あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます

問題解決の連続。それが労務管理。

仕事のハテナ 17のギモン

 

労務管理は問題だらけ。

問題だらけなんて、いきなり何を言うのかと思うでしょうが、これは本当のこと。といっても、いわゆるブラック企業だらけとか、法律なんて知らんぷりするような企業が跋扈していると言うつもりはないんです。


言いたいのは、労務管理というのは、問題解決の連続だということ。答えが1つに定まらないイレギュラーな問題がちょくちょくと起こるものなのです。



決まったことを決まったとおりに処理するルーティンな仕事も多々ありますが、「こりゃあ、困ったな」、「今までに考えたこともないな」、「こういう場合はどうやって判断したらいいんだ?」という場面に遭遇するはずです。まさにアドリブが求められる場面ですね。


会社の中での実務だと、毎月の給与計算だとか、賞与の支払いだとか。雇用保険料、社会保険料の控除、さらに、社員が新しくい入ると公的な保険に加入する手続きもあります。退社する場合は、健康保険証の返却や保険からの資格喪失手続きもあります。

毎月、もしくは決まった時期に必要な事務的な手続きならば、やり方を覚えてしまえば難なく対応できます。何回か経験すれば分かることならば、悩むことはあまりないですし、困ることも少ないでしょう。



仕事をしていると、身近に起こりうる疑問や悩み、問題を解決するのがこの本の目的です。ただ、解決するといっても、1つの疑問なり問題に対して答えが1つとは限らないものですから、数あるうち1つの答えを提示するのが私の役割です。

専門家の仕事は、問題を解決すること。私はそう思っています。すでに対処法が分かっていることならば自分でも対処できますし、専門家が出てくる幕ではありません。例えば、先程書いた給与計算。会社の事務を担当している社員さんでもできることですから、こういう作業に専門知識は要らないでしょう。他には、雇用保険の加入手続きや社会保険の加入手続きも難しいものではなく、書類を書いて、必要な添付書類をセットにして窓口に出せば終わりです。

やり方を知っているならば、それはもう知っているとおりに処理してしまえば済みます。しかし、いつも通りのやり方では対処できない問題に遭遇したらどうするか。ここが人間の力の見せどころ。

労務管理も含めて、仕事とは、問題解決の連続です。「仕事とは何ですか?」と聞かれたら、私ならばこのように答えます。問題を解決することです、と。つまり、問題を解決するのが仕事であって、それは労務管理に限らず、他の仕事でも同じです。

病院での仕事は、病気や怪我という問題を解決しています。八百屋さんでは、色々な野菜や果物を集めて、手頃な値段で売るという形で問題を解決しています。また、魚屋さんも八百屋さんと同じです。


この本で採り上げた問題は17個あります。

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:高校生は夜遅くまで働いてもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?
Q:残業代を払えば、何時間でも残業してもいい?
Q:休みの日に仕事をしたのに休日手当が無い?
Q:皆勤手当を作ろうと思うけど、作っていい?
Q:半日有給休暇や時間単位での有給休暇を導入すべき?
Q:誕生日休暇を作ってもいい?
Q:学生は労災を使えない?
Q:着替えの時間は仕事の時間に含むの?
Q:学生に有給休暇は無い?


いずれも労務管理で身近に起こりそうな問題点を集めました。書類を作成して手続きするのも労務管理のうちですが、答えが1つに定まっていない問題にどうやって対処するか。この点を本書では書いています。

仕事のハテナ 17のギモン

仕事のハテナ 17のギモン

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。

選ばれる会社

 

職場では学生はいい加減に扱われる。私が学生の頃に感じたことですが、これは2019年現在でもそう変わっていないようです。

ワンオペだの、ブラックバイトだの、契約していない時間まで働かされただの、休憩が取れないだのと情報が時折流れて、「あぁ、まだこういう状況なのか」と。

90年代や2000年代の初め頃に比べると、若干は変わりつつあるのかもしれませんが、まだスッキリしない感じ。

 

学生のアルバイトも他の社員と労務管理は同じ

法律では学生も他の社員も同じように扱われており、職場での扱いも同じです。

しかし、「学生は他の人とは違う」というイメージがあるのか、不遇な扱いを受けやすいようです。他の人よりも劣っているわけではないのですが、「学生」という身分がそういう扱いを招くのでしょうか。

