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【反対】時間単位の年次有給休暇なんて導入するな

時間単位有給休暇

パナ「1時間単位の有給」議論  導入企業2割、「効率化損ねる」懸念打ち破れるか


1日単位だけでなく、
半日単位時間単位でも有給休暇を使えるようにする。

 

有給休暇を細かい単位で使えると、
さも良い労務管理ができているような気分になります。


しかし、私は1時間単位で有給休暇を取ることに反対です。


なぜならば、時間単位で小間切れに有給休暇を使っても、
それは休暇ではなく、ただの休憩のようなものだから。

なぜ1日単位だとダメなのか

1時間だけ有給休暇を取るのではなく、
丸1日休んだ方が楽でしょう。

効率化がどうかという点さほど問題ではなく、
「休暇の使い心地」が問題です。

 

1時間だけなんて、もはや休暇とは思えないでしょう?

 


1時間だけ有給休暇を取らなくても、

出勤時間を遅らせるとか、
早退すれば対応できるのではないでしょうか。


「今日は1日、有給休暇で休み」
そのほうが気楽だし、落ち着きます。


また、
1日単位で有給休暇を使えば、
残日数の管理も簡単です。

 

あえて、時間単位で切り刻んで使うほど利点があるのかどうか。

よく検討された方がいいでしょう。

学校行事でも、育児や出産でも、1日単位で休む方がいい。

  • 学校行事(授業参観、入学式、卒業式など)
  • 育児
  • 出産

こういう理由で取得する休暇ならば、
なおさら1日単位の方が良いはず。

 
午前中に長女の入学式に行くので、半日有給休暇。

午後から子供の面倒をみるので、3時間だけ有給休暇。

 

こういう使い方が本当に望ましいのかどうか。

  

入学式に行った後は、

 

家族でお昼ごはんを食べたり、
新しい文房具を見に行ったり、
桜の季節だからお花見をしたり、

家族でそういう時間を過ごせば良いのでは?

 

ならば、半日ではなく、
1日休暇にしておく方が満足できるでしょう。

 


子供と一緒にいるならば、

午後だけでなく、1日ずっと一緒にいた方が気分が楽です。

 

午前中までにバタバタと仕事を終わらせて、
イソイソと帰宅するよりも、
朝から子供と一緒に過ごす。

 
職場の人も、

「午前中だけで帰っちゃうよりは、
1日休んでくれたほうがいい」

と思っている方がいるのでは?

有給で1時間早く退社?

1時間早く退社して、
何か資格学校に通うならば、

出勤時間を早めればよいのです。


1時間早く退社したいならば
1時間早く出勤する。

 

それをあえて有給休暇で対処しなくてもいいでしょう。

1日分の有給休暇は何時間分の有給休暇?


1日8時間勤務と固定されている人ならば、
有給休暇を時間換算しやすいでしょう。


しかし、日によって勤務時間が変わる人だと、

1日分の有給休暇が何時間分の有給休暇になるのか
判断しにくいんですね。

 


パートタイム勤務の人で、
日ごとに勤務時間が違うと、

1日分の有給休暇を時間単位で使ったら、
何時間で1日分になるのかが分からなくなります。

 


時間単位で有給休暇を使える人を
フルタイム社員に限定してしまうと、

「フルタイム社員は時間単位で有給休暇を使えるのに、
パートタイム社員は時間単位では使えない」

という不均衡が生じます。

 

有給休暇を細かく刻むのが良い
みたいな風潮になっていますけれども、

何とかこういう流れを断ち切りたいと思っています。


休暇なのですから、

もっとまとめてドサッと使ったほうが
休暇という感じがします。


3日連続で有給休暇にする。
1週間を有給休暇で連休にする。

 

このように、
まとめて有給休暇を使うようにすれば、
休暇の消化が促進されますし、
休んでいる本人も満足しやすいのではないでしょうか。

休日や年次有給休暇も小分けにする方が便利?

