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book896(私も経験したブラックバイト。)

http://news.livedoor.com/article/detail/12970639/
ブラックバイトを高校生が訴えた結果 4千人の労働条件が改善

 
仕事場と更衣場所が離れていて、移動と更衣で毎回8分かかるとのことで、これを労働時間に入れるべきか否かが問題になります。

上記のウェブサイトでは、移動と更衣の時間が労働時間に含まれたという話ですが、更衣時間を労働時間に含めるかどうかは賛否両論あります。


私も、学生の頃、イタリアンレストランチェーンで働いていたときは、お店と更衣場所が遠かった。まず、お店に来て、更衣室があるマンションの鍵を取り、歩いてマンションまで行きます。歩いて3分か4分ほどの距離でしたが、あれは面倒でしたね。

お店の敷地面積が狭く、店舗に更衣スペースを設けられなかったため(休憩スペースもない)、マンションを借りてそこを更衣室兼休憩室として使っていたのです。

片道3分、着替えて3分、お店まで3分となると、約10分かかります。始業時に10分、終業時も10分とすると、1回の出勤で20分が更衣に費やされます。

では、この20分に対して給与が出ていたのかというと、出ていませんでした。この点について不満があったかというと、給与については不満はありませんでした。ただ、あの面倒くささは嫌でしたけれども。



服を着替えることそのものは仕事ではないですし、着替えの時間に対して給与を受け取ってしまうと、それは業務になり、業務命令も受け入れないといけなくなります。もし、「着替えは5分で済ませること」という命令が出たら、それに従わないといけない。これは厄介ですよ。


着替えと言っても、個人差があります。まず、男性は早く着替える傾向があり、女性は着替えが遅い傾向があります。賃金が出るなら、業務命令も受け入れないといけないので、5分で着替えるようにと言われたら従わないといけない。

早い人は1分とか2分で着替えを済ませますけれども、遅い人は10分、もしくはそれ以上かかるなんてこともある。それを一律に5分と言われても困っちゃいます。

もし、着替えの時間でも給与が出るならば、ユックリと着替えたほうが得です。1分で着替えは終わるけれども、あえてユッタリ、マッタリと10分かけて着替える。そうすれば10分相当の給与を頂ける。こんなこともできてしまいます。

これでいいのかと言われれば、これはマズい。



着替えと違って、例えば朝礼の時間だと、時間を一律に決めても大丈夫です。朝礼の時間が5分だとすれば、全員が5分で終わります。この人は1分で朝礼が終わったけど、あの人は7分もかかったなんてことは無い。全員を集めて朝礼をすれば、終わる時間は皆同じです。

一方、着替えの時間は個人差が出やすいので、着替えが遅い人ほど給与が多くなるのは納得しにくい。

だから、着替えの時間は労働時間に含めないほうがいい、というのが私の判断です。お金を受け取ると口を出される。逆に、お金を受け取らなければ口は出されない。着替えはやはりマイペースでいきたいところ。


着替えるときぐらいユックリしたいし、気持ちを落ち着ける時間でもあります。服装や身なりを整えつつ、気持ちも整える。「制限時間は5分だ」なんてプレッシャーをかけられたらイヤなものです。

 

仕事用の靴代が2,000円という点は、さすがにこれは私も経験がありません。仕事で使う服を買わせる会社やお店で働いた経験が無いですね。アパレルショップでの仕事だと、そのお店で売っている服を従業員割引で購入させ、それを仕事服にさせているところもあります。そういうお店の服は、仕事だけでなく私生活でも着れますから、これはまあセーフと言えるところ。しかし、職場でしか履けない靴を買わせるのは、これはナシですね。

イタリアンレストランでは、靴や服は貸与されていましたし、クリーニングも会社負担でした。ただ、クリーニングに出してしまうと、自分のユニフォームが分からなくなるので、私は自分で洗っていました。

 

15分刻みの時間カウント。これもありましたね。本来は1分でも仕事になるので、端数を切り捨てるのはダメですが、10年以上前、2001年とか2002年の頃は大雑把でした。例えば、19時で終わりなのに、いつも19時04分とか、19時09分のように、はみ出し残業のようなものがあり、そのはみ出た時間に対する給与は出ない。

時間ピッタリにあえて終わらせない、セコい感じで、あれもイヤでした。

時給を60で割れば、1分あたりの給与は出るので、あえて端数時間を切り捨てる必要もないのに、「チリも積もれば」という感覚で、はみ出した時間を切り捨てていたのでしょう。飲食チェーンのように社員数が増えると金額も大きいですから、セコいことをするインセンティブも強まります。

 

労働組合というと正社員しか入れないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、個人でも加入できる労働組合はあります。少しだけ費用がかかりますが、個人で会社と話しても埒が明かないときは、このような組織を使うのも良いでしょう。

ユニオンから団体交渉を申し込まれると、企業は拒否できません。正当な理由がなく拒否してしまうと、不当労働行為になる(労働組合法7条2項)ので、企業側が不利になります。

よくあるパターンが、「ユニオン? んなもん知るか。ほっとけ」と無視するケース。こういうことをすると労働組合としては「してやったり」で、有利に話を進められます。

チャンとした言い分があるならば、一方的にユニオンの要求を飲む必要はないのですが、靴代を給与天引きしていた点、15分刻みの時間管理、この2点では企業側は言い返せないでしょう。



場合によっては、弁護士を利用するのもアリです。ある程度の金銭を企業側に請求できるならば、弁護士費用を支払っても費用倒れしないので、選択肢として検討できます。

弁護士を利用するとなると、スンゴイ費用がかかりそうなイメージを抱くかもしれませんが、意外とリーズナブルです。ターミナル駅の近くにある大規模な弁護士事務所ではなく、こじんまりとした小さい弁護士事務所に依頼するのがオススメです。

 

変なことはしない。当たり前のように労務管理をしていれば、時間も費用も安くつくものです。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
大阪府大東市灰塚6-3-24
E-mail : mail@ymsro.com

© 社会保険労務士 山口正博事務所