book953(住宅費補助を残業代の計算に入れる場合、入れない場合。)

 


25%割増の残業代を計算するとき、支給した給与を全て含めて計算するのが通常ですが、一部の手当は計算から外せるようになっています。

例えば、支給したものを全て含めていくと、給与は1時間あたり3,000円になるところ、一部の手当を計算から除外すると1時間あたりの給与は2,700円になる。3,000円の25%だと750円。2,700円の25%だと675円。つまり、計算対象から一部の手当を外すと、割増賃金である残業代が少なくなります。

いくつかの手当のうち、通勤手当や住宅手当は計算から外せるものとして決められています。


ただ、手当の決め方によっては、通勤手当や住宅手当であっても残業代の計算に含めないといけないようになります。

通勤手当というと、実際に電車やバスに乗った費用に連動して決まる会社が多いでしょう。片道300円で往復だと600円となる場合、会社が交通費を1日あたり600円支給する。このような形で通勤手当を支払っている場合は、残業代を計算する際の計算に通勤手当を含めなくても構いません。

しかし、距離に関係なく支給する通勤手当の場合(そういう通勤手当はあまりないでしょうが)、例えば月10,000円を定額で支給しているとなると、これは残業代を計算する際に通勤手当を含めないといけなくなります。

判断する基準は、労働の対価となっていれば残業代の計算に含めて、他方、労働の対価ではなく実費に連動しているならば残業代の計算には含めない、というものです。



これは住宅手当でも同じです。

単身者には月20,000円。扶養家族がいる人は月30,000円。このように実費に関係なく金額を固定していると、これも残業代の計算に含めないといけなくなります。

例えば、家賃の50%を補助し、上限額は月3万円まで。こういう形にすれば、家賃が高い人は補助が多くなるし、少ない人もそれに連動します。さらに労働の対価ではなく住居費に連動しているので、残業代の計算にも含めない。

住宅手当を出す場合は、パーセンテージを設定し、上限額を設定する。この2点がポイントです。


単身者と扶養家族がいる人で計算式を変えてもいいでしょう。

単身者:補助率50%で、上限額は2万円。
既婚者:補助率50%で、上限額は3万円。

このように差を設けておくのもアリです。


また、特別に加算する場合もパーセンテージで対応します。

新入社員の場合は、1年間、住宅手当を5%上乗せする場合は、補助率55%で、上限額は2万円、というような形にするといいですね。

加算する場合も定額にせず、実費に連動させるのがコツです。

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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