や家庭の事情に合わせたスケジュール調整が可能になり、仕事と私生活のバランスが取りやすくなります。子どもの学校行事に合わせる、学生ならば定期テストの予定に合わせることもできますね。

テスト休みに学生は年次有給休暇を取る

例えば、テスト休みに年次有給休暇を取れると、学生には魅力的な職場になります。学業を優先させることができる環境は、学生にとって大きな魅力です。テスト期間に年次有給休暇を使えることで、試験準備に集中でき、学業と仕事の両立が容易になります。これにより、学生は安心して働き続けることができ、離職率の低下にもつながります。

学業を優先させることができる環境は、学生にとって大きな魅力です。テスト期間に年次有給休暇を使えることで、収入を減らさずに、試験準備に集中でき、学業と仕事の両立が容易になります。これにより、学生は安心して働き続けることができ、離職率の低下にもつながります。

テスト休みを年次有給休暇として取得できると、学生は「自分のライフスタイルに合った職場」と感じ、エンゲージメント(働きがい)が向上します。学業と仕事のバランスをうまく取れることは、長期的なモチベーションを保つためにも大事ですよね。

求人情報で「テスト休みを取るときに年次有給休暇を使えます」とアピールすると、学生には魅力的な職場になります。「テスト勉強の期間に有給休暇を活用して、安心して学業に集中できる環境です」と伝えれば、ここで働こうかと思えるでしょう。学校行事に影響しにくいのは学生にとってポイントが高いです。

責任感と一体感の向上

シフト作成に関与することで、従業員はお互いの業務や役割を理解し、責任感が強まります。お互いに協力しながら休みを取り合うことで、職場全体に「みんなで支え合っている」という一体感が生まれ、チーム全体のエンゲージメントが向上します。お互い様という気持ちは大事ですよね。

働きがいの向上

年次有給休暇が取りやすくなり、休暇を計画的に取得できる環境が整うことで、従業員は自分の働き方に柔軟性を持てるようになります。これにより、仕事のモチベーションや働きがいが向上し、従業員がより満足して働ける職場が実現できます。

お互いのスケジュールを一覧できる用紙に希望の勤務シフトを記入

例えば、大きなA3用紙に従業員がお互いに希望する勤務シフトを記入すると、相互にスケジュールが分かり、年次有給休暇を取得する日を決めやすくなるでしょう。視覚的にスケジュールを共有しやすくなり、相互の予定を把握しながら年次有給休暇を取得しやすくするための協力体制が整います。

透明性の向上

A3用紙に勤務シフトや休暇希望を記入することで、誰がどの期間に働きたいのか、休みを取りたいのかが一目で分かります。この透明性により、従業員同士が調整しやすくなり、休暇取得のプロセスがスムーズに進むでしょう。希望の出勤日や休みの日を勤務シフトを作成する人に提出する方法だと、他の人のスケジュールが分かりませんので調整しにくいですが、一覧で他の人のスケジュールが見えると、どの日に出勤して、どの日を休みにするか決めやすいです。

視覚的な把握で調整が容易に

大きな紙に記入されたスケジュールは視覚的に確認しやすく、空いている期間や重複している希望などがすぐに分かります。従業員同士がその場で確認し合いながら、効率的に調整を行うことができます。

コミュニケーションの促進

この方法を使うことで、従業員同士が直接話し合い、協力してスケジュールを調整する機会が生まれます。シフトの希望を出し合う過程で、自然とコミュニケーションが活発化し、職場の雰囲気が向上することが期待されます。

他の人のスケジュールが見えるので柔軟な対応が可能

希望が重なっている場合や、特定の期間に休みを取りたい人が複数いる場合でも、その場で他の人と調整し合うことで、全員が納得できるスケジュールを組むことができます。また、特定の人が多忙な時期に働く意欲があることが見える化され、他の従業員とのバランスも取りやすくなります。

自発的な協力と譲り合いの精神

従業員自身がシフトの調整に関与することで、責任感や協力の意識が高まり、譲り合いながら互いに配慮したスケジュール作成が行われるようになります。これにより、従業員同士の信頼感が深まり、職場全体の働きがいも向上するでしょう。

年次有給休暇の取得促進

シフトの透明性が高まり、全員が希望を反映しやすくなることで、従業員は「自分の休暇を取りたいときに取れる」環境が整います。これにより、年次有給休暇の取得率が向上し、従業員のストレス軽減や満足度向上が期待できます。

 

年次有給休暇は働く人の関心が高いところですから、働きがいのある職場になるよう工夫すると、人が集まりますし、働き続けてもらえるでしょう。

固定残業代制度を労働条件として正しく表示するには?

