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バスに乗るために無断で早退 雇用契約を調整すれば対処できる問題

バスに乗る

 

5分前に無断早退147回「バス乗るため」 市職員処分

 埼玉県川口市教育委員会は28日、帰宅するバスに間に合わないと5分だけ無断早退を繰り返していた生涯学習部北スポーツセンター主査の男性職員(41)を同日付で減給10分の1・1月の懲戒処分としたと発表した。

 市教委によると、この職員は昨年1月10日から今年2月26日までの間、上司の許可を受けずに147回、無断で早退したという。理由について帰宅するために乗るバスが30分に1本しかなく、終業時刻の午後5時15分だと間に合わないためと話しており、5分前の同5時10分に早退することを繰り返していたという。 

 

 

無断で早退した原因は?

2019年6月、埼玉県川口市にある公的施設で働く方が、帰宅の際に乗るバスに乗るために無断で早退していたとの報道があり、懲戒処分を受けました。

ニュースの内容は検索するとその内容が分かりますが、バスに乗りたいがために無断で終業時間を早めていたとのこと。

「無断で早退するなんてケシカラン」と反応する方もいるでしょうが、雇用契約を調整すれば起こらなかった問題です。

 

 

働く時間は雇用契約で調整できる

雇用契約の内容を調整して、例えば、始業時間を30分早めて、終業時間も30分早める。これならば、希望のバスに乗ることができますし、無断早退にもならないでしょう。

「終業時間を早めたら早めたで、バスに乗る時間も更に早めようとするのでは?」という懸念もありますが、今回のような結果にはならなかったのではないかとも思えます。


公的機関では、全員一律の雇用契約にしてしまっているのか、個人別に契約内容を調整せずに締結しているのではないかと想像します。

事業所のルールなり決めごとは、就業規則と雇用契約でその内容を決めていくものです。

就業規則が「会社全体」に適用されるルールで、雇用契約は「個人別」に適用されるルールになります。

帰りのバスの時間に合わせたいならば、雇用契約を調整して、就業時間を前倒しすれば、対応できるでしょう。

 

フレックスタイムでバスに乗る時間に合わせる

もしくは、フレックスタイム制を採用し、始業時間と終業時間に幅をもたせて、バスに乗る時間に合わせられるようにするのも一案です。

所定労働時間や勤務する時間帯が固定されていて、雇用契約で個人別に調整できないようになっているとすれば、それが無断早退の原因の1つになっていると思えます。


フレックスタイム制を採用して、始業時に1時間のフレキシブルタイム、終業時にも1時間のフレキシブルタイムがあれば、バスに乗る時間に融通を利かせることもできるでしょう。


無断早退に対する非難が多く集まりそうですが、全員一律の雇用契約にせず、就業形態に少し柔軟性をもたせるだけで対処できる問題です。

 

 

一石二鳥の効果がある在職老齢年金

働いて減るのは厚生年金。国民年金は収入に関わらず支給される

「働くと年金が減る」こういう話を聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。

年金を受け取りつつ、働いて収入を得ると、年金が減っちゃう。そういう仕組みがあるんです。それが「在職老齢年金」という制度。

在職老齢年金と聞くと、「ふーん、そういう年金があるんだ」と思ってしまうところですが、そうではありません。収入と年金を調整するのが在職老齢年金制度であって、いうなれば「年金額を調整する制度」と言っていいものです。在職老齢年金という年金が支給されるわけではなく、収入に合わせて年金額を調整しますよ、というのが在職老齢年金制度です。

小泉進次郎氏 子育て財源のため「年金返上を」と言い出した

子育ての財源のために、高所得者に年金を返上してもらうように求めていくとの話の中で、在職老齢年金という言葉が出ています。

働いていると年金が減るんだよね、とザックリと理解している方はそれなりにいらっしゃるでしょうが、働いて収入があっても年金が減らない人もいます。さらに、高所得者であっても、在職老齢年金制度による影響を受けずに年金を満額受け取る方法もあります。


まず知っておきたい点ところは、在職老齢年金制度で減額調整されるのは厚生年金だけということ。そのため、高収入であっても、国民年金は減額調整されません。仮に、年収3億円の人であっても、国民年金は減ること無く受け取れます。