短時間労働者でも、学生だとアルバイトで他の方だとパートタイマーと分けて呼ばれたりしますけれども、どちらも同じパートタイマーです。

1日8時間働く方とは違い、4時間なり6時間という比較的短い時間の勤務で働かれている方は全てパートタイマーと扱われます。

学生でも、職場のオネーサマ方も、法的な扱いは同じなのです。18歳未満の方には若干の例外がありますが、それはごく一部分です。

 

労務管理を知らないのか。それとも知っていて無視しているのか

就労環境が悪いと、ブラックバイト、ブラック企業と言われ、さも酷い職場であるかのように言われてしまいますが、会社側もわざとそのような環境を作り出しているところばかりでは無いのではないかと思います(やや性善説的な立場)。

学生だから休みが少なくてもいいだろう、契約で決めていない時間や曜日に働いてもらってもいいだろう、有給休暇を与えなくてもいいだろう、最低賃金を下回ってもいいだろうと考えてしまい、間違った労務管理になってしまう。

故意に悪い就業環境を作り出すのは論外ですが、知らずに間違ってしまうのは起こり得ることです。本当に知らなかったのかどうかという謎は残りますけれども。

就労環境を整備するのは使用者の責任ですから、それが良くないものになったとすれば使用者の責任です(たとえ知らなかったとしても)。とはいえ、労務管理のルールを知らなければ、間違ってしまっても仕方ないもの。

 

労務管理に不備がない事業所の方が少ない

厚生労働省では過重労働解消キャンペーンという施策を毎年実施していて、法令に違反していないかどうかを知るため、事業所に対する調査を行っています。

その調査では、指導の対象になる事業数は、毎年約7割程度あります。つまり、調査対象となった事業所の7割では何らかの不備があったというわけです。

法令違反が7割といっても、その程度はそれぞれ違いがあります。これはさすがにダメだ、と考えられるものがある一方で、軽微な違反もあります。

重箱の隅をつつくように調査すれば、労務管理での不備はどこの事業所でも出てきそうですけれども、「ここは違反するわけにはいかない」というラインのようなものがあります。

例えば、時間外労働に対する割増賃金を支払っていないとか、タイムカードの記録に残らない形で残業をさせているとか、休憩や休日を与えずに働かせているとなると、さすがに知らないでは済まされないところです。

使用者の立場であれ、部下を持つ立場の人であれ、学生が同じ職場で働いているならば、知っておかないといけないルールがあります。

何の法令違反もないホワイト企業になるのはなかなか難しいものですが、働く人にとって就業環境は高い関心を集めるところですから、改善していきたいところです。

 

要求をゴリ押しすると周りの人は寄ってこない。人を動かすには「ニンジン」が必要

職場にいる学生というと、高校生、大学生が大半ですが、雇うとき、退職するとき、テスト休み、体育大会、文化祭、帰省、部活、サークル、ゼミなど、他の社員には無いイベントが多々あります。

自分自身が学生だとさほど自覚しないところですが、他の人が学生だと「学生は何かとよく休むな」と感じるもの。自分も過去に同じような立場だったはずですが、、、。

そのようなイベントに合わせて会社は勤務シフトを組まないといけないわけです。

学生の都合よりも職場の都合だ、という考えもありますけれども、辞められてしまうと次の人がなかなか入ってこないもの。「辞めてもまた雇えばいい」などと強気に言っても、簡単には新しい人は入ってこない。運良く入ってきたとしても、職場の都合を優先するところだと、せっかく入社しても早々と辞めてしまう。

こちらの都合よりも自分の都合をゴリゴリと押し付けてくる相手との関係は長続きしませんからね。会社側の方が立場が強いんだとの理屈で押していくと、働く側としては「こりゃあ、ダメだ」と離れてしまう。

 

人の感情を取り扱うのが労務管理。

ここから先は、キチンと労務管理する気がある方だけ読んで下さい。

学生だから適当に扱ってもいいだろう。
研修中は給与を払わなくてもいいだろう。
遅刻したら時給を減らしてやろう。
テスト休みなんて認めないぞ。
学生に有給休暇なんて使わせるもんか。

このような考えを持っている方には得るものがありませんから、『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』はおすすめできません。

