あやめ社労士事務所 - 労務管理のツボをギュッと押す方法を考えます

会社で起こる労務管理に関する悩みやトラブルを解決する方法を考えます

残業が減ると会社は儲かる

残業ゼロがすべてを解決する

売上と利益をお金で買う

残業と売上・利益は比例すると思い込んでいる人は多いでしょうね。残業が多いということは、それだけ仕事をしている(はず)ですから、売上も利益も多くなる(はず)です。

残業が増えれば増えるほど儲かると思っている。残業が減ってしまうと儲からなくなる。これはもはや不幸な思い込みです。

商売の本質は何かと聞かれれば、それは「お金でお金を買う」ことだと私は答えます。何ともドライで冷たい感じがする答えですが、商売では売上や利益をお金で買っていると言っても過言ではありません。

100万円で130万円を買う。

130万円で210万円を買う。

210万円で470万円を買う。

470万円で1,390万円を買う。

使ったお金以上のお金を稼ぐサイクルをクルクルと回すのが商売の正体です。つまり、出て行くお金よりも入ってくるお金が多ければOK。

法人とは違って個人だと、「使ったお金は戻ってこない」と考えてしまいがち。この腕時計を買えば3万円がなくなってしまう。このスマホを買えば8万円がなくなってしまう。このクルマを買うと420万円がなくなってしまう。これが個人の価値観です。

しかし、企業、つまり法人の場合は、個人とは違います。仕事で使うためにスマホを会社で購入すれば、購入費用は8万円です(ここまでは個人と同じ)。しかし、それを使って業務を効率化して、8万円以上の価値を引き出して、損益分岐点を超えれば、スマホの購入代金は実質的にタダみたいなものになります。つまり、8万円のスマホを使って仮に30万円の価値を生み出せば、差し引きで22万円のプラスになります。こういう発想ができるのが法人なのです。さらに言うと、スマホの購入代金は経費になりますから、個人と法人ではお金の使い方が大きく違います。

 

いかにお金をケチるか。これは個人にとっては大事です。しかし、法人なり企業にとっては、いかにお金を使うかが大事になります。お金でお金を買うのが商売なのですから、それをケチっていては商売になりません。とはいえ、無駄遣いをせよというわけではなく、上手に遣うということ。

9のコツとは?

ダラダラ社員がキビキビ動く9つのコツと書かれているので、ではその9つのコツとは何なのか。

残業が多いと、

  1. 割増賃金を支払うので、人件費が増えて、利益が減る。
  2. キチンと残業代を支払っていないと、訴訟を起こされて、後から未払い分を回収される。
  3. 社員の健康に影響する。深夜労働が発生すると追加で健康診断も必要になる(定期検診とは別で)。
  4. 家庭内の不和を引き起こす。家庭で過ごす時間が少なくなるので、家族との仲が悪くなる。離婚する原因にも。
  5. 残業にウンザリして人が辞めていく。
  6. 人の出入りが増えるので、新人を教育する負担が増える。採用するつど教育が必要になる。
  7. 人材を募集する費用が増える。

何だかもう踏んだり蹴ったりです。

ここまでデメリットがあるのに、まだ残業を肯定するとなれば、もう変わり者でしょう。

では、「その9つのコツって何?」と気になるところ。

  1. 常用雇用者にiPadを配布。
  2. ネットワークカメラで営業所をモニタリング。
  3. 21時から4時まで社内ネットワークへのアクセスを禁止。
  4. オフィスの施錠時間をチェックして公表。
  5. 休日に仕事をする時は事前に代休を申請する。
  6. 生産性の低い単純業務はアウトソーシング。
  7. 企画書はA4で1枚。
  8. 環境整備を徹底。
  9. 早帰り推進チームを作る。

これが9つのコツ。詳しい内容は3章に書かれています。

iPadを使って、外でできることは外で完結できるようにして、会社に戻らずに仕事を済ませるようになった。その結果、定時で退社できるように。さらに、棚卸しに以前は3時間以上かかっていたが、今では30秒で終わる。さらに売上数字も手元のiPadで見れる。

 

iPadはもっと活用の幅があります。例えば、タクシーの場合、お客さんから配車依頼が来たことを知ることができますし、どの場所から呼ばれているかを地図で把握できます。また、Squareを使ってクレジットカード決済もiPadでできます。現状では、無線で情報をやり取りしていますし、カード決済も独自の端末を使っていますので、改善する余地があります。