さらに、障害厚生年金や遺族厚生年金も、収入に合わせて減額調整されません。在職"老齢年金"ですから、減額調整の対象となるのは老齢厚生年金(年をとってから受け取る年金)です。

「働いて減るのは厚生年金」ここは大事なポイントです。


会社に所属していると、経営者も厚生年金に加入します。社会保険では、専務や代表取締役なども社員と同じように扱われますから、健康保険や厚生年金に会社経由で加入しています。

収入がある水準を超えると、徐々に年金が減額され、さらに収入が増えていくと、年金の全額が支給停止される段階に達します。そのため、年収2,000万円とか5,000万円ぐらいの人だと、以前から厚生年金が支給停止され、0円になっているんですね。そのため、年金を返上したくても、受け取っていないわけですから、それができないのです。

ちなみに、国民年金(基礎年金とも呼ばれます)は収入に連動して減額されませんから、実際に支給されているのは国民年金だけ。

ただし、会社に所属していても、報酬を受け取らない名誉職(会長とか相談役)であるならば、厚生年金は減額されず支給されているでしょうから、返上は可能です。

また、仕事を辞めて厚生年金を受け取れば、在職状態ではなくなるので、在職老齢年金制度で年金はストップしません。この場合も、返上が可能です。


在職老齢年金の支給停止基準額が平成29年4月1日より変更になりました

ちなみに、在職老齢年金制度は年齢ごとに適用内容が分かれています。60歳代前半の方だと、まだ若いと扱われて、年金が支給停止される基準が厳しく設定されています。つまり、収入が少なめでも年金が減額されやすい。

一方、60歳代後半だと、徐々に働く人が減り、年金収入をメインに生活していきますから、支給停止される基準が緩くなります。つまり、ある程度の収入があっても年金が減額されずに支給されやすくなります。

 

 

高齢者を若年者に入れ替える効果がある

2021年に在職老齢年金制度を廃止するかどうか政府内で検討されているようですが、廃止されるからには何か良くない制度ではないかと思ってしまうのですは、本当にそうでしょうか。

厚生年金に加入した方は、将来、老齢厚生年金を受け取れるのですが、年金を受給する段階で、ある程度の所得と年金収入があると、年金の給付額が減額調整されます。これが在職老齢年金の仕組みです。

払った年金保険料を回収するのが目的だとすると、所得にかかわらず年金を受給できるべきだと考えます。この場合、年金が一種の貯蓄になっているような感覚になります。

在職老齢年金制度があれば、一方的に年金の給付を減らすのではなく、所得に応じて減額するため、加入者の納得を得やすい面があります。一律に20%カットなどとなれば、まず実現しませんが、所得に応じて減額となれば受け入れやすいものになります。

年金の給付を削減するとなれば、過去にも何度となく反発を招いてきたのですが、在職老齢年金制度は、年金の給付を抑制する制度であるものの、さほど大きな反発を招くこと無く運用されてきたように感じます。

「働けば年金が減らされるならば、じゃあ働かないでおこう」と判断する高齢者が出てくれば、雇用の枠が空きますから、若年者の雇用を増やすことができます。

年金の給付を抑え、高齢者を労働市場から退出させる。一石二鳥の政策となっているのが在職老齢年金制度とも思えます。しかも、年金の給付が削減されていると感じにくい。そう考えると、よくできた制度です。

「働くと年金が減らされる」と表現すると、さも悪い仕組みであるかのように思えますが、労働者を入れ替えて、年金の給付を抑制する、という点に着目すれば、年金制度にとっては必要なものだとも思えます。

年金以外にも2,000万円の金融資産が必要などという話もありますが、在職老齢年金制度は若年者にとってはむしろ歓迎すべき制度ではないかというのが私の考えです。

 

 

 

全ての年金受給者が在職老齢年金の対象になるわけではない。

年金減額

  

退職している人でなければ厚生年金は支給されなかった。


働いている人の年金を所得に応じて減額する在職老齢年金制度が早ければ2021年に廃止される、との検討が政府内でなされているようです。

「働くと年金が減らされるんでしょう?」というぐらいで理解している方も多いのではないかと思いますが、受給する年金額と、働いて得る所得の合計額で、年金額を調整するかどうかを判断するものですから、全ての人が一律に年金を減らされるというものでもありません。

