book941(社内用のチャットを私的に使って懲戒解雇される。)


業務中の連絡手段というと、直接に会って要件を伝える場合があれば、内線電話やPHS、個人所有のケータイ、あとは社内メールなどもあります。今ならば、SNSのメッセージ機能で連絡し合うところもあるでしょうね。

さほど広くない職場ならば、何か要件があるなら本人のところまで行って直接に伝えれば足ります。しかし、すぐに相手がいる場所までいけないほど広いと、何らかの連絡手段が必要です。トランシーバーやスマートフォンなど通信機器を使うのが一般的でしょう。

業務用にチャットを使っている職場で、それを業務外の目的で利用し、その結果、懲戒解雇された人もいます。チャットというと、身近な例ではLINEのようなものです。あれは厳密にはチャットではないのですけれども、ほぼリアルタイムでメッセージを送受信できる点はチャットと同じです。

会社が用意した通信機器なり通信手段は、その通信内容がチェックされているものがあり、私的な目的で使うと、その記録が残ります。どこのウェブサイトを閲覧したのか、どういう内容を送信したのか、誰と誰が通信していたのかなど、色々と痕跡が残ります。



業務に関連する通信をしていた時間は労働時間になりますが、業務外のチャットなどをしていた時間は労働時間にならないのかというと、これも労働時間になってしまうケースがあります。なぜかというと、業務での通信と業務外の通信を厳密に分けることができないため、会社の指揮命令下で通信をしていたと判断され、業務外のチャットでも労働時間に含まれてしまうのです。

業務に関連する部分だけ労働時間に計上するのが本来は正しいのですが、「これは仕事に関連する」、「これは仕事に関係ない」と分けて特定するのが困難なため、業務外のチャット時間も労働時間にカウントされてしまうわけです。



会社のネットワークを使って個人的なメッセージなどを送ってはいけないのは当然なのですが、そういう使い方をしようと思えばできるので、軽い気持ちで使ってしまうもの。

学校や企業の通信ネットワークは監視されていて、通信内容が知られてしまうのは公知の事実です。時折、職場のPCで如何わしいウェブサイトにアクセスする無防備な人がニュースに出てきますけれども、使っている本人はバレていないと思っているのでしょうが、実際のところはバレバレです。

学校なり会社が用意したネットワークは、通信の記録がサーバーに残るようになっていて、どのアカウント保持者(ネット接続できる権限を持った人)がどういう通信をしていたか、ズラーッと一覧で記録されています。

大学生になると、学校側がネットワークアカウントを用意してくれて、そのアカウントを使うと、各種のウェブサイトにアクセスできるようになります。

私が大学生だった頃も、コンピューター研修みたいな授業(これも単位認定される授業)を受講すると、個人用のネットワークアカウントが発行され、それを使って大学経由でネットが使い放題でした。

その頃は、自宅にネット回線を引いていませんでしたし、自分のPCも持っていませんでしたので、ほぼ毎日のように大学のコンピュータールームに通っていました。ネット回線の主流はADSL(もう知らない人もいるかも)で、光ファイバー通信もありましたがまだ料金が高かった。PCも2017年の今のようにリーズナブルではなく、ノートパソコンなんて安いものでも14万円ぐらいでしたので、ホイホイと買える代物ではなかったんです。



2017年の今だと、大学でWi-Fi回線を利用できるところも当たり前になり、学校のWi-Fiに接続して映画を見ている人もいるでしょう。そういう使い方をしていてもネットワークアカウントが利用停止になることはないでしょうけれども、これも少し目的外の利用と言えます。


職場のPCを使って個人的な連絡はせずに、そういう用途の場合は自分のスマホなりケータイを使うのが賢明です。また、会社が支給しているスマホは会社の所有物なので、これも通信がチェックされている可能性があります。しかし、自分所有のケータイならば、どのような通信をしても会社には分かりません。

会社のネットワークを経由した通信は他人に見られているという意識が必要で、仕事に関連しない用途で使うのはヤメておくべきでしょう。

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com

© 社会保険労務士 山口正博事務所