ですが、「今は色々とダメなところがあるんだが、少しずつ就業環境を良くしていかないとな」と思っておられるとすれば話は変わります。

学生と職場の都合をどのように調整していくか。ここが考えどころです。どちらか片方を優先しても、もう片方から反発を受けて上手くいかないもの。

職場は人と人の感情が接触する場ですから、労務管理でも、それぞれの感情をいかに調整していくかがポイントになります。

学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』

 

学生のアルバイトがアホだと思うなかれ。

相手が学生だからといって、法律なんて知らないだろうと思い、無茶な扱いをする。最も良くないのがこの対応です。

確かに細かい法律について学生は知らないかもしれませんが、「何となくヘンだよね」ぐらいは感じ取れます。ポケットにはスマホがありますから、分からないことがあればすぐに検索して調べる習慣が身についています。さらには、SNSで「これっておかしくないか」と疑問を投げかけるような投稿をして、他の人がそれに賛同するかのように反応していく。

それゆえ、相手が学生だからといっていい加減な対応はできないのです。使用者と労働者の間にある情報の非対称性は以前に比べて小さくなっており、相手は知らないだろう、という前提で接するのはもう無理ではないかと。

学生の立場からも知っておきたい点も『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』では説明しています。会社の中の人だけでなく、学生の方が読んでも得られるものがあるように書いています。

 

調べる手段が乏しいと情弱に。スマホは遊び道具じゃない

筆者が高校生の頃は1990年代で、労務管理も大雑把な時代でした。

インターネットはまだ黎明期でしたし、PCが個人向けのものでも1台100万円ほどの価格で、気軽に購入できるものではありませんでした。個人が購入できるPCがお店に出回り始めたのは確か1994年ぐらいだった記憶があります。とてもお小遣いやお年玉で買えるような代物ではなく、コンピューターを持っている人はごく少数でした。

仮に高価なコンピューターを持っていたとしても、その用途は限られていて、定額で高速なネット接続など無い時代でしたから、ダイヤルアップ接続で遅い通信速度でネットを利用するか、文書作成で使うか、まぁ宝の持ち腐れに近いような状態だったんです。

ネットに接続しなければ、コンピューターなんてその価値の半分どころかそれ以下の価値しか生み出せません。

もちろんスマートフォンなんてありません。ネット回線も、ワイヤレス接続が当たり前の生活とは違い、LANケーブルをPCに差し込んでネットに繋げる方法しかありません。無線接続しか知らない方だと、LANケーブルすら扱ったことがない方もいるのでは。

PC本体の処理速度は遅く、通信速度も遅いものでした。しかも、遅いくせにネット接続は高価で、使えば使うほど料金が上がっていくようなプランもありました。月額2,000円程度で使い放題など、夢のまた夢。

何かを調べたいと思えば、本屋か図書館にいかなければならず、思えば実に不便な時代でした。労働法がどんなものか。どういうルールで職場が回っていないといけないのか。それすら知るのが困難でしたからね。

じゃあ図書館に行ってまで調べるのかというと、そういうことをする気にもなれない。労働関連の法規などというお硬い内容を図書館に行ってまで調べるなんて、もはや学生ではなく学者の所業ですよ。

そんな時代に比べて、本当に便利です、スマホは。小さくて持ち歩けるし、通信速度も十分に早い。知りたいことをすぐに調べられる。調べる道具としては申し分ないものです。

スマホでゲームやSNSをやって命を無駄遣いしている暇はないんですよ。学生には。

 

高校生が深夜労働。契約は口約束。ブラックな環境で働く学生

18歳未満の高校生は22時までしか働けないのですが、居酒屋で0時30分まで働かせるところもありました。当時はそんな決まりがあることなど知らず、「給与が出るならば何時までも働けるのかな」ぐらいにしか思っていませんでしたが、それはダメだったんですね。

とはいえ、日付が変わる時間まで高校生が働いているなんて、若干の違和感のようなものはありました。しかし、当時は高校生でしたし、法律だの労働法規だの、全くと言っていいほど知らないものですから、どうしようもなかったんですね。