1人暮らしや家族の人数が少ない家庭だと、大根を1本丸ごと購入すると、使い切れなくて困った経験があるでしょう。私も1人暮らしのときに1本丸ごとの方が安いからと思い、料理に使ったものの、使い切るまで随分と時間がかかったものです。

大根だけでなく、他の野菜、白菜もそうですが、冷蔵庫の中で随分とスペースを取るものですから、残ると厄介です。かといって、連日連夜、大根料理を食べるのも嫌ですし、鍋料理を毎日食べるのもウンザリします。

「おいおい、ちょっと待て。野菜の話を延々とするつもりか?」と思ったかもしれませんが、これはこの後の話の伏線です。野菜を食べて健康に生活しましょうとか、「近頃、野菜不足じゃありませんか?」と野菜ジュースを宣伝するつもりもありません。

話を本題に持って行くと、有給休暇を時間単位で使えることが知れ渡り、それを拡大解釈して、休日や他の休暇まで時間単位で細切れにして使おうとする方がいらっしゃいます。

時間で細かく刻んで休日や休暇を使えば、さも便利そうです。例えるならば、野菜の小分けパックにようなもの(ここでもまた野菜が登場)。ピーマン1袋だと5個も7個も入っているが、小分けだと1つ単位で買えますよね。大根1本だと多すぎるが、半分や1/3カットだと買いやすい。食品スーパーに行けば、大容量のものから小容量のもの、さらには1個単位まで、好きな量を選んで購入できます。

時間単位の休暇や休日も、野菜の小分けと同じようなものと考えられているのでしょう。細かく分ければ、小回りがきいて、より使いやすい休日や休暇になるだろうと。

ここでズバリ聞きますが、休日や休暇を時間単位で切り分けて使って、便利ですか?

野菜のように休日や年次有給休暇を分けない

有給休暇を時間単位で取る、振替休日を時間単位で取るとか、代休を時間単位で取る、週休や公休を時間単位で取るなど、切り刻むパターンは色々です。時間単位だけでなく、半日取得も実質的には時間単位での利用と変わりませんから、これもパターンに含まれます。

細切れにするのが良いかのように思われているフシがありますが、野菜と違って、休暇や休日は1日単位で使って不便なわけではないし、消化不良になるわけでもない。さらには、賞味期限も無い(時効はあるけれども)ので腐らない。

大根を1本丸ごと、「さあ、一気に食べなさい」と言われても、ただひたすら狼狽するだけです。「さあ、ここにザル一杯のピーマンがあります。好きなだけ召し上がれ」と言われたら、ピーマンを嫌いになっちゃう。

他の方と同様に、私も、数年前は時間単位で有給休暇を利用すると便利だろうと考えていたのですが、今ではすっかり反対派です。4時間だけの有給休暇なんて、それは休暇ではなく、有給の休憩です。「2時間だけ休日を取って出社します」と言っても、それは始業時間を変更しただけであって、休日とは言いません。

会社側の管理も面倒になります。「2時間の休暇を使ったから、残りは6時間分で、今までの休暇の残りを合わせると、11日と10時間か、、」と今までは不要だった時間という変数が加わり、日数と一緒に管理しないといけなくなる。

休暇とは言えない休暇、休日とは言えない休日。日数だけでなく時間数も管理。会社や社員にとってどれほどの利点があるのか。チビチビと休暇を使わず、スパッと丸1日休んでしまう方が気分が良い。

その仕組みは本当に必要なのかどうか。労務管理に関する仕組みを作るときには、ちょっと落ち着いて考えてみるべきです。

年次有給休暇の管理にまつわる疑問と正しい対応例
働いてる人にとって年次有給休暇は関心を集めますから、労務管理でも疑問や問題が生じやすいところですよね。労務管理でもトラブルになりやすいのが年次有給休暇の取扱いです。ならば年次有給休暇についてキッチリしている職場にすれば、働いている人たちからの評価も上がっていくでしょうね。
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