端末の価格が安いので、個人タクシーでも導入しやすく、連絡や決済の手段としては便利な道具になります。

 

また、QRコードの読み取りもできますから、例えば、タクシー車両にQRコードを付けておき、それを読み取るとその車両の乗務履歴をチェックできるとか。誰がいつ乗務していたかが分かるとか。そういう情報管理もできるでしょうね。

 

お客さんが座る後部座席の前にQRコードを付けておけば、お客さんがスマホでそれを読み取り、タクシー会社の情報や今乗っているタクシーの乗務員情報を知れるなんてのも便利です。こだわり部分をお知らせするのもいいですね。どういうクルマを使っているのか(メルセデスとかBMWを使っていれば贅沢な感じがしますよね)。乗務員の制服のこだわりとか(どういう人がデザインして、どういう素材を使っているとか)。あとは、ニオイに関するこだわりも重要です。タクシーに乗ると、気になるのがニオイです。クルマ、体臭、タバコ臭、香水、加齢臭とか、とにかくニオイは重要ポイントですね。ニオイに対してキチンと対応しているタクシー会社はポイントが高いです。

 

 

ネットワークカメラで営業所を見るという部分は、遅くまで営業所に社員が滞留していないかを遠隔でチェックするもの。今のネットワークカメラは5,000円程度で購入でき、ネット経由で遠くから映像をチェックできます。極端な話、沖縄から北海道の映像をリアルタイムでチェックするなんてこともできます。

 

誰が残っているかを見れますから、当日の勤務シフトを見ながら、「あっ、アイツ残業しているな」と上司がチェックできてしまう。

 

とはいえ、常に上司が見ているわけではなく(実際のところメンドクサイのであまり見ない)、見ようと思えば見れるという状態にしているのがミソ。営業所にいれば、カメラが視界に入ってくるので、「常に見られている」と意識せざるを得ません。しかし、カメラをマメにチェックしている上司はほとんどいない。

 

カメラというのは、見る側がテキトーでも、見られる側は常にカメラを意識してしまうもの。そのため、ネットワークカメラが付いていると残業しにくくなるわけです。ダミーカメラが防犯の役に立つのも分かります。

 

ちなみに、タイムカードや出勤記録を残す場所にカメラを設置するのも有効です。例えば、タイムカードを置いている場所を映すカメラを設置しておくと、誰がいつ始業し、いつ終業したかを記録に残せます。カメラの映像を見れば、勤務シフトの情報と実際の勤務記録にズレがあれば分かるわけです。さらに、他人のタイムカードを打刻機に入れるなどという不正もできない。

 

始業前に仕事を始めたり、終業後も仕事を続けたりと、サービス労働をしている実態があれば、カメラで分かってしまいます。

 

こういう仕掛けも残業を減らす効果を期待できます。

 

ネットワークカメラは残業やサービス労働を減らすには有効な道具でしょうね。

 

 

 

社内ネットワークへのアクセス制限については、業務ソフトが社内ネットワークを経由しないと使えない場合に有効ですね。

指定の時間になればアクセスを遮断し、利用開始の時間になれば開放されるのでしょう。

 

この方法は応用もできます。例えば、社内のLANを指定時間になったら遮断するようにすると、ネットワークに接続できなくなるので、仕事を強制終了しなければいけなくなります。家庭用の無線LANルーターにも、指定時間になったら通信がOFFになる機能がありますよね。午前0時から午前7時まではネットを使えないようにするなんてことも可能です。

 

 

オフィスの施錠時間をチェックする方法については、従業員出入り口にセキュリティシステムを取り付けている会社ならば可能な方法です。お店や会社によっては、従業員全員が出た後に、カードキーなどを使ってセキュリティシステムを作動させるところがあり、作動した時間が施錠した時間です。また、システムを解除した時間が解錠した時間になります。

 

もし、事業所にセキュリティシステムを設置していない場合は、従業員出入り口にこれまたネットワークカメラを設置して録画すれば施錠時間が分かります。

 

 

 

代休申請の部分は、労務管理的には若干の物議を醸すところでしょう。

 

「事前に代休を申請したら、それは代休じゃなくて振替休日じゃないの?」と知識のある人ならば反応するでしょうね。

 