固定残業代制度にあまり良いイメージがない?

固定残業代制度に対してどのようなイメージを持っていますか。

残業代を減らすために導入しているんじゃないか。
割増賃金をごまかすために導入しているのでは。
残業代の内訳を分かりにくくして煙幕を張っていると感じる。
固定で支払った残業代を超えて働かせ放題になるんじゃないの?

このようにあまり良いイメージを持たれていないのではないかと想像します。

固定の残業代ですからね。「これ以上は払わんぞ」という意思が伝わってきますから良いイメージを抱かれないのも当然。

しかし、固定残業代制度にも良いところはあり、事前に定めた時間数よりも短時間で仕事を終えれば、労働者の時間あたりの賃金単価が上昇します。つまり、なるべく残業しないように仕事をすれば給与が増えるので、残業を減らしていく効果を期待できます。

残業代ではなく残業を減らすために利用するのが固定残業代制度なのです。

固定残業代制度の残業時間数と賃金の内訳が不明瞭な求人情報

「初任給42万円(固定残業代80時間分を含む)」

このような 求人情報があったとして、あなたはこれを魅力的だと感じるでしょうか。

初任給が月に42万円という部分に意識が向いてしまって、初任給で42万円だったら良い条件なんじゃないかと思って反応してしまう方もいるのでは。これが新卒初任給で月42万円だったら、反応する学生もいるでしょうね。

ちょっと気になるのは、初任給42万円に固定残業代が80時間分含まれているところです。

「80時間分の固定残業代か、具体的にはよくわからないけれども、初任給42万円だから悪くないのだろう」、と良いように解釈しますか?

80時間分と書かれていても、じゃあ具体的に金額はいくらなのかは表示されていません。金額が不明なので、時間あたりの単価も分かりません。

落ち着いて考えると、この固定残業代制度は大丈夫なのか不安に感じますよね。

固定残業代制を導入するときは、固定残業代が何時間分に相当するのか、金額ではいくらなのかを明示しておく必要があります。

未払いの残業代が発生しないようにきちんと条件を示して分かりやすくしておきます。

固定残業代が何時間分なのか、金額ではいくらで、時間あたりいくらなのかが分かる。これだと求職者にも判断ができます。

さらに、基本給と固定残業代を分けて表示しているのかどうか。事前に決めた固定残業代の時間数を超えた場合は追加で割増賃金を支給すると表示しているか。これらの点もチェックするポイントです。

働く条件の書き方が曖昧なまま固定残業代制度を導入すると、きちんと残業代が払われているのかどうか不信感を持たれます。さらに、残業代をごまかしているんじゃないかとも思われてしまいます。きちんと正しく賃金を計算して支払っていたとしても、事前に示した情報が曖昧なままだと相手に不安感を与え、それが不信につながります。

固定残業代制度を求人情報できちんと表示する条件

固定残業代の条件の提示の仕方として良い例が厚生労働省の労働条件明示の解説ページの中にあります。

固定残業代制度

求職者の皆様へ ~ 求人票・募集要項等のチェックポイント ~ <職業安定法が改正されます> 施行日:2018(平成30)年1月1日(2ページ目 賃金より)

固定残業代制度を正しく表示するための3条件

  1. 基本給と固定残業代の部分を分けて表示している。
  2. 固定残業代の部分は時間数と金額を併記している。
  3. 指定した時間数を超える時間外労働については追加で割増賃金を支給すると表示している。

この3つが明記されているのが良いところです。

固定残業代を80時間分を含むという表示だけだと金額と併記されていないため1時間あたりの固定残業代がいくらか分かりません。これではきちんと固定残業代の条件について明示したとは言えません。

付け加えると、固定残業代を含む賃金が最低賃金法で定められた基準を下回らないようにするのは当然です。

さらに、固定残業代80時間分を含むと書かれた場合、この80時間分の中身は割増賃金のみで80時間分なのか、基本給と割増賃金を合わせて80時間分なのか、この点も不明確です。基本給と固定残業代を分けて明示すれば明確になります。

初任給42万円という表示の仕方だと、基本給の部分と固定残業代の部分を分けて表示していないため、求職者に正確な情報が伝わりません。

事前に決めた月80時間を超えたときは追加で割増賃金を支給すると書かれていないところも求職者には不安です。固定の残業代で働かせ放題になるんじゃないかと思いますよね。判例では、固定残業代の設定が曖昧で、実際に労働者がどれだけ残業したかに関わらず、一定の額を固定残業代として支払っていたケースがあります。

