book876(100万円で就活を終えるならばオワハラも悪くない)

 

 

オワハラも条件次第では悪くない。


オワハラとは、いわゆるハラスメントの一種で、セクハラとかパワハラと同系の言葉。就活を終わるように要求する嫌がらせがオワハラ。

「ウチに入ることを決めてくれたら内定を出す。だから就活をこれで終了させて」と要求するのがオワハラですが、取り引きのやり方としては自然なものです。

当社だけでなく、他の会社からも納品すると言われれば、あまり良い条件で取り引きはできない。しかし、全てを当社から納品してくれると言われれば、こちらとしては嬉しいものです。「少し安くしてあげようかな」、「支払時期を遅くしてあげようかな」、「ちょっとオマケを付けようかな」と相手方の有利になるような条件で取引したくなります。



高校入試でも併願と専願で合格点に違いがあります。公立高校と私立高校を両方とも受験すると併願になり、私立高校だけを受験すれば専願になります。

併願だと合格点が3教科で230点だが、専願だと3教科で205点に下がる。こうやって受験生に差をつけるのが高校入試です。

1本に絞り込んだ人とそうではない人、両者で差を付けるのは、就活であれ高校受験であれ同じです。



こちらに来てくれるかどうか分からない人。
内定を出せばこちらに来ることが確実な人。

あなたならば、どちらに内定を出すか。おそらく後者の方に内定を出したくなるはずです。

浮気っぽい人と一途な人。往々にして好まれるのは後者です。



となると、「ウチに入ることを決めてくれたら内定を出す」と言われ、その時点で就活を終わるように要求されたとしても、別に不当なものではありませんし、相手がこちらに有利な条件を提示しているならば、嫌がらせとも言えません。

オワハラをハラスメントと表現すべきなのかどうか。考えると不思議に感じます。スメハラやヌーハラなど、何でもかんでもハラスメントワードに仕立てる風潮がありますから、オワハラも軽い気持ちで作られた言葉なのでしょう。



オワハラに対抗するために、学生側も図太くなって、「はい、ここで決めます」と相手方には伝えておき、就活はそのまま続行するなんてこともあるでしょう。就活を続けても損害賠償を請求されることはないですし、法律に違反することでもありませんから、ここは自由です。

例えば、「ここで就活を終えてくれたら、一時金で100万円出す」なんて言われて、そのお金を受け取ったにも関わらず就活を続ければ、後から100万円を返還するように要求されます(就活をやめて、他の選択肢を放棄させることへの対価なので、法的にも要求できる)。しかし、そういう「ニンジン」を食べていないならば、その後の就活は自由です。

100万円貰えて、内定もゲットし、メンドクサイ就活を終えられるならば、私ならば喜んでニンジンを食べちゃうでしょうね。100万円で卒業旅行に行けば、さぞ豪華な旅行になるでしょう。


しかし、何の対価も用意せずに、一方的に就活を終えてくれなどと要求されれば、それはさすがに受け入れがたいところ。

 

 

 

採用に影響しないならば、学生はインターンシップに参加しない。


インターンシップが選考に影響することに反対する人がいるようですが、選考に影響しないならば、わざわざ時間を作ってインターンシップに参加する学生はいません。

もちろん、どうしても興味なり好みがあって、金融分野での仕事に異常なほど興味があるとか、宇宙関連の仕事にどうしても関わりたいとか、人工知能に関連する企業で仕事をしたいなど。こだわりがあってインターンシップに参加する人も中にはいるでしょうから、そういう人は「見返り」が無くても参加するでしょう。

しかし、多数の学生にとっては、インターンシップは採用の第一段階であって、インターンシップに参加していなければ後からの選考で不利になる。だから参加するわけです。

面接でもインターンシップに参加したかどうかを聞くはずですし、参加しなかったとなれば、「なぜ参加しなかったのか」など色々と詰問されて厄介な状況になると予想できます。

インターンシップのその先を考えて、学生は参加しているのですね。


人材採用に関連しないならば、企業もインターンシップを実施しません。善意やボランティアでやっていることじゃなくて、将来、採用したい人を探す場がインターンシップです。もちろん、インタビューを受ければ、表向きは綺麗な目的を言うはずです。「我々の仕事がどのように社会と関わっているか」、「人間の生活をいかに向上させているか」、「人類の未来に貢献できるか」、そういう素晴らしい感じの答えを出すでしょう。

しかし、本当の目的は、一緒に働いてくれる人を探す場としてインターンシップは機能しています。


インターンシップを就業体験と定義している人もいますが、遊びではないですし、採用に影響しない単なる就業体験ならば、スマホでゲームをしている方が楽しいでしょう。

インセンティブが無ければ人は動かないもの。就活に影響する、採用に影響する。だからインターンシップに参加するのであって、お仕事体験をしたいから参加しているわけではないのです(ごく一部の人を除いて)。



学生にとっては、インターンシップに参加すれば自分をアピールできる。
企業にとっては、気に入った人を先にキープできる。

お互いに利益が一致しています。

就活では、当事者は企業と学生なので、それ以外の第三者が口出ししても状況は変わりません。企業と学生にとってメリットがあるならば、やり方を変えることはありませんので。

 

 


採用結果の連絡を待つな。


採用か不採用かの連絡をしてこないことに不満を抱いている人もいるようですが、結果を待たずにドンドンと他の会社へ応募して、先に内定を出したところから検討すればいいでしょう。

レスポンスが遅いということは、さほど採用に力を入れていないか、あなたを必要としていないか、そういう類のネガティブな理由があるのではと思えます。

採用したいならば、それこそ面接の場で内定を出すぐらいの勢いがあるでしょうし、「100万円やるから就活を終えてくれ」とオイシイ話を持ちかけてくるでしょう。

読んでも気分が暗くなるだけのお祈りメールを待つ必要はないですし、メールが来るのを呑気に待つこともありません。

レスポンスの遅い企業は切る。これぐらいの気持ちで接すれば良いでしょう。

 

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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