book929(職場の熱中症対策に使う「WBGT値」って何?)

 


去年、2016年の8月、最高気温が35度、36度まで上がる夏でも最も暑い時期に、私は初めて熱中症を経験しました。

それまで、自分が熱中症になるなんて思っていなかったし、子供や高齢者がなるものだろうと考えていたので、自分では熱中症がどういうものかを経験したことがありませんでした。



熱中症を発症すると、まず最初に、呼吸がしにくくなり、息をしようとしても、思うようにできない(酸欠みたいな状態になる)。さらに、心拍数が上がっていき、全身から汗が吹き出してくる。

「あっ! これが熱中症か」と気づいても、時すでに遅しで、体も少し痺れだす。

とっさに冷蔵庫にあったポカリスエットを飲むと、症状が落ち着いたのをよく覚えています。呼吸が落ち着いてきて、汗も引いた。体の痺れもなくなっていきましたね。

もし、あのとき、ポカリスエットがなければ危険な状況でしたが、それにしても大したもの。飲み物1つで症状が急回復するのですから、侮れませんね。ポカリスエットは。

8月の午前中で、しかも屋内で起こったのですから、本当にビックリしました。熱中症というと、暑い屋外で運動をしていると発症するようなイメージを抱いていましたけれども、建物の中でも起こるんですね。



仕事中に熱中症になれば、それは労災です。最も熱中症が起こりやすい業種は建設業で、平成28年度は、労災で462件の熱中症が発生し、そのうち113件が建設業、さらに97件が製造業です。つまり、全体の約半分が建設業と製造業で起こっているのですね。

発生時期については、462件のうち、7月に162件、8月に219件ですから、全体の80%強が7月と8月の2ヶ月間に集中しています。

時間帯では、14時から17時までの時間が最も件数が多くなりますが、発生時期とは違って、時間帯は均等にバラけている感じです。太陽が出て沈むまでが注意すべき時間帯ですので、一気に暑くなる午前9時から暗くなってくる17時まで、ほぼ均等に熱中症が発生しています。


熱中症を経験したので分かるのですが、一気に来ますからね。あれは。

ジワジワと迫ってくる感じではなく、一気にドーンと症状が出ますから、自分が熱中症になるなんて事前には分かりません。風邪だと、喉が痛くなったり、体がだるく、熱っぽくなるなど、徐々に症状が出ますが、熱中症は突如としてやって来ます。ここが怖いところ。

呼吸がしにくくなって、汗が出てきて、手が痺れてくれば、もう完全に熱中症ですので、ポカリスエットやアクエリアス、経口補水液などを飲まないと、おそらく死亡する可能性があります。私も、熱中症になったときにポカリスエットを飲まなかったら危なかったでしょうね。

飲むといっても、ちょっとでいいんです。100mlとか200mlでも体調は一気に回復しますから、ペットボトルでスポーツドリンクを持ち歩いて、小刻みに飲んでおけば安全です。



熱中症になりやすい環境かどうかを判断する指標として、「WBGT値」というものがあります。Wet Bulb Globe Temperatureの頭文字を取った言葉ですが、要するに暑さの指標、熱中症指数、などと理解してください。WBGTが高いと、熱中症になる可能性が高く、低ければ熱中症になる可能性も低くなります。

http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数とは?

WBGTは気温と同じように「29℃」というように表示されますが、気温とは違うものです。

気温、湿度、輻射熱、それぞれの比率が、

1:7:2

と設定されていて、湿度が最もウェートが高くなっています。

http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_lp.php
暑さ指数 WBGTについて学ぼう



気温が同じ30℃であっても、湿度が40%の日よりは50%の日の方が熱く感じます。ほら、暑いときって、単に暑いのではなく蒸し暑いでしょう?

だから、気温よりも湿度は7倍もウェートが高いわけです。

 

「じゃあ、その暑さ指数であるWBGT値をどうやって知ったらいいの?」と思うところですが、複雑な計算をせずとも、有り難いことに熱中症指数が表示される温度計がありますので、それを部屋に置くなり、カバンに付けて持ち歩くなりすればいいでしょう。

今まで熱中症を経験したことがない人ほどチャンと対策したほうが良いですよ。一度も経験したことが無いと熱中症を侮りますからね。

この暑さ指数が28℃を超えると熱中症の危険が増している状況ですので、水分を補給したり、屋外に出て運動するのを控えるようにすればいいわけです。気温と湿度だけだと判断しにくいですが、暑さ指数があれば基準がハッキリして分かりやすいですね。

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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