固定残業代が実際の残業時間に見合った額であること。実際の残業時間で計算した時間外労働の割増賃金が固定残業代を超える場合は、追加の残業代を支払う必要があります。

固定残業代制を導入するときは、上記の3つの条件を満たすように労働条件通知書や雇用契約書、就業規則、賃金規定に定めます。

判例では、固定残業代が基本給に含まれていることが適切に区別され、労働者に明確に説明されていなければ、その有効性は認められないとされています。基本給と固定残業代の内訳が分かるように求人情報を記載し、労働条件通知書や雇用契約書でも固定残業代と基本給が明確に区別するよう書面を作成します。

基本給を減らして、減らした分を固定残業代に回して賃金の総支給額を変えないようにして裁判になった例もあります。賃金体系を変更した後、基本給が以前よりも低く設定され、その代わりに固定残業代が高く設定されることで、総支給額を変えずに残業代の支払いを避ける試みが問題となりました。

固定残業代制度で残業を減らす

予め80時間分の固定残業代を払うわけですから、もし1ヶ月の時間外労働が60時間だったとしても事前に決めた80時間分の固定残業代を支払います。そのためなるべく残業をせずに仕事を終える方が労働者には有利です。

より短時間で仕事を終わらせるインセンティブを与える効果が固定残業代制にはあります。

例えば、「固定残業代80時間分の時間外手当として12万円を支給」と表示されていたら。

この固定残業代を割増賃金とすると、基本賃金の25%が12万円になりますから、1時間あたりに換算すると1,500円です。ここから計算すると基本給は1時間あたり6,000円。

この人が時間外労働した場合、基本給が6,000円と割増賃金が1,500円ですので、1時間あたり7,500円の賃金になります。

もし、1ヶ月の時間外労働が60時間だと、1時間あたりの固定残業代は2,000円。残業すれば基本給と合わせて1時間8,000円になります。

これならば「なるべく残業しないようにしよう」と思えますよね。

残業代を減らすために固定残業代制度を採用するのではなく、残業を減らすのが固定残業代制度の目的です。

欠勤した日に固定残業代を控除するには?

欠勤した日に固定残業代が控除されるかどうかは、就業規則や労働契約書の内容により異なります。労働者が欠勤した場合、その日数に応じて固定残業代も比例して減額されると考えますが、具体的な取り扱いについては、会社の規定を確認することが必要です。

固定残業代を欠勤控除する定めが就業規則や労働契約書で無ければ、欠勤でそれを減額すると賃金の全額払い(労働基準法第24条)に違反します。

そのため、欠勤日に定額残業代を控除するには、就業規則や労働契約書にその旨をあらかじめ定めておきます。

欠勤による固定残業代の控除を就業規則で定める場合、不利益変更とみなされる可能性があります。採用時の契約締結時に説明していればいいのですが、在職者には別途対応が必要です。個別に説明し、労働者の同意を得て欠勤控除の仕組みを実施します。休んだ日に応じた控除ですから同意は得やすいでしょう。

固定残業代の欠勤控除を就業規則で定める場合の一例

欠勤による控除
 労働者が欠勤した場合、欠勤1日につき、固定残業代の月額を所定労働日数で除した金額を固定残業代から減額します。

このような決まりが就業規則や労働契約書にあれば、欠勤した日の固定残業代を減額することができます。

祝日が平日と同じ出勤日で休日割増が付かないのが不満

祝日が平日と同じ通常の出勤日になる職場なので、祝日が休みになりません。このような不満を感じたことはありませんか?

祝日を休日にするか出勤日にするかは会社ごとに異なる

労働基準法で求められている休日は法定休日です。

労働基準法 35条
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。

法定休日以外の所定休日(契約で決めた休みの日)や祝日は、労働基準法では取り扱いが定められていませんので、会社ごとに労働条件通知書や雇用契約、就業規則でどのように運用するかを決めます。

職場によっては、土日が休みになるように祝日も休みになるところがあるでしょう。一方で、休日は土日で、祝日は平日と同じ出勤日となる職場もあります。

休日割増が付くのは法定休日に出勤した場合ですので、祝日に出勤すると休日割増は付きません。ただし、職場によっては、就業規則や賃金規定で、祝日に出勤したときは何らかの手当を付けると独自に定めているところもあります。

世間では祝日は休みだとイメージを持たれていますから、感覚として祝日は休みになるだろうと思うもの。学生の頃は、祝日は日曜日と同じものだと思っていましたからね。祝日は日曜日のようなもの、と感じている方は多いのではないでしょうか。