おそらく、武蔵野での代休は、労務管理では振替休日と同じものなのでしょう。

 

ちなみに、代休を取る時は、「先に休みを持ってきて、後から出勤日を持ってくる」のがコツです。

 

振替休日の問題点は解決できる

 

メールを使わない働き方

iPadでchatworkというサービスを使っているようで、これを使ってメールでの日報送信をやめたとのこと。身近なものだとLINEに近いものです。

 

メールだとある程度の体裁を整えて送信しないといけないので手間がかかりますが、LINEだとワンフレーズで連絡できるのでスピードが速い。

 

LINEを業務で使うことに抵抗がある人も少なくないですが、便利であることは確かですので、何とかして業務でも利用したいところ。

 

テキストでの連絡だけでなく、音声通話での連絡もできるアプリですから、業務へ取り込めればこれは便利です。

 

個人所有のスマホや個人用LINEアカウントを仕事でも使うとなると抵抗感がありますが、スマホと格安SIMを組み合わせて会社が用意すれば、業務用の端末を持つことも可能です。

 

iPad miniと格安SIM(データとSMSを組み合わせたプランで契約。LINEアカウントも作れる)を組み合わせて社員に配布すれば、これは便利でしょうね。端末の大きさは丁度いいですし、通信費も会社が負担するわけですから社員としては嬉しい限りです。さらに、業務だけでなくプライベートでも使っていいとなれば、さらに嬉しいでしょう(自分でiPadを買わなくていい)。

 

端末を紛失した場合は中のデータを遠隔操作で消去すればいいですから、情報漏えい対策もできます。

 

さらに、LINEモバイルのSIMを使えば、LINE経由の通信はカウントフリーですから、通信量を消費しません。

 

トランシーバーの代わりにLINEで音声通話を利用するのもいいですね。他には、社内で使っているPHSの代わりにLINEモバイルのSIMが入ったスマホを使うとか。屋内回線ではなくケータイ回線を使うので、社内だけでなく外出先へも無料で連絡が可能です、

 

個人所有のスマホやアカウントと分離されていれば、LINEを業務で使っても差し支えはないでしょう。

 

スマートフォン本体も1台2万円程度のリーズナブルな機種がありますので、そういうものと格安SIMを組み合わせて、業務用の連絡端末を作るのもいいですね。

まだ給与明細を配っているの?

給与明細も今は電子化することが可能になりました。

 

今でも手書きの給与明細を発行しているところや、コンピューターで印刷したものを配布しているところもあります。

 

社員数が7人とか16人とか、そういう小規模な会社ならば、手作業で給与明細を用意したほうが都合がいいでしょう。しかし、社員数が130人だとか340人と、大人数になっているにも関わらず、未だに印刷された給与明細を発行しているとしたら、これはもったいない。

 

給与明細を受け取って、内容をザッと見た後は、もう明細は要らないものになります。後から見るかもしれないので、クリップやファイルを使って保存している人もいるでしょうが、後から見る可能性は低い。

 

社員用のメールに給与明細のPDFを添付して送ってくれてもいいですし、社内のネットワークにデータを置いておいて、社員別のアカウントでサインインすれば見れるようにしておくのもいい。武蔵野ではサイボウズガルーンを使って給与明細を電子化しているとのこと。

 

給与は銀行振込が当たり前になっていますし、お金をデジタルで管理できるのですから、明細もデジタルで管理すれば便利ですよね。

 

明細が欲しい人は、各自でプリントアウトすればいいのですから、全員に配らなくてもいい。

ブラック企業だけでなく、ブラック社員も存在する

採用後、すぐには勤務を開始せずに、2週間後から出勤しようとする人がいて、その後スッタモンダした事例も掲載されています。

 

ちなみに、採用後、14日を超えると、解雇予告の手続きが必要になります(労働基準法21条)。

 

Wordは使える、Excelも使える、英会話もできるなど、良いことを言っておきながら、実際はどれもできない。じゃあ解雇できるかというと、解雇はできるものの、解雇予告もしくは解雇予告手当が必要になる(すでに採用後14日を超えているため)。

 

デタラメなことを言って採用され、勤務開始を先延ばしにして、雇用期間が14日を経過したら、会社に解雇させる。そして、会社は解雇予告手当を請求され、問題を起こした本人は解雇予告手当を貰う。このように労働基準法を悪用してくる人もいるんですね。