60歳代前半の方だと、年金と所得をあわせた額が月28万円を超えると、所得の増加に合わせて年金額が少しづつ減っていき、一定水準を超えると、年金が全額カットされます。

60歳台前半(60歳から65歳未満)の在職老齢年金の計算方法(日本年金機構)


在職老齢年金制度で調整される額は、年金額と所得のマトリクスで決まりますから、所得が多くても、年金額が少なければ、減額は少ないものになります。逆に、所得は少ないが、年金額が多いと、年金が減らされる傾向があります。


本来、厚生年金は、働いている人に支給されないものでした。退職している人が支給対象で、働いている人は、61歳であろうと、66歳であろうと、厚生年金を受け取れなかったのです。これが昭和39年まで続いていました。ちなみに、厚生年金保険法が成立したのが昭和29年ですから、制度ができてから約10年間は、退職者だけが老齢厚生年金を受け取ることができたのです。

その後、昭和40年に、65歳以降の人が在職老齢年金の対象(働きながら厚生年金を受け取れる)になり、昭和44年になると、60歳代前半の人にも在職老齢年金が適用されるようになりました。

支給しないはずの年金を支給するから、「在職老齢年金」と呼ばれているわけです

「働いている人には厚生年金は支給されないもの」という点は筆者も長い間知りませんでした。昭和40年となると、筆者がまだ生まれていない時代でした。

以前は、「収入がある年金受給者の年金額を調整するために在職老齢年金制度があるのだろう」と考えていました。

昭和39年以前の「働いている人には老齢厚生年金を支給しない」というルールだと、厚生年金を受け取り始めると同時にスパッと仕事を辞める選択をする人が多数派になるはずです。

では、なぜ働いている人にも厚生年金を支給するようになったかというと、年金だけだと生活費としては不足するため、何らかの形で収入を得たいという要望があり、在職中でも厚生年金を受給できるように在職老齢年金制度が作られたのが経緯です。

 

 

 

退職者への年金が厚生年金だった。


退職した人が受給対象になる老齢厚生年金でしたが、在職老齢年金制度を廃止するとなれば、もはや「退職」は受給条件ではなくなるわけです。

在職中であっても満額の老齢厚生年金を受け取れる。2021年以降は、これが実現する可能性があります。

働くと年金が減るなら働かないほうがいいだろう、と考えるのは自然なことですし、合理的でもあります。

ただ、高齢者を労働市場から退出させる効果が在職老齢年金制度にはあり、その一方で、若い人が労働市場へ参入しやすくなるという効果も期待できるものだったのではないかとも思えます。

定年制度は合法的に高年齢労働者を解雇する仕組みとして機能していますが、在職老齢年金制度も定年制度と同じような効果を持つ制度なのではないかと。

労働力を入れ替えるという意味では、高齢者の就業意欲を削ぐ在職老齢年金制度にも意味があったのではないでしょうか。

とはいえ、支払ってきた年金保険料を回収したい高齢者からすれば、働いていようがいまいが、年金は減らさずに払って欲しいと思うもの。増やさなくていいから、少なくとも支払った保険料は回収できるようにしてほしいはず。

 

 


厚生年金に加入しなかった人は影響を受けない。


在職老齢年金制度は、厚生年金に加入していた人が対象になります。それゆえ、国民年金だけ加入していた人は影響を受けません。

公的年金は国民年金だけで、他の金融資産として株式や不動産などを持っている人は在職老齢年金について気にする必要はないでしょう。

極端に言うと、63歳で年収3,000万円だったとしても、受け取る年金が国民年金(老齢基礎年金)だけならば、年金は満額支給されます。

在職老齢年金制度による影響を受けるのは、過去に会社員だった人です。会社経由で社会保険に加入し、厚生年金保険料を払っていた場合は、年金を受取る段階で在職老齢年金制度の対象になります。

一方、国民年金だけ加入していた自営業の人は影響はありません。

国民年金は別名、基礎年金と言われており、生活の基盤になる年金であるため、どれだけの所得があっても減らされないのです。

一方、厚生年金は所得に比例する年金であるため、所得に応じて減額しても生活への影響は軽微だと考えられています。だから在職老齢年金制度でカットされるのです。

これを書いているのが2019年ですから、2021年まであと3年です。あと数年で退職する人でない限り、もう在職老齢年金について気にする必要はなくなるのかもしれません。