しかし、祝日が平日と同じ出勤日になってしまうと、ここは働きにくい職場だなと思われてしまいますし、働き続けたいと思ってもらいにくい職場になります。

祝日が出勤日だと休みがなくなって損した気分になる

例えば、5月に祝日が3日あったとして、5月3日 火曜日、4日 水曜日、5日 木曜日、この3日間が出勤日になると、本来だったら3連休になるところ平日と同じように出勤です。世間が休みムードになっていると、なおさらモヤッとした気分になりますね。

本来なら休めるはずだったところ出勤になったわけですから、損した気分になります。休日がなくなってしまったと感じますよね。

人は得るものよりも失うものに敏感な生き物です。本来だったら祝日は休みになっているはずなのに、仕事になると3日分の休みを失った感覚を持ってしまいます。

では、どうすればいいか。工夫のしどころですね。

祝日が出勤日なら他の日に休みの日を振り替える

上記の例では5月3日から5日までの3日間が祝日で、そこが平日と同じように出勤日になるため、3日分の休みを別の時期にずらして取れるようにします。

例えば、祝日振替特別休暇という名称で、祝日が平日と同じ出勤日になった場合に特別休暇として別の時期に取れるようにします。

5月には3日分の祝日がありますから、それを前倒しして3月や4月に特別休暇として取ることができます。さらに、5月の翌月以降、6月や7月に特別休暇を取るのもいいでしょう。ゴールデンウィークを避ければ混雑も避けられますから良いですね。ピークを避けると旅行代も少し下がるのでは。

他にも8月のお盆休みと合わせて特別休暇を取るのも良いでしょう。8月のお盆休みは必ずしもカレンダーでは連休になっていないこともあります。連休の間の平日に祝日振替特別休暇を入れれば、お盆を連休にすることができます。休みの隙間を特別休暇で埋めます。

年間で16日の祝日がありますから、祝日振替特別休暇も16日分使うことができるでしょう。

祝日振替特別休暇を使う条件は、就業規則で独自に定めます。

祝日の振替ですから、あまり前後の期間を開けないようにするのも工夫の1つです。「祝日が属する日の前月から翌月までの間に特別休暇を取得する」とすれば、祝日からあまり時間を空けずに休みを取れます。

祝日振替特別休暇をいつまでに取得するか、期限の設定が必要です。ここも会社ごとに工夫して決めることができます。

祝日振替特別休暇の取り扱いについて労使協定を結んで、どの時期に祝日振替特別休暇を使うのかを定めるのもいいですね。

個人別に祝日振替特別休暇を使うようにすることもできますし、年次有給休暇の計画取得のように、年間カレンダーを見て、労使協定であらかじめ特別休暇の取得時期を決めておくこともできます。年間16日分をあらかじめ割り当てて運用する方法です。

祝日を平日と同じ出勤日にしてそのままにするよりも、他の時期に祝日の代わりとして特別休暇を取れるよう工夫しておけば、働く人にとっては魅力的な職場になりますよね。

働きやすいな、働き続けたいなと思ってもらえる工夫を積み重ねていくのが労務管理では大事です。

祝日を活用して働きがいのある職場を作りたいと思われたら、お問い合わせください。制度設計から運用までお手伝いさせていただきます。

振替祝日制度で祝日が出勤日となった際に振替で休日を設ける利点

一例として、振替祝日制度という名称で、祝日が潰れないようにすると、良い影響を与える可能性があります。以下の理由から、従業員の満足度やエンゲージメントが向上することが期待できます。

働き方の柔軟性の向上

振替祝日の制度は、任意で日程を決めることができるならば、従業員にとって休暇の選択肢を広げることになります。自分の都合に合わせて休みを取れることは、仕事とプライベートのバランスを取りやすくするため、エンゲージメントが高まるでしょう。

公平感の向上

祝日を出勤日とする場合、他の日に休める権利を与えることで、他の従業員とのバランスを保つことができます。これにより、従業員が「自分だけ損をしている」と感じることが少なくなり、モチベーションの低下を防ぐことができます。祝日に休む人と出勤する人が分かれる職場では効果があります。

祝日に出勤する人のストレス軽減

振替祝日を提供することで、祝日に仕事をしなければならないというストレスを緩和する効果があります。従業員が適切なタイミングでリフレッシュできることにより、長期的なパフォーマンスやモチベーションの向上が期待できます。リフレッシュできる機会が増えれば、疲労を蓄積させることなく効率的に仕事を進めることができ、結果として業務の質も向上します。

