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仮眠時間は休憩時間と同じ。

 

http://www.asahi.com/articles/ASK5K4J0HK5KUDCB00J.html
「仮眠も労働時間」イオン関連会社に残業代支払い命令

 

 判決によると、男性は2011年に入社し、都内や千葉市のスーパーで警備の仕事をしてきた。千葉市の店で働いていた13年1月~8月には24時間勤務で、30分の休憩時間と4時間半の仮眠時間があった。

 原告側は「仮眠時間でも制服を脱がず、異常があった際はすぐに対応できる状態を保ったままの仮眠で、業務から解放されなかった」と主張。小浜裁判長は「仮眠時間や休憩時間も労働から解放されているとは言えない」と指摘した。

 
仮眠中は休憩時間か労働時間か、という点が問題の中心ですが、これは長年、労務管理でも1つの問題として話されてきました。


会社側としては、仮眠しているのだから仕事をしていない。ゆえに、休憩時間と同じで、仮眠している時間を労働時間には含めない、と判断する。

一方、労働者側としては、仮眠しているとはいえども、呼び出しされたらいつでも業務に復帰しないといけないのだから、労働時間として計上すべきだろう、と判断する。

仕事の時間なのか、仕事以外の時間なのか、この境目を曖昧にしているところが問題の発生源です。労働時間とそれ以外の時間を混ぜて、実態が分かりにくくなっていると、この手の問題が起こります。


他の例だと、ランチミーティングでも似たことが起こります。お昼休みに食事をしているときに、仕事の打ち合わせも一緒にしている。昼食時の休憩時間なのにミーティングをしているので、これも労働時間とそれ以外の時間を混ぜている事例の1つです。

時間ベースで仕事をガチガチに管理する点について不満を抱く方もいらっしゃるでしょうし、時間にとらわれずに仕事をするべきという価値観を持つ方もいらっしゃいます。

しかし、ずっと長い間、時間を基準に労働なり仕事を評価してきたものですから、なかなかこの評価基準から脱却できないのです。フルタイム社員の仕事時間が1日8時間に固定されているのが当たり前になっているのがその証拠です。

また、パートタイム社員も、1時間あたりナンボという計算方法で給与が決まります。

時間で給与を決める方法に経路依存してしまい抜け出せない。業務で使われるコンピューターがずっとWindows(業務用ソフトもWindows版のものが主流)なのも、打ちにくいQWERTYキーボードがずっと使われているのも経路依存の結果です。

さらに言えば、時間で給与を決めるほうが簡単というのも理由の1つです。パートタイムであれ、フルタイムであれ、「タイム」という文字の通り、時間ベースで給与が支払われています。もちろん、成果給を別途で加算することも可能ですが、やはり時間に応じて給与を決める方がラクです。


仮眠する時間は休憩時間と同じで、業務から開放されていないと休憩時間ではないように、仮眠時間も業務から開放されている必要があります。



この問題の解決策は、仮眠する場合は交代制で勤務することです。仮眠を中断しないようにすれば良いのですから、仮眠中は他の方が対応し、他の方が仮眠している間は自分が業務にあたる。

以前、夜行の高速バスに乗ったとき、乗務員が2人で交代しながら運転していました。サービスエリアで交代して、片方が運転し、もう片方が休憩を兼ねて仮眠する。

特に難しい対処法ではありませんし、ありふれたものですが、仮眠時間がある業務では妥当な対応です。



可能ならば、ドローンやロボットを利用して、こういう警備業務に人間がなるべく関わらないようにしていくのが理想です。特に深夜時間帯の警備で、こういう道具が利用できれば、ありがたいでしょう。

広い施設だと、人間が巡回するには負担ですが、自動運転でドローンを飛ばしてパトロールしたり、ロボットに巡回させたりすれば、人の負担も今よりは減ります。

ロボットが人間の仕事を奪うなどとネガティブな話が多いのですが、私はロボットが仕事を奪ってくれれば、人間はもっとラクに生きられるだろうと思っています。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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© 社会保険労務士 山口正博事務所