偶数月は攻めの商売。奇数月は守りの商売。

 


児童扶養手当、年6回の方針 「まとめ支給」見直し

 ひとり親家庭に支給する児童扶養手当について、政府は4カ月ごとにまとめて年3回支給する仕組みを改め、2カ月ごとにまとめて年6回支給する方針を固めた。収入のばらつきを抑えて家計の管理をしやすくし、支給日の間で使い切って困ることがないようにする狙いだ。来年の通常国会で児童扶養手当法を改正し、2019年度の実施を目指す。また、来年度から所得制限を緩める方向で最終調整に入った。

 児童扶養手当はひとり親家庭の生活支援が目的で、3月時点で100万6332世帯が受給する。子どもが1人なら年収365万円までといった所得制限があり、支給額は年収や子どもの数によって異なる。物価に応じて毎年度変わり、今年度は子ども1人の場合、満額で月4万2290円。年収130万円までに満額が支給される。

 いまは4カ月分を4月、8月、12月に支給している。この「まとめ支給」には、途中で使い切って家賃などの毎月の支払いに困る恐れがあるとして支援団体などが改善を求めていた。

 


児童扶養手当の受給者は、平成29年7月の段階で約102万人(厚生労働省 福祉行政報告例より)。受給者のうち全体の約91%は、離婚で母子世帯になった児童です。その他の理由での受給者もいますが、圧倒的多数の受給者は母子家庭の児童です。

福祉行政報告例 平成29年7月分の結果


つまり、児童扶養手当は一人親家庭を経済的に支援する制度なのですね。ちなみに、離婚によって父子家庭になった受給者である児童も約5%いますし、父子家庭でも児童扶養手当を受給できます。

平成22年8月1日から、父子家庭のみなさまにも児童扶養手当が支給されます!


母子家庭と父子家庭を合わせると受給者の96%ほどになりますから、両親が離婚した児童への手当が児童扶養手当と言っても過言ではありません。


親が離婚、死亡、失踪したなどの理由があると、子供は児童扶養手当を受給でき、支給額は4万円強です。これは市町村が支給する手当であるため、地域によって支給額に少し違いがあります。

 



3億円が振込手数料として消える。


支給回数が増えると、金融機関への振込手数料も増えます。

1件あたりでは大した額ではないですが、数百万件、数千万件となると絶対額は大きくなります。仮に、振込1件で手数料が100円だとして、100万件の振込を実行すると、合計で1億円です。

政府が動かすお金としては1億円は僅かな金額ですが、支払い時期を年3回から年6回にすれば、振込手数料は3億円増加します。児童扶養手当の支給額が1人あたり月5万円だとすれば、6,000ヶ月分(3億円)の児童扶養手当が振込手数料として使われます。

なお、振込1回で手数料が100円というのは仮定であって、件数が多ければ100円よりも安い手数料で振り込める可能性はあります。


年3回を年6回に分けて、使いすぎを防ぐのが目的のようですが、これは制度に問題があるのではなく、人間の方に問題があるのが原因です。

支給回数を増やしたからといって、支給額が増減するわけではありません。仮に、手当の額が月額5万円だとして、年間だと60万円。これを3回で支給するか、6回で支給するかの違いです。3回だと20万円ずつ。6回だと10万円ずつ。6回で支給したからといって、70万円になったり100万円になったりはしません。

年3回で分けても、年6回で分けても、結果は同じですから、まさに朝三暮四です。

年3回の支給だと、4ヶ月分が1回で支給されますから、4ヶ月先までどのように使うのかを計画的に考えないといけません。銀行の口座にポンと20万円が入金されれば、一気に使いたくなる気持ちは分かります。あれを買いたい。あれを食べたい。あれも新調したい。目の前にまとまったお金があれば使いたくなるのが普通の人間です。

だからといって、年3回支給する児童扶養手当制度に問題があるのかというと、そうではないでしょう。お金をどのように配分して使っていくのか。それを決めるのは人間です。上手くお金を使う人は、年3回支給であれ年6回支給であれ変化はありません。

 

 

 

すぐに食べちゃう子供。我慢する子供。


目の前に置かれたマシュマロを食べるか、それとも我慢するか。行動科学の分野で実施された『マシュマロ・テスト』という実験があります。

実験では、指示されるまではマシュマロを食べちゃダメと言われている子供が、目の前に置かれたマシュマロを食べずに我慢できるか。それともパクっと食べちゃうか。その違いで人生での成功に違いがでる。

たかがマシュマロですが、人間の世界には色々なマシュマロがあります。実際に食べるお菓子のマシュマロだけでなく、プレゼントされた商品券、お正月に貰うお年玉、誕生日プレゼント、職業選択、投資、資産管理など、色々なところに『マシュマロ』が用意されています。

