book949(労働基準法の改正。2017年の193回国会では成立せず。)


2017年1月20日から6月18日までの期間で193回の国会が終わりましたが、以前から審議されていた労働基準法の改正は成立せずに、継続審議になりました。

森友学園に関する話、それが一段落したと思ったら、さらには加計学園に関する話で延々と時間を浪費して、マトモに成立した法案は組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案(共謀罪、テロ等準備罪)ぐらいでした。

http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00142.html
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案



では、成立しなかった労働基準法改正というと、以下のものがあります。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18905069.htm
第一八九回 閣第六九号
労働基準法等の一部を改正する法律案

この改正案は、高度プロフェッショナル制度に関する内容で、189回の国会なので、平成27年から審議されているものです。

労働時間で仕事がガチガチに固められつつある今の状況ですが、時間と報酬がリンクされたままでは働き方に合わない仕事もありますので、そういう仕事には高度プロフェッショナル制度で時間規制を緩める必要があります。



http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19201004.htm
第一九二回 衆第四号
労働基準法の一部を改正する法律案

こちらも労働基準法の改正に関する内容で、勤務間インターバルや労働時間管理簿について書かれています。

以前の法律案では、インターバル時間は11時間以上と書かれていたはずですが、その部分はカットされて「厚生労働省令で定める時間以上の継続した休息時間を与えなければならない」という表現に変えられています。

http://www.growthwk.com/entry/2017/06/27/202616
book946(仕事が終わって次の仕事が始まるまでのインターバル時間を設けて、助成金が最大で50万円。)

職場意識改善助成金を受給するには勤務間インターバルを導入する必要がありますし、将来時点では11時間以上のインターバル時間が標準になる可能性もあります。そのため、勤務間インターバルを導入するならば、時間設定は11時間以上にしておくことをおすすめします。



http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19302021.htm
第一九三回 参第二一号
労働契約の終了の円滑化に関する施策の推進に関する法律案


この法律案では、解雇時の金銭補償について書かれています。企業側が解雇は有効と主張し、労働者側が解雇は無効と主張し、両者が対立した。その結果、解雇が無効になった場合、元の職場には戻りにくいですので、企業側から金銭を支払って労働契約を終了させる制度を将来時点で導入するとの内容が6条に書かれています。

 

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19302060.htm
第一九三回 参第六〇号
労働基準法の一部を改正する法律案


この改正案は、労働時間による規制が適用されない対象者について規定した41条を変更するものです。

(変更前)
この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

1.別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者
2.事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
3.監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

(変更後)
次の各号のいずれかに該当する労働者については、この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定(第二号に該当する労働者にあつては、労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定)は、適用しない。

1.別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者
2.事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
3.監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの


管理監督者は深夜労働に関する時間規制も対象外になると変更を加えています。これまでだと、管理監督者に残業代を支払う必要はないものの、深夜割増賃金は支払う必要がありました。その深夜労働の部分を除外するのがこの改正案の内容です。

 

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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