 

トンデモナイ人ですが、会社や制度を悪用して食い物にしようとする人は実際にいます。

 

こういう場合は、解雇予告をして(予告手当は支払わない)、30日の出勤停止(経歴や能力を偽って採用されたので懲戒処分)を組み合わせれば解決できそうですが、どうでしょうか。レアなケースなので私は経験したことが無いですが。

 

もしもの場合に備えて、経歴や能力を詐称して採用された場合は懲戒処分の対象になると就業規則に決めておかないといけませんね。こういう事例を知ると、ホントに就業規則は大切だと感じます。

 

私の経験でも、雇用保険でそういう人がいましたね。

 

基本手当が支給される条件(6ヶ月以上在籍)を満たしたら、ナンダカンダと難癖を付けて、会社から退職勧奨されたことにさせ(実際は本人都合による退職)、失業手当をせしめる人。コレ、本当にいましたからね。

 

会社都合での解雇だと、自己都合退職の場合と比べて、雇用保険の受給で有利になります。そのため、本当は自分の意志による退職なのに、会社から退職勧奨されたと嘘をついて、自己都合退職から会社都合による解雇にすり替える。こういうことをする人間が実在します。

 

人を採用する場合に、半年程度で退職を繰り返している人に遭遇したら要注意です。入社後、半年を経過したぐらいに、「退職勧奨された」と騒いで事実とは違う退職証明書を作成されるように要求されてしまいます。

 

意図的に離職して雇用保険を悪用する人もいますので、こういうブラック社員に遭遇したら実に厄介です。

 

 

会社の潰し屋みたいな人が実際に存在するんです。労務管理でトラブルが起こると、何かと企業側の責任にされがちなのですが、社員側(社員というよりも犯罪者に近い人ですが)が原因になっている場合もあります。

ダラダラと会社に残る4人

仕事が多いわけでもないのに、なぜか会社にいる。その結果、残業になっちゃう。そういう人もいるのでしょうね。

 

1.残業を理由にして家に帰らない既婚の男性。

早く家に帰ると、家事を手伝わされるし、怖い妻に会わないといけない。さらに、家に居場所がないなんて人もいるとのこと。

 

ダンナというものは家では厄介者(悲しい感じ、、)にされていることがあって、世の中のオトーサンは寂しい感じになっていますね。

 

家での厄介事を避けたいがために、会社に長い時間いるわけです。

 

 

2.家に帰っても寂しいので帰らない独身社員。

1人暮らしならば、玄関を開けても暗いだけですし、「おかえり」と言ってくれる人もいません。話し相手もいないし、温かいご飯を用意してくれている人もいない。

 

そうなると、人がたくさんいる会社に長居すれば、話し相手がいるし寂しい感じにはならない。その結果、ダラダラと居残って残業をしている。

 

 

3.同僚に話しかけられて集中できない人。

これは珍しいケースではないかと思うのですが、仕事が滞るほど話しかけてくる人がいるんですかね。そうだとすると、よほど暇な職場なのでしょうが、どうなんでしょう。

 

 

4.帰りにくい雰囲気を作っている上司。

これはあるあるなパターンですね。

 

上司よりも先に帰ってはいけないみたいな、ワケのわからない体育会系な価値観が蔓延している職場だとありそうです。

 

働く時間が長いほど偉いみたいな雰囲気の職場も困りもの。

 

周りの空気感というか雰囲気は人に影響を与えるもので、他の人が帰らないと自分も帰りにくい。他には、飲み会でも帰るタイミングをつかみにくいことってありますよね。周りがワイワイと会話が弾んでいるのに、「じゃあ、帰ります」と言い出しにくい。

 

既婚の男性、独身社員、ペチャクチャ社員、体育会系の上司、この4人が残業を増やす原因を作っているのですね。

残業すると賞与が減る

賞与を人質にして残業を減らすという方法も紹介されています。とはいえ、本の中では「人質」という表現は使われていません。私が言葉を選んで使っているだけです。

 

残業するほど賞与が減る。端的に書けば、そういう仕組みです。

 

例えば、残業1回につき、賞与が1%減る。50回残業すると、賞与は半分になる。どうです? なかなか厳しいでしょう?