お店の店主も、給与はちゃんと払っているから問題ないだろうと考えていたのかもしれません。ちなみに、深夜割増賃金も出ていませんでしたからね、そのお店では。

採用時も、契約書を作らない会社ばかりでした。学生の頃は、何十もの職場を経験しましたが、契約書らしきものを作っていたところは無かったと記憶しています。

どこの会社でも、履歴書を持っていって、面接して、それで終わり。契約書の「け」の字も無いと言っていいぐらいです。ほぼ口約束で働いていたようなもの。

こんな職場もありました。私が大学生だった頃、一度辞めた職場だったのですが、戻ってきたら時間給は1,250円出す、と電話で伝えられたので、じゃあ行くかと。

ところが、働き始めると、1,250円なのは最初の1ヶ月間だけで、翌月からは1,000円に変えられていました。以前働いていたときは1,000円でしたから、その水準にしれっと戻したのでしょう。

給与明細を見て気づいたのですけれども、確かに時間給は1,250円でしたし、それがいつまでという条件は不明のままでしたから、会社としては何か不備があるわけでもない。

その会社も契約書を作らないところでしたし、その時の条件も電話で話して合意しただけです。ずっと1,250円とは言っていなかったですから、私としては「やられた」という気分でした。もはや羊頭狗肉と言ってもいいんじゃないかと。

時給1,250円で働くのだと思っていたのですが、まさか最初の1ヶ月間だけだとは。こういうとき、何か文句を言っても契約書が無ければ話になりません。書面で賃金と契約期間を確定させておけば、状況は変わっていたのかもしれません。

とはいえ、「契約書を、、」などと言っても作ってくれそうな会社ではなかったですが。

 

働く条件を契約書に残さないと相手の好き放題に。

契約は約束を文書にしたもの。例えば、リンゴを1箱5,000円で仕入れると約束したのに、後日、実際に仕入れる段階になると、1箱3,000円に条件が変えられていた。

リンゴを仕入れる側からすると値段が安くなって嬉しいのですが、売る側からすれば困りもの。

「1箱5,000円という約束だったのに、3,000円で売るとは決めていなかったはずだ」と売り手は買い手に言うでしょうが、「そんな約束はしていない」と買い手がふんぞり返ったら厄介です。

時給1,250円だと勝手に思い込んでいても、契約書が無ければ、相手の都合が良いように解釈されてしまう。契約書を作らない会社側が良くないですが、それを許した私にも落ち度があります。

 

学生が好む職場はどんな職場?

雑に扱われるものです、学生は。法律では他の社員と同じように扱われるのですが、世間ではなぜか学生は特別扱い(良くない意味で)されているようで、彼らに無茶振りしてもいいだろうと思っている人がいます。

会社側、学生側、お互いに労務管理のルールを理解していないのが原因ではないかと思いますが、知らないと言っても許してくれないのが法律です。

働く人が好む職場はどういう職場かというと、変なことをしない職場です。何か理由を付けて罰金を取るとか、商品を買い取るノルマを課すとか、出勤日や休みの日を一方的に変えてくる。こういうおかしなことをする職場に人は寄ってきません。

給与に対する不満はさほど大きいものではなく、給与以外の人間関係や職場のルールに不満を感じやすいもの。給与が良くても、変な上司や同僚がいたら働きたくないでしょうし、訳のわからないルールがあっても働く気が失せます。労働力と賃金を単純に交換するだけが仕事ではないのです。

自分が中心になって働く自営業。家族だけで営業しているお店や会社。そういう環境ならば、好きなようにしてもヤンヤヤンヤと言われません。休憩無しで働いてもいいですし、長時間労働しても誰も止めません。残業代なしで働くのもありです。自ら責任を取れる範囲内ですから、そういう働き方も可能です。

しかし、他人と一緒に働くとなったら話は別です。使用者の都合だけで労務管理できるものではなくなりますし、働く人の感情を考えて対応していく必要があります。

学生を採用してもどんどん辞めて、穴の空いたバケツで水をすくうような職場ではなく、当たり前の労務管理が当たり前になる職場に変わるよう願って書いたのが本書です。

 

