【締切はもうすぐ】特例期間は今年3月末で終わり。年金の切り替え手続きが遅れて未納になったら。

 


第3号被保険者(専業主婦・主夫)からの手続きが遅れた方へ(日本年金機構)


3年前、2015年にニュースになった国民年金の『3号不整合記録問題』ですが、その特例対応が平成30年の3月末で終了します。

 

 

3号不整合記録問題とは?


3号不整合記録問題とは、国民年金に関する話で、3号被保険者の人が1号被保険者に切り替える手続きを忘れて、そのまま3号被保険者のまま放置されてしまったという問題です。

 


何が問題なの?


本来は1号被保険者として扱われないといけないのに、3号被保険者のままにされている。これが問題の核心部分です。


国民年金の被保険者種別(加入者の種別のこと)には3種類あって、1号被保険者、2号被保険者、3号被保険者、この3つがあるんですね。

 

1号被保険者というのは、会社経由ではなく自分で社会保険に入っている人のことです。国民年金の保険料を支払って、健康保険は国民健康保険に入っている。そういう人が1号被保険者というわけ。

2号被保険者というのは、会社経由で社会保険に入っている人のこと。健康保険と厚生年金に入っていて、給与から社会保険料を払っています。ちなみに、厚生年金には国民年金が含まれており、厚生年金に入っているということは同時に国民年金にも入っているという扱いになります。これが2号被保険者というもの。

最後に、3号被保険者というのは、2号被保険者の社会保険へ一緒に入っている人のこと。例えば、夫が会社員で、会社経由で社会保険に入っているならば、そこに妻も一緒にくっつけて国民年金と健康保険に入るわけです。この場合、夫は2号被保険者。妻は3号被保険者となります。

なお、性別を逆転してもOKです。妻が会社員で、夫が専業主夫となっていて、妻が2号被保険者、夫が3号被保険者という組み合わせもあります。


3号被保険者になると、国民年金の保険料が無料になります。1号被保険者だと毎月17,000円ほどの保険料が必要ですが、3号被保険者になるとこれが0円になります。なお、毎月の保険料は0円ですが、実際には保険料を支払ったものと扱われますので、毎月17,000円ほどのお小遣いを貰っているような身分なのです。

例えば、3号被保険者の期間が10年あるとして、そのうち1号被保険者になっていないと行けない期間が7年あるとすると、7年分の国民年金保険料が0円のままになっているというわけです。

1ヶ月で17,000円とすると、1年で204,000円。これが7年となると、1,428,000円。つまり、約140万円の国民年金保険料が0円になってしまったんですね。

 

 

会社に負んぶに抱っこ。


切り替え手続きを本人(3号被保険者になっている人)がやらないといけないのが今回の問題の一因で、3号被保険者から1号被保険者に切り替えないまま過ごしてしまう人がいたのですね。

故意に放置している人も中にはいたでしょうが、自動的に処理されるんだろうと思って何もしなかった人もいるでしょうから、対応しにくい問題なのです。

「会社の方でやってくれているんだろう」こういう気持ちを持ってしまうと、3号被保険者から1号被保険者へ切り替えるために本人が手続きする可能性は低くなります。


3号被保険者の気持ちが私には分かります。

夫や妻の会社経由で年金に入っていたのだから、その会社から必要な手続きはなされているんだろうと思ってしまいますよね。「退職した時にチャンとやってくれているんだろう」、「自分の収入が増えても日本年金機構が処理してくれているんだろう」と。

会社員や、その配偶者になると、社会保険の手続きは何でもかんでも会社経由になりがちですから、本人で何かしなければいけないという意識が希薄です。

 


3号被保険者から1号被保険者に切り替えたらどうなる?


3号被保険者は保険料が無料ですが、1号被保険者になると毎月17,000円ほどの保険料が必要になります。

会社員だった夫や妻が自営業で商売を始めて、会社を辞めたら、3号被保険者になっていた専業主婦や専業主夫の人は1号被保険者に変わります。ここでの手続きを忘れてしまい、そのまま放置というのが1つのケースです。

他には、3号被保険者である夫や妻の収入が増えて、年収が130万円を超えたら、この場合も3号被保険者から1号被保険者への切り替え手続きが必要です。ここでも手続きを忘れるケースがありますね。自分の収入が増えて3号被保険者の対象から外れているのに手続きを忘れていた結果、未納期間が発生してしまうのです。

 

社会保険のことは会社に任せきってしまう。そういう環境を作り上げているのは政府ですけれども、自分の年金ですから放置プレイではよろしくないんでしょうね。

とはいえ、年金は難しいですからね。会社任せにしたい気持ちはよく分かります。

 

 


不整合期間を修正すれば、(おそらく)年金は減る。


もし、先程の例のように、7年間あった3号被保険者期間が1号被保険者の期間に修正されると、7年分の保険料未納期間が発生します。

この期間分の保険料を納付するための特例措置として、平成30年3月末まで、過去10年分の保険料を特例で追納できる措置が設けられています。

 

年金の第3号被保険者の記録に「不整合」があるときの特定保険料の納付申込が2月1日から始まります(厚生労働省)
※これは平成27年1月に出された情報です。

 

平成27年4月1日から3年間の時限措置であるため、今年、平成30年3月末で特例期間が終了します。


ここで「そのまま放置すれば年金は減らないのでは?」と思った方もいるでしょうね。これはこれは、悪いことを考えますね。でも、そう思う気持ち、分かります。

確かに、1号被保険者への修正をせずに3号被保険者のままであれば、保険料を納付したと扱われますから本人には有利です。しかし、日本年金機構側で不整合記録を特定して本人に通知している状況ですから、そのままダンマリをきめこんでやり過ごすのは無理です。

もし、そのまま3号被保険者の記録にしてしまうと、1号被保険者の人には不満でしょう。自分たちは保険料を毎月支払っているのに、3号被保険者は無料なのですから。問題を放置するとこの不満を解消できないため、3号被保険者期間に不整合があった場合は修正するとしているわけです。

不整合期間の保険料を追納する方は、特例期間が今年、平成30年3月末までですので、手続きを急いでください。これを書いているのが1月ですから、残りの期間はあと2ヶ月強です。

 

 

加入期間は最低でも10年は必要。


「10年年金」という言葉もあるぐらい認知されてきた制度変更ですが、以前だと25年入っていないと年金を受け取れない仕組みでしたが、2018年現在は、年金に10年加入していれば受け取れるようになりました。

不整合期間を修正されて10年に達しないと年金を受け取れませんから、もし10年に届かない方は特例で追納して、最低でも10年の加入条件はクリアできるようにしたいところです。

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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