どちらに価値があるか。「短時間で仕事を終える」vs.「時間をかけて仕事をやる」

 

美容室のカット、1,000円カット。時間差は4倍。


1,000円カットで髪を切る人も増えているようで、私も今まで3回、利用したことがあります。1,000円カットというとQBハウスが有名ですけれども、真似て似たようなサービスを展開しているお店もあります。

美容室でカットすれば、4,000円ほどかかるサービスなんですが、1,000円カットだとその名の通り1,000円で髪を切ってくれます。

とはいえ、1,000円なので、色々とサービスはカットされています(髪だけじゃなくて)。まず、最初に髪を洗うプロセスは無し。美容室だと、カットの前に洗髪してくれるんですけれども、1,000円カットでは洗髪はカットです。ちなみに、顔そりもありません。

髪を切り終わった後も、洗い落とすことがなく、掃除機のようなもので吸い込むんですね。ブィーンと吸い込むあの感じが頭に気持ち良いんです。あれは経験しないと分からないでしょうね。頭を洗うのも気持ちいいですが、あれとはまた別の快感があります。

美容室で髪を洗われてしまうと、夜にお風呂へ入った時、髪を洗うかどうか悩むんですよね。「今日はすでに1回洗っているから、もう洗わないでおこうか」と考えるか、それとも「やっぱ、お風呂に入ったら頭は洗わないとな」とするか。これ、毎回悩みます。


美容室でカットすると、40分ほど時間がかかりますけれども、1,000円カットだと短時間で終わらせてくれます。

そんな1,000円カットですが、スタッフの技量次第で仕上がり時間が変わってきます。

15分で終わらせる人がいれば、一方で30分で終わらせる人もいます。お客としてはどっちが良いのか。早くカットを終わらせてくれるほど嬉しいのか、ゆっくりと丁寧にカットしてくれる方が嬉しいのか。

ちなみに、私はどちらも経験したことがあります。15分でカットしてもらったとき、30分もかけてカットしてもらったとき、どちらもあります。

ここで考えさせられるのですが、1,000円でカットしてもらって、「15分で終わった」と満足するのか、「30分もかけて切ってもらった」と満足するのか。人によって評価が変わります。

15分だったらいいけれども、30分もかけていたら店が儲からないんじゃないの? と私ならば思ってしまいます。短時間で終わらせるほど儲けが増えるのですから、できれば10分ぐらいで済ませてくれると、お客の立場としてもありがたいです。



美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか?

 



30秒で描いた絵が10万円。


しかし、世間的には、短時間で仕事を終らせる人に対する評価は低くなりがちですし、時間をたくさん使って仕事をする人の評価が高くなってしまいがちです。


有名な画家が30秒で描き上げた絵と3時間かけて素人が描いた絵、この2つが目の前にあるとして、どちらの絵を高く評価するか。

描く被写体は同じものであるとしても、おそらく前者の方を高く評価する人の方が多いはず。

同じ絵を仕上げるにも、素人だと3時間かかるが、技量が高い画家だと30秒で描ける。所要時間を基準にすれば、3時間は10,800秒なので、素人と画家には効率の面で360倍の差があります。

ここで、「これは3時間かけて描いた絵だから10万円。あなたの方は30秒で出来上がったのだから1,000円でいいでしょ?」と出来上がった絵に評価を下したらどうなるか。

素人だと3時間かかるところを30秒で完了させるには、努力なり、時間なり、経験なり、修行なり、色々と積み重ねてきたものがあります。ならば、たとえ30秒で仕上げた絵であっても10万円の価値があってしかるべきです。


1,000円カットでも、15分で終わらせる人と30分で終わらせる人の間には、能力や効率の面で2倍の差があるのですから、仕事に対する評価に2倍の差があったとしても不思議ではありません。


絵であれヘアーカットであれ、早く仕事を終わらせるために時間と労力を投入してきたわけですから、それを回収することができるように個人レベルでの損益分岐点のようなものがあるのではないかと。

 

 

短時間労働に高い給与。


契約時間数が短いほど給与が上がり、残業すると給与が下がる。そういう契約で働くのも1つの選択肢です。

パートタイマーだったら、勤務時間数が短い人(週17時間とか週21時間の人)の時給を上げて、勤務時間数が長い人(週31時間や週36時間の人)の時間給を低く設定する。こういう雇用契約があってもいいでしょう。

さらに、契約時間数の範囲内で仕事を終えれば時給が高くなる。しかし、契約外の残業になると、別の低い賃金単価に変更して計算するとか。

例えば、週3日契約、1日あたりの契約時間が4時間。時間給は2,000円。この条件で働く人が、1日4時間を超えて仕事をした場合は時間給1,000円で計算する。つまり、契約内の時間は2,000円で計算し、契約外は1,000円で計算し給与が減るというわけです。

この条件だと、契約の範囲内で働くほうが給与が高いので、契約外の残業をすると給与が安くなります。そのため、残業すると給与が安くなって損になるのでやらない。指定の契約時間で終えるのが最も得。こういう判断をするんですね。

一方、週5日契約、1日あたりの契約時間が7時間だと、給与が下がり、時間給は1,000円になるという形です。


残業に旨味がないと思わせるのがミソで、契約時間内の給与と契約時間外の給与に差をつけて変化させるのも良いのではないかと思います。働く時間帯や曜日によって給与が変わる仕組みがすでにありますので、それを応用したものです。

「残業しても損だよね」という心理や感情を醸成していくのです。


長時間労働に高い給与を払うよりも、短時間労働に高い給与を払う方が働いている側の気持ちは嬉しいものですし、「時間内でやるっきゃない」と真剣になります。

 



儲かりたいならパート社員を武器にしなさい


 

山口正博 社会保険労務士事務所
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