【目次】

1. 大学生でも年金に入るの?
2. まだ20歳になっていないけれども年金に入るの?
3. 1日に2回出勤したら残業代はどうなる?
4. 履歴書と面接だけで採用していいの?
5. 退職届を会社で用意して、退職する手順をわかりやすくする。
6. 辞めたいなら代わりの人を連れてきて?
7. 早く出勤して準備しても給与は出ない?
8. テスト休みに有給休暇を取れる職場は学生にとって魅力的。
9. 学生に労災は無い? 仕事中に怪我をしたら健康保険を使って病院に行くの?
10. 学生に有給休暇は無い?
11. 有給休暇の予定を変えられた。
12. 学生も残業していいの?
13. 学生でも残業代は出る?
14. 休みの日に働いたけど休日手当が出ない?
15. 学生が働ける時間に上限はある?
16. 高校生が夜遅くまで働いてもいい?
17. 学生が朝早くから働いてもいいの?
18. 夏休みにガッツリと働いてもいい?
19. 研修中には給与が出ない?
20. 1日でバイトを辞めたけど、給与は出るの?
21. 売れなかった商品を買い取らないといけない?
22. 交通費を受け取りながら自転車で通勤するズルい人。
23. 出勤していきなり休憩、仕事が終わってから休憩。
24. 欠勤したら罰金を取られた。
25. テスト休みを取ったら時給を減らされた。
26. 仕事中に物を壊して弁償させられた。
27. 「もう来なくていい」と一言だけで解雇された。
28. 休憩なしで働いて給与を増やしたい。
29. 休憩時間中なのに仕事をしていいの?
30. タイムカードを使わなくてもいいの?
31. 暇だからといって、早退させられた。
32. 始業前、終業後に仕事。タイムカードに記録されない時間。
33. 勤務シフトを会社が一方的に変更してきた。
34. 着替える時間に給与は出る?
35. 学生の特権? 通学定期で職場まで行く。

学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』

 

健康保険料と介護保険料を調べるための一覧表

社会保険料を確認

協会けんぽ 健康保険料 一覧表 2021年度版(R3/4 - )

健康保険の保険料と標準報酬月額を調べることができます。

都道府県別の健康保険料を調べるための一覧表 2021年度版 介護保険料をセットにしたもの(R3/4 - )

40歳以上の方が健康保険に加入しているときは、介護保険料を含んだこちらの一覧表を使えます。

厚生年金の保険料を調べるための厚生年金保険料の一覧表(H29/9 - )

2017年の9月から有効な厚生年金保険料の一覧表です。厚生年金の保険料は固定されており、2021年度も内容は同じです。

2021年度(令和3年度)の雇用保険料

2021年の4月1日から2022年の3月31日までの雇用保険料です。

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交通費浮く!1日乗車券の方が切符やICカード乗車券より安い 通勤手当の不正受給になる?

切符やICカード乗車券よりも1日乗車券の方が安いならば交通費は浮く

通勤手当として支給される金額よりも1日乗車券の購入金額の方が安ければ、切符を購入したり、SuicaなどのIC乗車券で電車に乗るよりも1日乗車券を購入して通勤する方が安上がりになります。

ちなみに、通勤手当をどのように計算して、いくらの金額で支給するかは会社ごとに基準が決められています。

税金でも通勤手当に非課税限度額が設けられていますから、その非課税限度額の範囲内で交通費を全額支給する。このような通勤手当の支給条件にしている会社もありますよね。

No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当(国税庁)

通勤定期券を買ってもらう職場もあれば、出勤するごとに切符を買ってもらう(もう少数派ですかね)、ICカード乗車券を使ってもらうという職場もあります。

どこの鉄道会社や路線を利用するかにもよりますけれども「1日乗車券」というのが販売されていることもありますよね。

例えば、1日乗車券が800円で販売されているとして、この1日乗車券を買えば1日中乗り降り自由ですから、自宅の最寄り駅から職場の最寄り駅まで電車に乗って行くことができます。帰りもこの1日乗車券を使って電車で帰ることができます。さらに途中下車してお店に立ち寄ることもできるので便利なものです。

自宅の最寄り駅から職場の最寄り駅まで、仮に切符やICカード乗車券だと運賃が1000円かかるとしましょう。往路で500円、復路で500円、往復で合計1000円。

切符なりIC カード乗車券で電車に乗ると往復で1000円かかります。一方で、1日乗車券を使って往復すれば1日800円で足ります。

となると、切符なりIC カード乗車券で電車に乗るよりも1日乗車券を買って、それで電車に乗って行った方が安上がりですよね。

もし、この会社で就業規則や賃金規定、通勤手当規定などに基づいて通勤手当が実費支給で支払われるものだとして、切符やICカード乗車券で電車に乗った場合の金額で通勤手当を支給してるとすると、1回出勤するごとに1000円の通勤手当が支給されます。切符やICカード乗車券での運賃を基準に実費を算定しています。

