残業というと、
「夜遅くに働く」
というイメージを持ちやすいもの。
18時に仕事が終わる予定が、
19時、
20時、
21時、
とズルズル延びていく。
終わりの時間を延長するのが残業。
これが一般的な感覚だと思います。
朝早く出勤すれば、残業にならない?
朝に残業する。
これは、なかなかイメージしにくいですよね。
「え? 朝に残業? いや、残業は夜でしょ」
と反応したくなる方もいらっしゃるのでは?
なんで明るい時間から残業なんだ、と
そう思う気持ちは分かります。
しかし、
世の中には
「早出残業」
というものがあります。
「はやでざんぎょう」と読むらしいですが、
職場によって名称は異なるかもしれません。
早く出勤して残業する。
それが「早出残業」というもの。
一般的な残業は、
「終わりの時間を延長する」
のですが、
早朝出勤なり早出残業は、
「始まりの時間を前倒しする」
もの。
法律では、
22時以降に働くと、深夜割増賃金が付きます。
また、
22以降、午前5時までの時間帯に働くと、
これに対しても深夜割増賃金が付きます。
「じゃあ、午前5時よりも前から仕事を始めれば、それが早出残業なの?」
はい。
確かに、それは早出残業です。
人によっては、早出残業とは言わずに、「深夜労働」と表現する方もいるでしょう。
「早出残業」という表現を使っていますけれども、実質は深夜労働として扱っています。
職場によっては、例えば、午前4時から仕事を始めて、昼前の午前11時に終わるとすると、深夜時間帯が午前4時から午前5時までの1時間ありますから、この時間が職場では「早出残業」と表現されることもあるのではないかと。
実質は深夜労働なんだけれども、朝早くから出勤した場合は、深夜労働という表現を使わずに早出残業という表現を使っている。
残業イコール夜遅くまで働く、というイメージが強いですが、夜に働くかどうかという点と残業かどうかという点は別物です。
法律で決まった時間、もしくは、雇用契約で決めた時間を超えて働けば、それも残業なのであって、夜に働くかどうかに限らず、朝に働いていようが、昼に働いていようが、残業が発生する可能性はあります。
他方、午前5時以降に働き始めても、早出残業として扱われる場合もあります。
定時に仕事が終わったが、残業になっている。
仮に、10時から19時まで勤務するとして、
途中で昼休憩が1時間入ると考えましょう。
この場合、
10時に仕事を始めて、
19時に終われば、
その日は8時間労働です。
しかし、早朝出勤という名目で、
10時ではなく、朝の8時から出勤していたらどうなるか。
8時から、仕事が終わるのは19時。
休憩が1時間入って、
その日の勤務時間は、10時間です。
終わりの時間は19時ですから、
表面的には定時に仕事が終わっています。
しかし、
仕事を始める時間が早かったために、
1日8時間をオーバーし、
2時間分(朝8時から10時まで)が残業になります。
残業が発生したかどうかは、労働時間の合計で判断する。
終わりの時間が定時だったから残業は無かった。
というものではなくて、
始まりから終わりまでの時間を合わせて、
残業が発生したかどうかを判断するのです。
早朝出勤する目的は、
終わりの時間を延ばして残業するよりも、
朝の時間にギュッと仕事に取り組めば、
早く仕事を終えやすい。
そういう狙いがあります。
ただ、早朝出勤するからには、
仕事が終わる時間も前倒しするぐらいでないと、
「夜の残業が朝に回っただけ」になります。
2時間早く仕事を始めたならば、
仕事が終わる時間は、最低でも2時間は短縮しないといけませんね。
これでプラスマイナスゼロです。
朝の方が効率が良いというならば、
3時間短縮、4時間短縮もあっていいぐらいです。
「就業規則を読みましょう」、読むわけない。
働くルールについて話が及ぶと、
「就業規則を読みましょう」
みたいな案内をする方がいますけれども、
そんなことを言われたり、書かれたりしても、
読むわけがない。
もう一度書きますが、就業規則なんて読むわけがない。
マトモな人は就業規則なんて見ないし、読まない。
そういうものです。現実は。
読むどころか、
会社のどこに就業規則が置かれているかも知らない。
そんな状況なんですよ。
就業規則なんか見るよりも、
スマホでゲームをしている方が楽しいと感じるもの。
人間とは、そういう生き物です。
面倒くさいことはやらない。
楽しいことならやる。
それが正常な人です。
だから、
会社側から就業規則の内容を周知させないといけないのですね。
周知させていないと、社員はもちろん、会社も困ります。
こちらにも興味がありませんか?