お盆や年末年始に祝日を移動させる

連続で休みを取る時期であるお盆や年末年始に振替祝日分の休みをスケジュールに組み込むと、より長期の連休にできますし、暦通りの祝日のようにスケジュールがバラバラになりません。

従業員の計画的な休暇取得が容易に

お盆や年末年始は、多くの従業員にとって長期休暇を取りやすい時期です。この時期に振替休日を組み込むことで、休暇の計画がしやすくなり、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなります。

集中して休める期間を確保

祝日がバラバラに取れるよりも、まとまった休みがあることで、リフレッシュ効果が高まります。連続休暇により、従業員はより集中して休むことができ、ストレス軽減やパフォーマンス向上につながるでしょう。

繁忙期や静かな時期に合わせた効率的な運用

お盆や年末年始は、業務が落ち着く会社も多い時期です。業務が減る時期に休暇を集中的に取らせることで、業務への影響を最小限に抑えつつ、従業員が十分に休める環境を提供できます。

制度の透明性・一貫性の確保

「振替祝日制度」という明確な名前で、祝日が消えてしまわないことを従業員にアピールすることで、会社の姿勢を明確にし、従業員に対する信頼感を高めることができます。求人情報にも「祝日出勤がありますが、振替祝日で休みを取ることができます」と伝えれば、魅力がある職場だと感じますよね。

残業代は出ない 職場の飲み会に参加する人を増やすにはどうすればいい?

今回は、職場の飲み会への参加者を増やす方法を考えてみましょう。

任意参加の飲み会でも残業代が出ないなら参加しない人

職場で飲み会をするとなると、強制的な参加を求めると仕事の時間になり給与を支払わなければいけない イベントになります。 しかし、任意で参加する飲み会であるならば、給与は出ませんし残業代も出ません。

ここで問題になるのが、考え方の違いです。

残業代が出ないから飲み会に参加しないのはあなたにとって良くないよ、人間関係で損をしちゃうよ、と考える人がいる。

他方、職場の飲み会なのだから、任意だとしてもそれは実質的に仕事になるんじゃないか、仕事の延長線上になるんじゃないか。 任意だと言っても参加するようにプレッシャーをかけてくるんじゃないかと考える人もいる。

人間関係には対価のある人間関係と対価のない人間関係があります。

対価のある人間関係というと仕事上の取引先です。対価のない人間関係というと、一番の例は家族です。

対価がない人間関係の見返り

対価がないのだから任意であっても飲み会には参加しないと考える。確かに職場の同僚や上司がいるような飲み会だと、参加者からしたら仕事の延長線上でやってるんじゃないかと思えてしまうのも分かります。

一方で、対価を伴わない付き合いは、思いのほか人間関係では重視される傾向があります。家族との関係は大事ですし、重要なものです。

報酬が付いた関係だと、やらなければいけない、やらされているという感じがあります。対価がない形で付き合うと、自主的にその人間関係を構築しようと行動していますから、相手に対してより親密で、好意を抱きやすい可能性があります。

家族の関係には対価がないのですが、好意や親密さは他の人との関係よりは強いのではないでしょうか。

考えが対立するなら工夫して解決する

残業が残業代が出ないんだから任意であっても飲み会には参加しません。確かにこういう考え方は正しいです。

対価のない形での人付き合いは大切だよ。 残業代が出ないからといって飲み会に参加しないのはあなたにとって損になるよ。こういう考え方も正しい。

この場合、自分の立場で主張するだけだと喧嘩になります。

職場の飲み会への参加者を増やす方法

互いの立場をすり合わせて工夫すると上手な解決策が思い浮かびます。

例えば、任意で開催する飲み会に参加する人を増やしたい場合は、参加した人、1人あたり1000円を会社が補助する。参加者全員を対象にしているので会社の福利厚生費として扱えるでしょう。

さらに、飲み会に参加してもお酒を飲まなくてもいいよ。ソフトドリンクでもOKとしてあげる。

1人当たり1000円の補助が出て、ソフトドリンクでもいい。この2つのオファーを用意すれば飲み会への参加者は増えるでしょう。

時間帯を分けるのも良いですね。夜だと家の用事がある方は参加しにくいので、平日は夜に飲み会を設けて、日曜日は昼に開催すると、参加者を増やしやすいですね。

残業代が出ない飲み会であっても参加した方がいいよ。参加しないのはあなたにとって損だよ。こういう説得だけだと人は動きにくい。

人を動かすには何らかの動機が必要ですので、それを用意する工夫をするといいでしょう

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