book887(フレックスタイム制と住宅手当で通勤対策)


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通勤をやめれば、生産性は上がり、もっと幸せになれる


通勤しなくても仕事ができる。そういう業種も確かにあります。その一方で、お店なり会社に行かなければ仕事にならない。そういう業種もあります。

リモートワークやテレワーク、在宅勤務が注目を集めるものの、そういう働き方ができない業種の人は「私たちはどうすればいいの?」と思ってしまいますよね。


例えば、小売店での仕事はお店に行かなければ仕事になりませんし、飲食店での仕事も同じ。他には、ホテルでの仕事もお客さんとの接触が主な仕事ですから、これも現場に行かないと仕事にならない。



通勤をやめると言う場合、


1.通勤そのものをやめる。
2.通勤ラッシュを避けられればそれでいい。


ザックリと分けると、対処法はこの2つです。


「通勤ラッシュの時間帯に通勤するのをやめる」という意味まで含めれば、選択肢2も考えられます。


出かけるときや旅行とき、たまに電車に乗るとウキウキと楽しいものですが、毎日、ルーティンに電車に乗っていると、電車好きでも電車を嫌いになってしまう。

電車で片道40分とか60分、しかも他人と押しくらまんじゅうしながら電車に乗るわけですから、時間も労力も勿体無い。


東京の新宿、場所は中央線快速の乗り場。時間は朝の7時。

駅のホームには次から次へと人がやってきて、すぐにホームは人で一杯になる。そこにオレンジ色の電車(2003年の話なので、古いタイプの車両)がやってきて、扉が開くとドドッと人が入っていく。

朝の新宿駅は信じがたいほどの人で、私が一時期乗っていた中央線快速の混雑度はそれはそれは酷いものでした。

2分に1回ぐらいのペースで電車が駅に到着するのに、毎回、満員に。どんだけ人が多いんだと。東京は。

地方に住んでいる人にとっては、2分に1回のペースで電車が駅に来るなんて想像しにくいでしょうが、東京のラッシュタイムでは当たり前。

中央線快速に乗っていたのは半年ほどで、あまりにシンドイので乗る電車を都営新宿線に変えました。



通勤への対処法は2つあります。

1.通勤手当から住宅手当に組み替える。
2.フレックスタイム制を採用する。

この2つです。

通勤ラッシュだけを避けるならば、フレックスタイム制が対処法としては簡単です。

通勤そのものをやめなくてもいいですし、どうしても会社にいかないと仕事にならない職種にも対応できます。


選択肢1の方法は、通勤手当で出しているものを住宅手当に変更するもの。例えば、通勤手当で毎月2万円を支給しているならば、これを住宅手当で毎月2万円を支給するようにする。

さらに、職場から近いほど住宅手当が増えるようにして、電車に乗る必要が無いほど通勤時間を減らしていく。

通勤手当は電車に乗れば無くなるお金ですが、住宅手当は自分が住んでいる家に使えるので、家にいる間はずっと便益を享受できます。朝食を食べているとき、昼寝しているとき、テレビを観ているとき、寝ているとき、お風呂に入っているとき。いずれも住宅手当から便益を享受できます。

つまり、通勤手当は通勤で消えていくけれども、住宅手当は家に住んでいれば残るというわけです。



このように、通勤ラッシュに対処する方法はすでにありますが、なかなか取り組まれないのが実情です。

まず、政府。

税制で通勤交通費を優遇しています。最近では、さらに通勤交通費の枠を広げて優遇する流れまであります。地方から都市部まで、新幹線で通勤するなどと例示していますが、もう尋常な思考ではありません。

企業側も、住宅手当よりも通勤交通費の方が税金で優遇されるので、通勤手当をホイホイと支払います。


次に、鉄道会社。

電車が混み合うほど儲かるのが鉄道事業なので、通勤ラッシュは稼ぎ時です。電車に乗っているのが人間ではなくお金だと思えば、イメージが湧くはずです。

だから通勤ラッシュを解消されるのは、鉄道会社にとっては都合がよろしくない。


では、働く側の気持ちはどうか。

郊外に借金して一軒家を買ってしまうと、もう満員電車での通勤が確定します。家から離れられないため、満員電車でも通勤せざるを得なくなる。

不動産会社や銀行も、住宅ローンを組んで家を買って欲しいので、郊外に家を買うことに賛成するはずです。その結果、通勤で苦しむとしても。

住宅手当が無く、通勤手当が全額支給されるとなると、「じゃあ、離れた場所から通勤してもいいか」と考えてしまう。職場に近いところに住んでもメリットを感じられないため、郊外に住んでしまう。



通勤ラッシュは起こるべくして起こっているのであって、政府、企業、鉄道会社、乗客など、関わっている関係者が通勤ラッシュを作り出すような原因をちょっとづつお互いに生み出しているのです。

 

通勤交通費を税制で優遇するのではなく、住宅手当を優遇すれば、職住接近も難しくはないのだが、そうならないのが不思議です。

誰かが解決してくれるのを待っていても埒が明かないので、フレックスタイム制、もしくは住宅手当で対処するのが妥当な解決法です。

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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