残業代を支払わないのは泥棒と同じ。


http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/131859
残業代500万円以上未払いか 那覇市の老舗文具店の社長・店長が逮捕

 沖縄労働局は22日、書籍やオフィス用品販売の「安木屋」(那覇市)が従業員11人に対し、2年間で計500万円以上の残業代を支払わなかったとして、同社社長と「那覇一銀通り店」店長の2人を労働基準法違反の容疑で逮捕した。24日にも那覇地検へ送検する見通しだが、同局は詳細を公表していない。

 同局によると、安木屋は企業が労働者に時間外労働をさせる場合に必要な労使協定(三六協定)を結ばずに従業員を残業させ、その分の割増賃金も支払っていなかった疑いがある。22日午後、同局の労働基準監督官が安木屋の事務所と一銀通り店内を捜索し、2人を逮捕した。

 

36協定関連でのトラブルは、

  1. 36協定を締結していないし、それを届出ていない。
  2. 労使協定を締結しているが、そこで決めた上限時間を守っていない。
  3. 残業代である割増賃金を支払っていない。

この3パターンがよくあるケース。

上記のオフィス用品を販売するお店では、労使協定である36協定を締結せず、さらに割増賃金も支払っていないものです。1と3の組み合わせですね。

中には、36協定はチャンと締結しているけれども、割増賃金を支払うところで不備がある事業所もあります。さらに、協定を締結し、割増賃金も支払っているけれども、36協定で決めた残業の上限時間数をオーバーしている。そういう会社もありますね。


法定労働時間(1日8時間。1週40時間)をオーバーして仕事をするには36協定を締結して届け出る必要があり、実務では「とりあえず出しておくか」という手続きとして位置付けられています。


時間外労働・休日労働に関する協定届(各事業場単位による届出)

上記のウェブサイトに協定届のフォーマットも用意されています。



協定を締結して届け出れば、残業を自由にできるようになるのかというと、そうではありません。1日あたり何時間まで。1ヶ月あたり何時間まで。というように、残業できる時間数を協定で決めますので、この範囲内で残業が可能になります。

例えば、1日2時間まで残業が可能だと協定で決めたならば、1日で最大10時間勤務まで可能というわけです(8時間を超えた時間が残業となるため)。


「36協定は締結していないけれども、残業代はチャンと払っているよ」そういう会社も中にはあるかもしれません(珍しいですが)。この場合は、割増賃金を支払っているのだから問題ないだろうと思ってしまうところですが、確かに金銭的には問題ないのですが、事前準備に問題があります。

「残業する場合は何時間までにしますよ。ここで決めた時間を超えて残業はしませんよ」と決めるのが36協定なので、お金をキッチリと支払ったとしても、リミットを設定せずに残業してしまうのはダメなのです。


2の「労使協定を締結しているが、そこで決めた上限時間を守っていない」というケースも違反事例としてよくあります。

36協定には残業を許すという効果がありますけれども、「ナンボでも残業してええで」というほどユルユル、ガバガバな代物ではなくて、時間数にリミットを設定するのを条件としています。

協定で決めた時間数を職場で共有できておらず、働く人が「1日の残業は何時間まで。1ヶ月では何時間まで」と時間数を把握できていない。これも原因の1つだろうと思います。

普段から目に入る場所、タイムカードを置いている場所とか、勤務管理台帳を置いているところとか、給与明細とか、そういうものに残業の上限時間数を記載するなり掲示するなりして、「あぁ、残業は1日に2時間までしかできないんだな」というように意識できるようにしておくと良いですね。



残業代を払いたくないならば、残業しなければいいのです。残業させておいて、残業代を払わないのは、飲食店で食い逃げするのと同じですし、お店で万引きするのと同じですし、通販で買った商品の代金を踏み倒すのと同じです。

残業代を支払わないのは泥棒と同じなのです。

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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