ワケの分からない理不尽な職場が嫌われるワケ。

 

https://dot.asahi.com/wa/2017060200048.html
「休めないなら辞めます」イマドキ20代が余暇を優先する理由

 

 都内のアパレルメーカーに勤める、入社2年目の桜木洋子さん(仮名・23歳)。入社1年目の9月、初めての夏休みに、ボーナスを使って友人とイタリア旅行を予約した。「せっかく行くなら」と申し込んだツアーは8日間。通常の夏休み3日間+週末の5日間では休みが足りない。それならばと、5日間の有給休暇を直属の上司に申請した。

 今でも忘れられないのが、申請を受け取ったときの上司の表情だ。あぜんとした後、上司は苦笑いをしながら「有給休暇は、1年目から取るものじゃない」と申請を突き返した。桜木さんは心の中で思わずこう叫んだ。

「え? だって入社したときには、“休みはしっかり取れ”って言ったじゃん!」

 周囲に迷惑をかけないよう、休みの前には猛スピードで仕事を進めようと張り切っていたのに。休みが取りやすいという環境も入社の大きな動機だったのに──。反発心に火が付き、収まらず、こう言い放った。

「せっかく与えられた初めての有給休暇なのに、休みたいときに休めないんなら、辞めます」

 その瞬間、上司の苦笑いは消え、表情がこわばった。「取得OK」と申請が通ったのは、その翌日のことだった。桜木さんは言う。

「それから2回、残りの有給休暇を取得して、台湾と韓国にも行きました。2回目からは、上司も半ば諦めモードで認めてくれるようになった。上司からすれば、私はたぶん、異次元の人種。私は取れる休みはしっかり取って、旅行もしたいし勉強もしたい。やりたいことがいっぱいあるんです。今年ももちろん、有給休暇は全て使う予定です」

“異次元の人種”と接する中間管理職からは、戸惑いの声が相次いでいる。あるサービス業の男性(51)は、こう嘆く。

「今の新入社員は、まだ仕事も覚えていない半人前なのに、自己主張だけは一人前。ですが、時代が時代なだけに、休みたいという声を真っ向から否定することもできない。どうやって歩み寄ればいいのか」

 若手社員が定着しないことも、人手不足に悩む企業には大きな懸念材料だ。

 

 
残業なしで、休日がチャンとある。そういう会社なり職場を選ぶようになったのが今の学生です。

もっと報酬を増やして欲しいわけではなく、残業がなくて、ちゃんと休みがある職場が選ばれる。

会社を選ぶ基準が変わってきたとも考えられますし、納得できないことに対して首を縦に振らない。そういう価値観が出来上がった感じがします。

考えようによっては、安上がりな学生が増えた感もあり、もっと給与をよこせと言わないなら扱いやすいのではないでしょうか。



労働時間をキッチリと管理したり、休日をチャンと取れるとしても、それ自体が利益を生むわけではありません。何らかの価値を提供して、その対価を受け取る。このやり取りがあって、利益が生まれるわけです。

では、利益にならないことはしないという立場でいいのかというと、それも違う。無用の用という言葉のように、残業しない、休みはチャンと取る、そういう利益に結びつかなさそうな部分があるからこそ、利益を生み出す活動に精を出すようになる。

睡眠は利益を生み出さないからといって、眠らずに仕事をすればどうなるか。



余暇を優先すると書かれると、さも仕事に熱心じゃないと思われがちですが、取れる休みの範囲で余暇を楽しんでいるのであって、余計な休暇を要求しているわけではないのです。

使える休暇を使っているだけですから、今の若い人たちは正常な価値観を持っていると思います。

 

「有給休暇は、1年目から取るものじゃない」という部分も理不尽で、納得できない部分でしょう。

法律に基づいて付与された休暇なのだから、普通に使えるべきと考えるのが当然です。

有給休暇といっても無限にあるわけではなく、1年で10日から20日で、日数も多くないのですから、その程度の休暇を取ったぐらいで何か困ることが起こるはずもありません。

 

休日や残業に関連する部分では、理不尽なルールが通らないようになってきたのが現在の状況です。

ただ、残業そのものがイヤというわけではなく、残業代がキチンと支払われるならばOKというデータもあります。

「残業 = タダ働きさせられる」というイメージがあるためか、無条件で残業はダメなものと思われているフシがあります。しかし、キチンと36協定を締結して、協定で決めた範囲内で残業をして、割増賃金もゴマかさずに支払えば、それは納得できる働き方です。



自主勉強会みたいなことをすると、これは嫌がられます。半ば強引に参加させられるのに、給与が出ない。

仕事に関連することを学ぶならば、給与を出して学ばせるのが当然なのに、そうなっていない。こういうヘンなことに納得できないのですね。

キチンと納得できることならば、スンナリと受け入れる。しかし、ヘンなことや理不尽なことは受け入れない。それが今の若い人です。

当たり前のことが当たり前になった。それが今の時代ではないかと思います。

新卒で採用してすぐに退職してしまうのも、会社側がヘンな労務管理をしていないかを考えてみないといけないでしょう。

 

仕事の時間じゃないけど、仕事のような時間。そういう非生産的な時間も必要だという意見もありますし、私もそういう時間の大切さは分かりますけれども、給与を払わずにナアナアでやっていると、「なんかヘンだよね」と思われて、退職されちゃう。


学ぶ環境が失われてしまうのは勿体無いですが、それはもう余暇でやってもらうしかないのです。OJTでは教えきれないことも仕事では多いのですが、それを仕事以外の時間に教えようとすると、残業になり、割増賃金が必要になります。

 

  1. 休暇はチャンと取れるようにする。
  2. 残業はあっても、残業代はチャンと出るし、労使協定で決まった範囲の中でやる。
  3. 仕事に関連することを教えるならば、業務時間の中で教える。


理屈が通らないことはしない。若い人に対する労務管理ではこれが大事です。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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