労働者の6割が36協定を知っている。

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http://www.asahi.com/articles/ASK7754B7K77ULFA01C.html
残業命令には36協定が必須…労働者の4割「知らない」

 働く人の4割超は、会社が残業を命じるには労使協定(36〈サブロク〉協定)が必要なことを知らない――。そんな実態が連合のアンケートでわかった。長時間労働への関心の高まりで、制度を知る人の比率は上がってきたが、連合は今後も周知を進める考えだ。

 アンケートは6月に、20~65歳の働き手1千人(自営業やアルバイトなどは除く)にインターネットで実施。会社が残業を命じるには労使協定を結ぶ必要があることについて尋ねたところ、「知っている」と答えたのは56・5%、「知らない」は43・5%だった。

 2014年の同様の調査より「知っている」は約17ポイント上がった。電通社員の過労自殺や、残業時間の罰則付き上限規制が導入の見通しとなるなど、労働時間への関心の高まりも影響したようだ。

 


雇用契約、就業規則、労使協定、さらには労働組合がある企業ならば労働協約。会社には契約や規則、協定というものがいくつかあります。

36協定を労働者の4割が知らないというのは不思議なことではなく、むしろ6割もの人が知っている方が驚きです。とはいえ、知っているといっても、どの程度なのかまでは分かりません。

まず、残業するには労使協定が必要です。この労使協定が36協定、サブロク協定というもので、労働基準法36条を根拠にした労使協定であるため、サブロクというような名称が付いています。

ただ、残業といっても、36協定で話に挙がる残業は、1日8時間を超えたもの、または、1週40時間を超えたものを意味します。

例えば、勤務シフトが、10時から16時だった場合に、終わる時間が遅くなって16時40分になったとすると、16時から16時40分までは残業ですが、これは36協定によって制限を受ける残業ではないのです。

36協定で決めるのは、法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えた残業の上限です。そのため、1日6時間勤務で、それを40分オーバーしたとしても法的には残業ではないのです(これを「法内残業」と表現する場合もあります)。


1日に何時間まで残業できるか、1ヶ月では何時間まで残業できるか。この上限時間を労使協定で決めるのが36協定です。そのため、協定を締結したからといって、何時間でも残業できるわけではなく、協定で決めた時間数まで残業が可能です。

例えば、1日あたりの時間外労働は2時間まで。1ヶ月あたりの時間外労働は45時間まで。このように具体的に36協定では残業の上限を決めています。

36協定で上限時間を決める目安としては、「時間外労働の限度に関する基準」がありますので、これをベースに36協定の内容を決めるといいでしょう。

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040324-4.pdf
時間外労働の限度に関する基準


「残業代をチャンと払っていれば、それでいいんだろう?」と誤解して、36協定を締結して届出ていない会社もあるでしょう。確かに、残業代である割増賃金を支払うのは当然ですが、36協定も必要です。何時間まで時間外労働が可能なのかを協定で決めておかないといけませんからね。

さらに、36協定をチャンと締結して届出ているけれども、そこで決めた上限時間数を守っていないケースも多いです。協定を出した、残業代も払っている。けれども、協定で決めた上限時間数をオーバーしている。この点は違反事例として多い部分です。

労使協定を締結すれば、はい終わり。というものではないのです。


36協定で決めた内容は働いている人が知れるように、分りやすく示しておく必要があります。とはいえ、協定書をそのまま示す必要はなく、1日あたり、1週間あたり、1ヶ月あたりなど、期間ごとに応じた時間外労働の上限時間数を掲示して、その時間数を超えないように仕事をするように意識を向けます。タイムカードを置いている場所に掲示しておく、給与明細に表示しておく、あとは管理職向けに研修を実施する。そうやって、残業が可能な上限時間を日頃から意識させるのが大事です。

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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