 

さらに、100回の残業で賞与がゼロになる(100%カット)。こうなると、もう残業はできない。

 

想像するだけでもかなり効きそうな仕組みですね。

 

人によっては「減給制裁では?」と思うかもしれませんが、毎月の給与には制限があるが、賞与は企業の裁量でコントロールできます。どういう理由で増やしても、減らしても、それは企業の自由です。不支給ですらOKなのですから、何でもアリなのです。

 

増減が自由自在なので、インセンティブをコントロールするにはうってつけです。

 

毎月の給与は少なめにして、賞与でドバっと支給する会社は多いです。あれは、毎月の給与は調整しにくいので、賞与を調整弁として使っているわけです。

 

会社の業績に連動する賞与が一般的ですが、残業実績に連動する賞与は面白い。社員レベルだと、会社全体の業績に対する意識は希薄(他人事)ですが、自分の賞与となれば知らんぷりはできませんね。残業を1回すると、賞与が1%減るなんて、相当なプレッシャーです。

 

もちろん、減るだけでなく、残業がゼロだった場合は、賞与を30%加算するなどのインセンティブ(特別ボーナス)も用意しておくと、さらに効果が期待できます。減るだけだとヤル気が出ませんからね。

残業以外にも、部下の有給休暇消化率に連動して賞与が増減するのも良いですね。部下が有給休暇を消化できないのは上司の責任ですから、その責任を負わせるために連動させます。例えば、部下の有給休暇の消化率が89%だったとすると、未達になった11%だけ上司の賞与が減るなんてのはどうでしょうか。これまたなかなかのプレッシャーですね。

 

残業も有給休暇も、賞与を人質にして、しっかりと取り組ませる。自分の賞与が危機にさらされているのですから誰だって真剣になるでしょう。

ロボットやコンピューターに仕事を奪ってもらう

「10年後にロボットに代替されている仕事」

 

こういうタイトルで何らかの情報が発信されると、必ずと言っていいほど抵抗する人たちがいます。

 

例えば、自動運転技術が完成すれば、タクシーやバスの運転手が不要になる。さらに、荷物を運ぶトラック運転手が不要になる。そういう利点があるものの、雇用が失われるという理由で抵抗するんですね。

 

しかし、長時間労働を減らすには、ロボットやコンピューターの助けが不可欠。ヤマト運輸はアマゾン商品の配送を請け負っています(2017年3月時点)が、荷物が増えて配達する人たちの負担は大きくなりました。

 

送料無料でモノを送ってもらうと、買い物をする立場としては嬉しいのですが、そのシワ寄せが配送業者にいっているとなると、何だか複雑な気持ちになります。無料で配達してくれるのは嬉しいものの、それが誰かの犠牲で成り立っているとなると、悩ましいところ。

 

現状の条件で荷物を配達するには、ドローンを使った配送システムが必要です。人間が荷物を運んでいては利益が出なくなるし、なによりも働いている人間が消耗してしまいます。

 

となると、人がラクに仕事をするには、ロボット、コンピューターに仕事を奪わせるべきなのです。仕事を奪われることに抵抗すると、長時間労働で苦しむ。逆に、素直に仕事を手放せば、長時間労働から人間は解放される。

 

ロボットがクルマを組み立てたり、指定したプログラムに従って鋼材を削ったり、iPad経由でネットワークカメラを見たりメッセージをやり取りしたり、自動運転技術を搭載したクルマに乗ったり。人間が人海戦術で処理していた仕事をコンピューターやロボットは黙々とやってくれています。

 

ロボットが活躍してくれると、人間の労働時間を減らせる。つまりは残業を減らせるわけです。

 

抵抗する人に聞きたいのですが、「残業が長引いてもいいのか?」、「長時間労働でもいいのか?」と。ITを使わなければ、長時間労働を受け入れないといけないのが現実です。

所定労働時間を減らしたら残業は減るか

法定労働時間と一致させている会社が多いですが、所定労働時間を少なめに設定すれば、残業は減るのではないでしょうか。

 

法定労働時間だと、1日の労働時間は8時間までですが、所定労働時間を仮に1日6時間としたらどうか。

 

所定労働時間が6時間ならば、1日あたり2時間の余裕があります。もし、6時間を超えて2時間残業したとしても、法的には残業にはなりませんからね(1日8時間を超えていないので)。

 

