book904(男女共用トイレしか使えないお店や職場。)

 

トイレは男性用と女性用に分かれているもの。これは当たり前のように思えることですけれども、場所によっては分けていないお店や職場もあります。

小さな飲食店に行くと、今でもトイレは男女共用になっていて、しかも1つしかない。そんなお店、今でも普通にあります。珍しいものではありません。ただ、古いお店ほどこの傾向があり、最近できた新しいお店ならば、男女別にトイレを作っているところがほとんどです。

男女共用というと、飛行機も同じですよね。飛行機のトイレは男女分けされていませんが、意外とクレームは出ないものですよね。エンジン音が大きいので、色々な音が気にならないし、臭いも独特な技術で低減されているようなので、不満は出にくいのでしょう。音と臭いがクリアできているのが機内トイレの良いところです。

一方、小規模な事業所やお店だと、男女共用のトイレしかないところもあります。従業員用だけでなく、お客さんとの兼用でも1つしかないところとか。

大きな商業施設のトイレに慣れていると、男性用と女性用、分かれているのが当たり前だと感じてしまいます。しかし、こじんまりした店舗や会社に行けば、男女分けしていないトイレが1つだけなんてことも珍しいものではありません。

しかも、飛行機と違って、静かなトイレだと音が気になりますし(音が響き渡る)、女性が使った直後に男性が入るとか(チョコレートを出した後とか)、そういう場面もイヤなものでしょう。


共用トイレで最もイヤなところは、音と臭いです。男性側の気持ちとしては、「別に気にしないけど」と思うところですが、女性としては色々と気にする部分があるわけです。

 

『労働安全衛生規則』というものには、便所に関するルールが書かれています。他にも、室温や照明についてもルールが細かく書かれていますので、興味がある方は一度見てみるといいでしょう。

 

(便所)
第六百二十八条  事業者は、次に定めるところにより便所を設けなければならない。ただし、坑内等特殊な作業場でこれによることができないやむを得ない事由がある場合で、適当な数の便所又は便器を備えたときは、この限りでない。
一  男性用と女性用に区別すること。
二  男性用大便所の便房の数は、同時に就業する男性労働者六十人以内ごとに一個以上とすること。
三  男性用小便所の箇所数は、同時に就業する男性労働者三十人以内ごとに一個以上とすること。
四  女性用便所の便房の数は、同時に就業する女性労働者二十人以内ごとに一個以上とすること。
五  便池は、汚物が土中に浸透しない構造とすること。
六  流出する清浄な水を十分に供給する手洗い設備を設けること。
2  事業者は、前項の便所及び便器を清潔に保ち、汚物を適当に処理しなければならない。


人数別に便所の数が決まるんですね。例えば、男性の労働者が41人いるならば、大便器が1つ。小便器が2つ必要になります。

便所の設置基準から逆算して、その会社なり施設の収容能力を推測することも可能でしょうね。例として、大阪の鶴浜にあるIKEA鶴浜店にはトイレが1階にありますが、男性用トイレの大便器が20ほどあり、小便器は確か30ほどあったはずです。ということは、20 × 60 = 1,200人。30 × 30 = 900人。ザッと1,000人ほどの男性客が来る可能性を想定しているんじゃないかと予想できます。

女性用トイレの中は見たことがありませんが、1,000人を基準にすれば、40から50ぐらいの女性用便所があるのではないかと推測します。それほどの便器を収容できるスペースが女性用トイレにあるとは考えにくいですが、他の商業施設よりは多いはずです。



他に、照明の明るさも、精密な作業をする場所ならば300ルクス以上、普通の作業だと150ルクス以上、粗い作業ならば70ルクス以上と、仕事場の明るさも指定があるのです。


たくさんの汗をかく仕事場ならば、塩と飲料水(ポカリスエットなどでもOK)を備えなければいけないというルールまであります。

他の法律よりも具体的なことが書かれているので、会社を経営している方や管理部門の方は一度『労働安全衛生規則』に目を通してみてはいかがでしょう。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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