通勤手当は1回出勤するごとに1000円ですから、ここであえて切符やIC カード乗車券を使わずに1日乗車券を買って通勤したら差額の200円が本人のものになります。

ここで問題になるのが浮いた200円です。

200円ぐらい、いいじゃないか。電車で実際に通勤しているんだし。と考えるのか。

いや、通勤手当は実費支給で支払われるものだから、金額を浮かせるようなことをしちゃいけない、と考えるのか。

判断が分かれて悩む所ですよね。

通勤手当の支給条件は会社ごとに決めるもの

この差額の200円が通勤手当の不正受給になるのかどうか。それとも誤差と考えて対応するのか。

通勤手当の計算根拠が自宅の最寄り駅から職場の最寄り駅までの乗車券代で算定されているならば、会社は通勤手当を1000円支払う必要があります。支払う根拠がありますので。

一方で、労働者側は、受け取った通勤手当でもって通勤費用を賄いますけれども、電車に乗って通勤すればいいのであって、必ずしも切符やICカード乗車券を利用することを求められていないならば、1日乗車券を購入して通勤してもいいわけです。

おそらく会社としては客観的に調べられる方法、ネットで検索すればこの駅からこの駅までの運賃がいくらかかるかは調べることができますから、その金額でもって通勤手当の支払い根拠とします。

ですから会社としては、就業規則や賃金規定もしくは通勤手当規定といったものに基づいて通勤手当を支払えば、切符であろうがIC カード乗車券であろうが1日乗車券であろうが、電車に乗って通勤してくれればいいという解釈もあります。乗車する手段までは指定していないならば。ところで、青春18切符の残数で通勤するなんて人はいるのでしょうか。さすがにいませんかね。

差額の200円は発生しますけれども、この金額を不正受給と考えるか、他方でその程度の金額ならばあえて放置するのも判断としてはあります。非課税限度額の範囲内ならば、細かい金額を問い詰めなくても非課税にできますから、会社としても僅かな金額のために熱心に調査はしないでしょう。

1日乗車券を使うところまで想定して通勤手当に関する規定を作るなんてことはおそらくないでしょうね。

切符やICカード乗車券で通勤した場合の費用よりも1日乗車券の金額が安くなるという関係が成立しないとできない方法です。「切符やICカード乗車券の運賃額 > 1日乗車券の購入額」になっていれば1日乗車券で通勤するのが合理的です。

仮に、切符やICカード乗車券で通勤した場合、往復で500円、つまり片道で250円だったとすると、1日乗車券は800円ですから、この場合は1日乗車券を買わずに切符なりICカード乗車券で通勤します。わざわざ追加の料金を払って1日乗車券を買う人はいません。

小さな金額のために調査して本人を問い詰めて、不正受給として対応していく必要があるのかどうか。そこまで手間や時間をかけてまで対応していくようなことなのかどうか。

手間や費用を考えつつ、どこまで対応するのかは会社ごとによって違います。

切符や ICカード乗車券ではなく1日乗車券で通勤する方法もあるんだなと、その方法について会社が把握しておいて、あえて差額が発生しているという点については問い詰めないようにして様子を見ておくのも労務管理上の対応としてはあります。

電車で通勤すると申告しておきながら通勤手当を受け取り、実際は電車には乗らずに自転車で通勤しているのは不正受給として対応します。しかし、1日乗車券で通勤しているならば、電車に乗っていることは確かですし、交通費も支払っています。実際に電車代も支払っているわけですから、不正受給として対応するのかどうかは人によって判断が分かれます。

誤差と考えてあえて問題としないのか。
1日乗車券で通勤しているならば、その購入代金で通勤手当を支給するのか。

不正受給と判断した場合は金額が小さくても懲戒解雇、こういう対応をする会社もあります。 お金に関する不正に対して厳しく対応する会社だと、小さな金額であっても懲戒解雇として処分される可能性があります。

通勤手当を支給するかどうか、その支給条件をどうするかは会社ごとに決めることです。

1日乗車券を購入して通勤したことに対してどういう対応を取るかは会社で決めた規定類、就業規則や賃金規定、通勤手当規定といったものに基づいて判断することです。

通勤手当を含めてラクに給与を計算してくれる給与計算ソフトは?
通勤手当だけでなく各種手当には、残業代を計算するときに含める手当と含めない手当があって、そういった区別をしていかなければいけないのが給与計算ですから、自動で楽に給与を計算してくれると助かります。
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