仕事に使える時間を減らすので、自ずとシャキシャキと仕事をしないといけなくなり、その結果、残業も減る。

 

この方法は書籍には書かれていないのですが、残業を減らす1つの方法としてアリではないかと思います。

早退しても給与は出る

77ページに飲食店の例が載っていて、雨の日にお客さんが少ないとき、どういう対応をするかが書かれています。

 

  1. 閉店時間まで通常通りに営業する。
  2. 暇だからパートタイム(アルバイトを含む)で働いている人を早く帰らせる。
  3. 早く帰らせるけど、閉店時間までいたことにして給与はそのまま払う。

 

この3つの中で、あなたならばどれを選ぶか。

 

飲食店の仕事をしていると、台風が来るとお客さんが少なくなるとか、あまりに暇な日となると、社員を早退させたいと思うときがありますよね。店長の立場だと、こういうことで悩むはず。

 

しかし、契約した時間よりも早く帰らせると、契約違反になりますし、休業手当(使用者の責任で休ませたり早退させると、働かない時間に対して給与を支払わないといけない)も必要になります。

 

もし、7時間働く予定のところ、台風だからといって4時間だけで帰らせたら、3時間分の給与がなくなります。ノーワークノーペイの原則からすれば当たり前なのでしょうが、ここで考えを止めていては先は明るくない。

 

選択肢3を選ぶと、4時間で仕事を終えても、7時間分の給与を支払うので、社員側にはラッキーです。働いたことにして、早退にできるのですから。4時間は通常勤務で、3時間分は有給休暇になるようなものです。

 

時給1,000円だとして、4時間で7,000円の給与が手に入るのですから、実質的な時給は1,750円です。75%増しですからね。割増賃金でも25%とか30%ですから、それに比べて随分と良い条件です。

 

会社としては台風でお客さんは来ないし、給与もそのまま支払うので、隨分と損をしている感じがしますが、こういうオイシイ事が起こると、社員は辞めません。だって働かなくても給与が貰える時があるのですから。

 

人が辞めて、採用して、教育して、また辞めていく。この悪循環がなくなることを思えば安いもの。

給与よりも残業が無い会社や休みが取れる会社の方が魅力的

残業や休日出勤の無い会社が若い人にとって魅力的な会社の条件になりました。給与がたくさんもらえるよりも、残業や休日出勤が無い会社で働きたい。それが魅力になっているようです。

 

とはいえ、全員がそのような価値観を持っているわけではないでしょうが、給与以外の部分を評価して働く場所を選ぶ人もいます。

  • 休日を振り替えて出勤しない。
  • 有給休暇は全部使える。
  • 残業は無い。

このような点が魅力と思ってもらえるならば、考えようによっては安上がりです。給与をポンポンと増やすのではなく、お金があまりかからない部分で手を加えるのを好むのですから。

 

確かに、残業が多いと、人が辞めやすい。入ったばかりの新入社員とか、あとは女性の方は残業を嫌がる人が多いように思います。人が辞めれば、また採用して、教育もやり直しです。新しい人が入るたびに、同じことを何度も教えないといけないので、教える方はウンザリ。さらに、せっかく教えても、しばらくすれば辞めてしまうので、また初めからやり直し。

 

ずっと悪循環が続く。これも残業が原因です。

 

武蔵野では、残業時間を56.9%減らして、売上を123.8%アップしたのですから、残業を減らすメリットは明らかです。

 

残業で人がドンドンと辞めてしまうのは、1,000円を稼いで、10,000円を捨てているようなものです。お金を稼いでいるつもりが、それ以上にお金を捨てている。これでは会社は儲からない。

 

残業を56.9%減らせば、売上や利益も56.9%減ると思い込んでいる人。そういう人はなぜ『残業ゼロがすべてを解決する』のかを読んでみるべきでしょう。

 

「2014年3月の月間平均残業時間は57時間18分でしたが、2016年7月は24時間41分と56.9%ダウンしました」という部分も興味深いですね。月45時間を超えて残業できないのがルールですが、2014年時点ではそれを超えていたとのこと。

平成10年告示の基準では、残業の上限時間は月45時間ですが、それを超えていたのですね。それが24時間41分まで減ったと。これは確かにスゴイ。


残業ゼロがすべてを解決する――ダラダラ社員がキビキビ動く9のコツ

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