 

 

 

 

8月のお盆休みは年次有給休暇を消化するチャンス

 

有給盆休み

 

 

ゴールデンウィークの後はお盆休み 年休を一気に消化できる時期

2019年のゴールデンウィークは10連休で話題になりましたが、8月にもまた長い連休があるようです。

長い休みになると賛否両論ありますが、8月10日の土曜日から18日の日曜日まで合計9日、この期間が連休になるとのこと。

連休になると、道路が混んで、宿泊施設の料金も跳ね上がりますし、アミューズメントパークの待ち時間も長くなり、外出すると快適とは言えない状況になります。

時期をずらして休みを取れば、時間的にも経済的にも良いのでしょうが、あえてお盆時期を避けて連休を取るのも良いのではないかと思います。

 

 

 

お盆は年次有給休暇をまとめて消化するチャンス

8月15日前後が世間一般にはお盆時期ですが、この時期に合わせて年次有給休暇を使うのも一案です。

無休になっているお盆休みも、有給休暇を充当すれば、有給のお盆休みに変わります。


10日(土曜日)
11日(日曜日)
12日(月曜日)
13日(火曜日)
14日(水曜日)
15日(木曜日)
16日(金曜日)
17日(土曜日)
18日(日曜日)

もし、14日から16日までの3日間がお盆休みだとして、さらに土日が休みになると、12日、13日は休みになりませんから、ここに年次有給休暇を入れるのがまず1つの方法です。

すでに休みとして予定されている日はそのままにして、隙間の日を年次有給休暇に変えるわけです。これは「ブリッジホリデー」と呼ばれるもので、連休の中日に有給休暇を入れて、連休が途切れないようにする目的で使われます。


他には、普段から休みになっている土日はそのままにして、14日から16日の3日間に年次有給休暇を充当することも可能です。

お盆休みを設けるかどうかは事業所で任意に決められますから、もともとお盆休みとして具体的に日程を決めていない職場ならば、年次有給休暇の計画付与で盆休みを作ってしまうこともできます。

無休ところ有給の盆休みに変わるのですから、労使協定も締結しやすいのではないかと思います。

年に5日以上の年次有給休暇を取るように義務化されましたから、この点への対応として、お盆時期に計画有給休暇を入れるのも良いのではないでしょうか。


年次有給休暇の計画的付与制度の導入に向けて(岡山労働局)

年次有給休暇の取得が義務化された点については、中小企業も例外はなく、猶予期間はありません。そのため、2019年4月以降は、中小企業であっても、年休の義務化に対応する必要があります。

 

 

 

すでに休日になっているお盆休みを年次有給休暇に変えられるか

 以前から8月中旬のお盆時期は休みになっていて、この時期に年次有給休暇を充当することはできるのかどうか。

もともと休みになっている日を年次有給休暇に変えるとなると、「出勤日になっていない日には有給休暇は使えない」という話が出てきますが、法律で禁止されているわけではなく、どのように年次有給休暇を使うかは使用者と労働者で調整するものです。

ただ、週に1日は必要な法定休日まで年次有給休暇に変えることはできませんが、それ以外の週6日分を全て年次有給休暇に変えるのはOKです。

お盆休みは法定休日ではありませんから、そこに年次有給休暇を充当してしまっても、法律上、何らかの支障があるかと言えば、ありません。

労働者にとっては、無休の休みが有給の休みに変わるわけですから、むしろ有り難いぐらいです。

労働基準法は労働者を保護する法律で、労働者に有利になるような扱いを阻むものではありません。ならば、無休のお盆休みを有給休暇に変える取り組みに対して、労働基準法が否定的な扱いをするとは考えられません。

計画年次有給休暇は労使協定で事前にパーミッションを取りますし、また、個別に年次有給休暇を使う場合は使用者と労働者で調整が入ります。となれば、労働者側が何らかの不利益を被る可能性は低いでしょう。


半日単位や1時間単位で年次有給休暇を取るようなメニューもあるようですが、やはり3日や5日ぐらいまとまって休む方が休暇という雰囲気を味わえます。

 

 

年次有給休暇の管理にまつわる疑問と正しい対応例
働いてる人にとって年次有給休暇は関心を集めますから、労務管理でも疑問や問題が生じやすいところですよね。労務管理でもトラブルになりやすいのが年次有給休暇の取扱いです。ならば年次有給休暇についてキッチリしている職場にすれば、働いている人たちからの評価も上がっていくでしょうね。

 

大阪サミットで仕事を休みにしたら給与はどうなる?

