book956(有給休暇を取った日の給与をどうやって決める?)

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有給休暇を取った日は給与が出ますが、その給与をどうやって計算するかで判断が分かれます。

  1. 実際に勤務したものとして給与を計算する。
  2. 平均賃金を計算して、それを利用する。

さらに、標準報酬日額を利用するという選択肢もありますが、今回は考慮せず、上記の2パターンだけを考えてみましょう。

まず、1の方法を利用した場合、どうなるか。


日によって勤務時間にバラつきがある人、パートタイムで働く方(学生も含む)を想定してみましょう。

(とある方の勤務シフト)
月曜日:6時間
火曜日:5時間
水曜日:4時間
木曜日:休み
金曜日:休み
土曜日:7時間
日曜日:休み

週4日勤務の方で、休みは3日ありますね。さて、この方が有給休暇を取るとしましょう。

「実際に勤務したものとして給与を計算する」基準を適用した場合、土曜日を有給休暇にすれば、7時間分の給与が出ます。しかし、水曜日を有給休暇にすると、給与は4時間分になります。

もし、アナタが休暇を取る立場ならば、土曜日に休暇を取るでしょうか、それとも水曜日に休暇を取るでしょうか。

おそらく、水曜日ではなく土曜日に休暇を入れようと思うのではないでしょうか。給与が多くなりますからね。


勤務時間が一定にキープされている人ならば、何曜日に休暇を入れても給与は変わりません。しかし、出勤日ごとに勤務時間が変わると、どの日を休暇にするかで給与が変わります。

1の「実際に勤務したものとして給与を計算する」方法だと、日によって休暇中の給与にバラつきがあるのが欠点です。


そこで、2の方法である平均賃金を利用すると、勤務時間によるバラつきを緩和できます。


直前の給与締め日から過去三ヶ月間のデータを利用して平均賃金を計算します。例えば、締め日が毎月25日で、今が7月10日だったら、6月、5月、4月の3ヶ月間のデータを使って計算します。


一例として、

6月:5月26日から6月25日まで。31日間。給与は380,000円。
5月:4月26日から5月25日まで。30日間。給与は390,000円。
4月:3月26日から4月25日まで。31日間。給与は375,000円。

1,145,000 ÷ 92 ≒ 12,446円。この場合の1日あたりの平均賃金は12,446円です。これを有給休暇を取得した日の給与とするのですね。

このように3ヶ月間で平準化されるので、日ごとに勤務時間にバラつきがあっても、その影響は希薄化されます。

先ほどの例でも、1週間の時間数だけを平均化すると、週4日で、合計21時間ですので、1日あたり5.25時間です。

平均賃金を有給休暇中の賃金にすれば、日ごとに勤務時間にバラつきがあったとしても、どの曜日に休暇を取っても給与が一定なので、あえて勤務時間が長い日を狙って休暇を取るインセンティブは無くなります。


平均賃金を計算するのは面倒かと思えるのですが、賃金台帳には給与の支給額や計算期間が記載されているはずですから、それを使えば平均賃金を計算できます。

ただ、分かりやすさ(社員側にとっても、給与事務を担当する側にとっても分かりやすい)という点では、1の「実際に勤務したものとして給与を計算する」方法の方が勝っていますので、不具合があると分かりつつ、あえて1の基準で給与を計算するのもアリです。

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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