お年玉でゲーム機やゲームソフトを買ってしまえば、お金はなくなってしまいます。しかし、お年玉を投資すれば、お金は増える可能性があるわけです。お年玉で株式を買う。投資信託を買う。もちろん、投資ですから、お金が減る可能性ももちろんあります。しかし、減る可能性と同じように増える可能性もありますから、全部使ってゼロになることはないんですね。

ゲーム機を買ってしまう子供は、マシュマロを食べてしまう。一方、お年玉で金融資産を買う子供は、マシュマロを食べるのを我慢する。

  • 鶏を食べるのではなく、鶏が産んだタマゴを食べる。
  • 誕生日プレゼントを毎年貰うのではなく、3年に1回だけ大きなプレゼントを貰う。
  • 手っ取り早く稼げる仕事ではなく、時間と費用はかかるが将来大きく稼げる仕事を選ぶ。

 

マシュマロを食べるのを我慢するというのは、こういうことです。

児童扶養手当も、年3回ドバっと支給されるからといって、アレコレと使ってしまうのではなく、使う時期をなるべく後回しにする。そういう価値観があれば、支給回数が何回であっても支障はないでしょう。

 


 

年6回だと年金と同じに。


年金は偶数月に支給されます。2月、4月、6月、8月、10月、12月。年6回、それぞれの月の15日に年金が2ヶ月分まとめて支給されるんですね。

そのため、偶数月の15日には、ATMが置かれているところに高齢者がたくさんやってきます。安全のために、その日だけATM周辺に警備員が立っているところもあります。

また、お店でも、毎月15日にセールを実施しているところがあります。特に偶数月の15日は年金支給日でお金が入りますから、高齢者向けに商品を売るにはタイミングが良いのです。

  • 月末の給与支給日に合わせてセール。
  • ボーナス時期に合わせてセール。
  • 児童扶養手当が支給される時期に合わせてセール。

 

お客さんがお金を持っている時期に合わせて販売促進を実施する。商売の正攻法ですね。

だからといって、ホイホイと買い物をしてはいけないのは、先程のマシュマロ・テストの話に通じます。

 

 

 


児童手当との違いは?


児童扶養手当と児童手当。この2つは名称が似ているので、「同じなの?」と思ってしまうところですが、それぞれ違う制度です。

児童扶養手当は、親が離婚したり死亡したりすると支給対象になります。一方、児童手当は、中学校を終えるまでの子供が対象で、親の離婚などは関係しません。また、それぞれ別の制度であるため、併給も可能です。

支給額では、児童扶養手当は子供1人だと月額4万円強。児童手当は子供1人で月額15,000円から5,000円です。

子供が2人の場合は、児童扶養手当は2人で月額5万円ほど(追加で10,000円増える)。一方、児童手当は2人で月額30,000円から10,000円になります(1人分が2倍に)。

児童扶養手当の加算額が平成28年8月から変わっています

 

なお、児童扶養手当は所得物価、さらに年金の受給額に応じて変動します。上記の場合は満額で児童扶養手当が支給された場合を想定しています。

年金と児童扶養手当との関係を補足しておきます。例えば、親がいなくなって、お爺ちゃんに面倒を見てもらっている子供がいるとします。そのお爺ちゃんが年金を受け取って生活しているとすると、以前は児童扶養手当を受給できなかったのですけれども、平成26年12月以降は、児童扶養手当よりも年金の方が少ない場合、差額が支給されるようになりました。

仮に、児童扶養手当が月4万円だとして、お爺ちゃんが受け取っている年金が月3万円だとすると、児童扶養手当と年金との差額である1万円が支給されるというわけです。


人数が増えてくると、児童手当の方が金額が多くなる傾向があり、子供が1人だけだと児童扶養手当の方が支給額が多いですね。

児童手当制度の概要 - 内閣府


支給回数は、2017年12月時点では、いずれも年3回です。児童扶養手当が、4月、8月、12月。児童手当が2月、6月、10月です。児童扶養手当の支給回数が6回になるのは、2019年からですから、2年ほど先の話です。

年金も支給日は偶数月ですから、並べて見ると、児童扶養手当も児童手当も、年金も、全て支給日は偶数月なんですね。

偶数月になると人はお金を持っている。逆に考えると、奇数月はお金が少ない。ということは、セールを実施するならば偶数月が良い。奇数月は守りの商売。偶数月は攻めの商売。このように分けてもいいですね。

特に12月は、クリスマスや年末年始という好条件が揃い、さらに偶数月ですから、商売も繁盛するのも分かります。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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