 

Summit

 

 


道路を使えなくなる4日間。

2019年の6月27日から30日の日曜日まで、大阪のインテックス大阪を会場にG20サミットが開催されるため、大阪では交通規制が実施され、その時期の業務をどうするかが悩みとなっています。

幹線道路の道路上にある歩道橋や高速道路の入り口に取り付けられた電光掲示板には、大阪サミットで交通規制されるとの情報が5月頃からずっと表示されています。

 

G20大阪サミット 交通規制

出典:G20サミット交通規制路線(大阪府警察)

 

規制される路線の図を見ても、大阪で生活していないといまいちインパクトが分からないはず。

赤い線の部分が規制される道路なのですが、大阪市内の高速道路がほぼ使えない状態です。

大阪市内の高速道路といえば阪神高速。この唯一の高速道路を通れないとなると、普段からそこを走っている車が一般道に流れてきます。

阪神高速の1日あたりの交通量は約70万台強。この車両のほぼ全てが、6月27日から30日までの4日間、一般道に流れてくるわけです。


阪神高速道路 日平均交通量実績(阪神高速道路株式会社)

 

では、大阪市内の幹線道路は空いているのかというと、平日の朝と夕方はひどく渋滞しますし、それ以外の時間帯でも交通量は多いです。

そこにおよそ70万台の車両が流れてきたら、4日間はずっと渋滞したままになるのではないかと思います。

となると、車を使う商売には影響が出てきます。

 

 

 

サミットを理由に仕事を休みにしたら休業になる?

道路を利用する商売というと、タクシーやバス、トラックなど運輸業がありますし、販売する商品をトラックで運んでいる小売業もあります。

飲食業でも、材料を車で運んでいるでしょうから影響があるはずです。

道路が使えないからお店を開けられない。となれば、会社を休みにするという選択もあるかと思います。

では、この場合、会社を休みにすると休業になり、休業手当を支給する必要があるのかどうか。

労働基準法26条(以下、26条)では、使用者の都合で労働者を休ませると、仕事をしてもらっていなくても6割以上の給与を支給しないといけないと決められています。

例えば、今日は暇だから早退してと言って、予定の時間よりも2時間早く退社させると、2時間分の給与の6割以上を休業手当として支払う必要があります。

他にも、明日は仕事が無いから休みにしてと言った場合も、振替で他の日に出勤できるように手配しなかったとすれば、休業手当が必要になります。


使用者の責任で労働者を休ませれば、休業手当が必要ですが、G20サミットが開催されるため、通常通りの業務ができないので休みにしたとすれば、休業手当は必要なのかどうか。

サミットを開催するかどうかは使用者が決められるものではありませんから、それを理由に休業したとなれば、使用者の責任にはならず、26条の手当は必要ありません。

ただ、操業すればできるのにサミットにこじつけて休みにすると、使用者の都合で休業したと判断されます。

「道路を使えないと仕入れができないから、お店なんて開けられない」
「荷物を運べないなら仕事にならない」
「お客さんを乗せても渋滞で走れないなら商売上がったりだ」

こういう類の仕事ならば、使用者の責任にならない休業として休みにできます。

 

 


振替出勤や年次有給休暇で対処するのもあり。

6月27日から30日までの4日間を休みにする代わりに、他の休みの日を出勤日に振り替える。こういう対処法もあります。

出勤日が減れば給与も減るでしょうから、代わりの日に振替で出勤できるようにすれば、休んだ日を補填できます。

他には、年次有給休暇を4日間入れて休むのも一案です。

休業手当が出ないので、有給休暇を割り当てて給与が減らないようにする。6月は祝日がありませんから、6月末を有給休暇で4連休にするのも良いかもしれません。

 

 

 

 

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