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book901(交通費を支給しない職場)

 


交通費は全額支給。これが当たり前のように思われているフシがありますが、あえて交通費を支給しないのもありです。

とはいっても、経費をケチるとか、そういうセコい話ではなく、職場によっては、交通費を出してしまうことで人が集まりにくくなる場合も考えられます。

「いや、交通費を出してあげた方が本人の負担が減るので、人は集まりやすいんじゃないの?」と思うところですが、確かに人を採用するという点に焦点を合わせると、そう考えるのが妥当です。

しかし、採用した後、実際に出勤してもらう段階になると、悩ましい問題が発生します。



在籍している社員数は十分なのに、勤務シフトに穴が開く。そういう職場もあるでしょう。本人の希望に合わせて勤務シフトを作るとなると、常に満足できるシフトが組めるとは限らず、人がいっぱいいる日があれば、人が足りない日もある。そういうムラが発生するのが現実です。

勤務シフトを埋めるとなると、もし3人必要な時間帯に1人しかいなければどうなるか。1人で業務をこなすことを「ワンオペ」などと言いますが、そういう状態になると、負担が1人の人間に集中しますし、お客さんにも不便を強いるなんてことにもなります。

あと2人、集めないといけない。となると、在籍している社員に、「今日、休みだけど出勤してくれない? 代わりに明日は休みでいいから」と電話をかけてお願いするはず。こういうときに、「自転車で5分のところに住んでいる人」と「電車で片道30分かかる人」、どちらに電話をかけるか。

すぐにお店まで来れるとなると、「あぁ、いいですよ」と応じやすいですし、一方、電車に乗って来ないといけないとると、「う〜ん、今日は無理ですねぇ、、」と断る可能性が高い。

交通費を出すと、片道30分とか、遠いところからわざわざ来る人も集まってきます。もちろん、自宅が遠くても来て欲しいならば、交通費を会社で全額負担してもいいでしょう。しかし、勤務シフトに穴が空かないように柔軟に出勤してくれる人を集めたいならば、遠くに住んでいる人よりも、お店の近所、半径1kmとか500mぐらいの距離に住んでいる人の方が都合が良い。

ローカルな商売、例えばコンビニや飲食店ならば、近所に住んでいる人が働いてくれたほうが親近感を持ってくれるでしょうし、働いている人も近所なので親しみやすい。出身地でも、自分と同じだと、初めて合った人でも親近感を持つでしょう。あれと同じです。

さらに、業務に習熟しやすく、個人差が生じにくい商売の場合も、お店の近くから出勤する人を採用する方が良い。例えばコンビニだと、入って1週間、2週間だとまだテキパキとは動けませんが、1ヶ月もすれば他の人と同じぐらいの動きに近づくはずです。となると、他の人が休んでいるときに、代わりに出勤できるようになるのも早いでしょう。



自転車で5分の場所に住んでいる。
電車で片道30分の所に住んでいる。

どちらが柔軟に出勤してくれるかというと、やはり前者でしょう。



お店に近い場所に住んでいる人を集めたいならば、自宅とお店の距離に応じて給与を加算するのも1つの手です。

自宅が半径1km以内にある場合。
基本時給 + 50円。

半径500m以内の場合。
基本時給 + 100円


http://www.growthwk.com/entry/2017/01/31/211316
コンビニの労務管理は伏魔殿

 

柔軟に勤務シフトを組んで、穴が空きにくいようにするには、あえて交通費を支給しない。さらに、住んでいる場所に応じて給与が加算されるようにする。

スタッフを募集する条件には、「交通費なし。近隣居住者優遇」のような文言を入れておけば、お店の近所に住む人が応募してくるのではないかと思います。

 

 

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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